Search Console / アナリティクス2026.08.21

ABC分析とは|やり方・ランク分けの基準とExcelでの作り方を実務目線で解説


この記事の要点

ABC分析とは、売上や利益などの大きさが高い順に商品を並べ、累積構成比をもとにA・B・Cの3ランクへ分類して、限られた手間とお金を「効く場所」へ集中させるための手法です。背景には「上位2割の商品が売上の8割をつくる」というパレートの法則があります。この記事では、ランク分けの基準(累積構成比A70%・B90%・C100%など)、Excelでの作り方を売上降順→累積→構成比→ランク付与の手順で、そしてランク別の在庫・発注・販促の打ち手までを、専門知識がなくても手を動かせる粒度で整理します。

「商品数が増えすぎて、どれに力を入れればよいか分からない」「在庫も発注も、なんとなく全部を平等に扱ってしまっている」——こうした悩みは、店舗やECを運営する多くの中小企業で共通して聞かれます。人手も時間も限られている以上、すべての商品に同じだけの手間をかけるのは現実的ではありません。

そこで役に立つのがABC分析です。ABC分析は、売上への貢献度が高い順に商品をランク分けし、「どこに集中し、どこは手を抜くか」という判断の軸を与えてくれます。特別なツールは不要で、Excelさえあれば今日から始められます。本記事は、ABC分析という言葉を初めて聞く方でも、読み終えたときに自社の売上データで実際に分類表を作れる状態になることを目標に構成しました。なお、商品まわりの分析全体の地図を先に把握したい場合は、商品分析の全体像をまとめた記事から読むと、ABC分析がどの位置づけにあるのかがつかみやすくなります。

ABC分析とは|パレートの法則と80:20の考え方

まずはABC分析がどんな手法なのか、その土台にあるパレートの法則とあわせて押さえておきます。考え方そのものは驚くほどシンプルです。

パレート図:売上降順の棒と累積構成比の曲線売上累積%100%70%Aランク上位・売上の約7割Bランク中位Cランク下位・数は多い左に行くほど売上が大きい/曲線は累積構成比を表す

ABC分析の定義

ABC分析とは、売上・利益・出荷数といった指標を大きい順に並べ、その累積構成比によって商品(または顧客・在庫品目)をA・B・Cの3つのグループに分類する手法です。「重点分析」とも呼ばれます。目的は、貢献度の高いものを見極め、そこに経営資源を優先的に振り向けることにあります。

たとえば取扱商品が100品目あったとして、そのすべてを均等に扱おうとすると、担当者の時間はいくらあっても足りません。実際には、売上の大半を生んでいるのはごく一部の商品であることがほとんどです。ABC分析は、その「一部」を数字で客観的にあぶり出し、力の入れどころを明確にします。売上全体の構造をKPIツリーで俯瞰したうえで取り組むと、より判断がぶれにくくなります。売上を要素分解する考え方は、売上を分解して考えるKPIツリーの記事で詳しく解説しています。

パレートの法則(80:20の法則)とABC分析の関係

ABC分析の背景にあるのが、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが見出したパレートの法則です。これは「全体の成果の約8割は、全体の構成要素の約2割が生み出している」という経験則で、一般に「80:20の法則」として知られています。所得分布から始まった観察ですが、ビジネスの現場でも驚くほど広く当てはまります。

売上に当てはめると、「売れ筋の上位2割の商品が、売上全体の8割をつくっている」という状態がよく見られます。裏を返せば、残り8割の商品が売上の2割にしか寄与していないということです。この偏りを前提に、上位から順に線を引いて優先度を分けるのがABC分析だと考えると理解しやすいでしょう。パレートの法則が「偏りがある」という事実を示し、ABC分析が「その偏りをどう扱うか」という実務の道具になる、という関係です。

ただし、8割・2割という数字はあくまで目安であって、きっちりその比率になるわけではありません。業種や商品構成によって、上位3割で売上の6割ということもあれば、上位1割で9割ということもあります。大切なのは正確な比率ではなく、「自社の売上は、どの程度一部の商品に偏っているのか」という構造をつかむことです。

セクションのまとめ:ABC分析は、パレートの法則(上位2割が売上の8割)という偏りを前提に、貢献度の高い順へA・B・Cのランクを付け、力の入れどころを絞り込むための手法です。

ABC分析のランク分けの基準

ABCのランクは、感覚ではなく累積構成比という数字で機械的に決めます。ここが分析の肝になる部分です。

累積構成比でランクを決める

ランク分けは、売上を高い順に並べたうえで、上から足し上げた累積の割合(累積構成比)を基準にします。最も一般的な区切りは次のとおりです。

  • Aランク:累積構成比が0%〜70%までに入る商品(=売上の中核)
  • Bランク:累積構成比が70%〜90%までに入る商品(=中位)
  • Cランク:累積構成比が90%〜100%の商品(=下位、数は多い)

「70%・90%・100%」という区切りは代表的な設定で、業種によっては「80%・95%・100%」など別の値を使うこともあります。閾値をまたぐ商品は、そのラインを超えたランクに含めるのが通例です。たとえば累積構成比が68%の商品まではAで、次の商品を足したら73%になった場合、その商品まではAに含める、という運用がわかりやすいでしょう。

具体例:8商品でABC分析をしてみる

言葉だけではイメージしにくいので、実際の数字で見てみます。ある店舗の月間売上を、金額の高い順に並べたのが次の表です。売上合計は910,000円としています。

商品 売上 構成比 累積構成比 ランク
商品A 300,000円 33.0% 33.0% A
商品B 220,000円 24.2% 57.1% A
商品C 150,000円 16.5% 73.6% A
商品D 90,000円 9.9% 83.5% B
商品E 60,000円 6.6% 90.1% B
商品F 45,000円 4.9% 95.1% C
商品G 30,000円 3.3% 98.4% C
商品H 15,000円 1.6% 100.0% C

この例では、上位3商品(A・B・C)だけで売上の73.6%を占めています。8商品のうちわずか3商品、つまり全体の約4割で売上の7割超を生んでいるわけです。パレートの法則が示す「偏り」が、数字としてはっきり見えるのではないでしょうか。一方、下位のCランク3商品(F・G・H)を合わせても売上の約1割にとどまります。この構造が分かれば、「どこに時間を使い、どこは省力化するか」という判断が一気にしやすくなります。

基準は業種・目的で調整する

閾値は固定ルールではありません。取扱品目が数千に及ぶ小売やECでは、Aランクを絞り込みたいので「A=60%まで」と厳しめにすることもあります。逆に品目が少ない専門店では、「A=80%まで」と広めに取ったほうが実務に合う場合もあります。また、分析の指標を売上ではなく粗利益にすると、ランクの顔ぶれが変わることも珍しくありません。売上は大きいが利益率の低い商品がBやCに落ち、逆に売上は中位でも高利益の商品がAに上がる、というケースです。目的が「売上を伸ばす」のか「利益を守る」のかで、使う指標を選ぶとよいでしょう。

セクションのまとめ:ランクは累積構成比で機械的に決めます。代表的な区切りはA70%・B90%・C100%で、閾値や指標(売上か粗利か)は業種と目的に応じて調整します。

ExcelでABC分析を作る手順

ここからは、専用ツールを使わずExcelだけでABC分析表を作る手順を、4つのステップに分けて解説します。前掲の表は、次の流れで誰でも再現できます。

ExcelでのABC分析:4ステップ1STEP 1売上降順に並べ替え2STEP 2累積売上を計算3STEP 3累積構成比を計算4STEP 4IF関数でランク付与

ステップ1:データを準備して売上降順に並べ替える

まず、A列に商品名、B列に一定期間の売上金額を入力します。期間は月次でも四半期でも構いませんが、季節変動の影響を避けたい場合は3か月〜1年など、ある程度の長さでまとめるのがおすすめです。データがそろったら、B列(売上)を基準に降順で並べ替えます。Excceのメニューから「データ」→「並べ替え」を選び、売上列の大きい順を指定するだけです。この並べ替えがすべての前提になるので、必ず最初に行ってください。

ステップ2:累積売上を計算する

次に、C列に累積売上を計算します。累積売上とは、その行までの売上を上から順に足し上げた合計です。1行目は売上そのままなので、たとえば商品Aが2行目にあるなら =B2 と入力します。3行目以降は「一つ上の累積売上+自分の売上」なので、=C2+B3 と入れて、下方向へコピーします。最終行の累積売上が、全商品の売上合計と一致していれば計算は正しくできています。

ステップ3:構成比と累積構成比を計算する

続いて、各商品が売上全体に占める割合(構成比)と、それを足し上げた累積構成比を出します。売上合計を仮にセルB10に入れておくとすると、構成比は =B2/$B$10、累積構成比は =C2/$B$10 で求められます。合計セルは絶対参照($マーク)で固定しておくと、下へコピーしてもずれません。セルの表示形式を「パーセンテージ」にすると、73.6%のように見やすく表示されます。累積構成比の最終行が100%になっていれば正しく計算できています。

ステップ4:IF関数でランクを付与する

最後に、累積構成比を見てA・B・Cを自動で振り分けます。累積構成比がセルE2にあるとすると、次のようなIF関数を使います。

  • =IF(E2<=70%,”A”,IF(E2<=90%,”B”,”C”))

この式は「累積構成比が70%以下ならA、90%以下ならB、それより大きければC」という意味です。閾値の70%・90%の部分を書き換えれば、自社の基準に合わせて調整できます。式を下方向へコピーすれば、全商品に一括でランクが付きます。あとは並べ替えやフィルターでランクごとにまとめれば、分析表の完成です。パーセント表記が扱いにくい場合は、70%を0.7、90%を0.9と小数で書いても同じ結果になります。

ポイント

一度この表を作っておけば、翌月からは売上の数字を入れ替えて並べ替え直すだけで再利用できます。テンプレート化しておくと、毎月の分析がほぼ手間なく回せるようになります。

セクションのまとめ:Excelでは「売上降順に並べ替え→累積売上→累積構成比→IF関数でランク付与」の4ステップでABC分析表が作れます。一度テンプレート化すれば毎月の更新はごく短時間で済みます。

ランク別の在庫・発注・販促の打ち手

ABC分析は、分類して終わりでは意味がありません。各ランクにどんな打ち手を当てるかまで決めて、はじめて成果につながります。ランクごとの基本方針を整理します。

ランク 在庫・発注の方針 販促の方針
A 欠品は厳禁。発注頻度を高め、安全在庫を厚めに確保。需要予測も丁寧に行う。 主力として露出を最大化。目立つ棚・トップページ・広告の軸に据える。
B 標準的な在庫管理。定期的に発注量を見直し、過不足を調整。 Aへ引き上げられる候補を探す。関連販売やセット提案で底上げ。
C 発注は最小限。まとめ発注や在庫圧縮で、抱えるコストを下げる。 手間をかけない。整理・縮小・終売も選択肢。省力化・自動化を優先。

Aランク商品への打ち手

Aランクは売上の中核であり、ここでの欠品は売上への打撃が最も大きくなります。したがって在庫は厚めに持ち、発注のタイミングを逃さないことが最優先です。販促面では、この商品を軸にした集客・回遊設計が効きます。Aランク商品を目当てに来店・訪問した顧客に、関連商品やBランク商品を提案することで客単価を引き上げる、といった設計です。客単価を高める考え方は、客単価を上げる方法を整理した記事もあわせて参考にしてください。

Bランク商品への打ち手

Bランクは「化ける可能性のある層」です。少しの後押しでAランクに上がる商品が眠っていることがあります。露出を増やす、見せ方を変える、Aランク商品とセットにする、といった施策を試し、反応を見ながら育てていくのがBランクの扱い方です。すべてのBを底上げしようとすると手が回らないので、伸びしろの大きそうな数点に絞って手を入れるのが現実的でしょう。

Cランク商品への打ち手

Cランクは品目数こそ多いものの、売上への貢献は小さい層です。ここに時間をかけすぎないことがABC分析の狙いでもあります。発注をまとめて手間を減らす、在庫を圧縮する、場合によっては終売を検討する、といった省力化が基本方針になります。ただし注意も必要で、Cランクの中には「新商品でこれから伸びるもの」「他商品を引き立てる品ぞろえ上の役割を持つもの」が混じっていることがあります。数字だけで機械的に切り捨てず、役割を見てから判断することが大切です。

セクションのまとめ:Aは欠品厳禁で露出強化、Bは伸びしろを見て底上げ、Cは省力化と整理が基本です。分類したら必ず打ち手までセットで決めます。

他の分析手法との組み合わせ

ABC分析は単独でも有効ですが、他の分析と組み合わせると、打ち手の精度が一段上がります。代表的な組み合わせを紹介します。

在庫回転率との組み合わせ

ABC分析は「売れている量」を見ますが、在庫回転率は「在庫がどれだけ効率よく回っているか」を見ます。この2つを掛け合わせると、「Aランクなのに回転が悪い(売れているが在庫を持ちすぎ)」「Cランクだが回転は速い(少量だが着実に売れる)」といった、単独では見えない状態が浮かび上がります。在庫の持ち方を最適化したい場合は、在庫回転率の見方と改善方法の記事とあわせて活用すると効果的です。

バスケット分析(併売分析)との組み合わせ

ABC分析だけでは、「単体では売れないが、他の商品と一緒に買われることで貢献している商品」の価値を見落としがちです。ここで役立つのがバスケット分析(併売分析)です。何と何が一緒に買われているかを見れば、CランドやBランクの商品が、実はAランク商品の購入を後押ししているケースが見つかります。単純な売上ランクだけで整理する前に、併売のつながりを確認しておくと、切り捨ての判断ミスを防げます。詳しくはバスケット分析(併売分析)の記事を参照してください。

クロスABC分析・顧客のABC分析

ABC分析は商品だけでなく、顧客にも応用できます。売上への貢献が大きい顧客をA、そうでない顧客をCと分ければ、優良顧客の維持や離反防止に力を注ぐ判断ができます。また、「売上のABC」と「粗利のABC」という2軸で商品を分類するクロスABC分析を行うと、売上は大きいが利益の薄い商品と、地味だが利益率の高い商品を見分けられます。分析の軸を増やすほど、打ち手はきめ細かくなります。まずは商品の売上ABCから始め、慣れてきたら軸を足していくとよいでしょう。

セクションのまとめ:ABC分析は在庫回転率・バスケット分析・クロスABC分析と組み合わせることで、単独では見えない「回転」「併売」「利益」の視点が加わり、打ち手の精度が上がります。

ABC分析の注意点

便利な手法ですが、使い方を誤ると判断を誤らせることもあります。運用上、特に気をつけたい点を挙げます。

注意

ABC分析は「過去の実績」の分析です。これから伸びる新商品や、季節性の強い商品は、過去データだけでは正しく評価できません。ランクを絶対視せず、商品の背景や役割とあわせて判断してください。

もう一つの注意点は、分析の期間設定です。短すぎる期間で区切ると、たまたまその月に売れただけの商品がAに入り込み、実力を見誤ります。逆に長すぎると、直近の変化に鈍感になります。月次で継続的に見つつ、四半期や年間でも俯瞰する、という二段構えがおすすめです。また、ランク分けは目的に沿った指標で行うことも忘れないでください。「利益を守りたい」のに売上でABCを組むと、利益の薄い商品に力を入れてしまう、という本末転倒が起こり得ます。

セクションのまとめ:ABC分析は過去実績の分析であり、新商品・季節商品・併売品の評価には向きません。期間設定と指標選びに注意し、ランクを絶対視しないことが大切です。

ABC分析でやってはいけない5つのこと

最後に、現場でよく起こる失敗を「やってはいけないこと」として5つにまとめます。ここを避けるだけで、分析の質は大きく変わります。

やってはいけない5つのことNOT TO DO1Cランクを一律で切り捨てる役割や併売貢献を見ずに終売するのは危険2単一の短い期間だけで判断するたまたま売れた月でランクが歪む3分類しただけで打ち手を決めないランク付けは手段、施策までが目的4目的と指標がずれている利益を守りたいのに売上でABCを組む5ランクを固定して見直さない需要は動く。定期的な再分類が前提

  • Cランクを一律で切り捨てる:数字だけを見て終売すると、他商品の購入を支えていた品や、これから伸びる品まで失いかねません。
  • 単一の短い期間だけで判断する:たまたま売れた月のデータでランクを組むと、実力を見誤ります。複数期間で確認しましょう。
  • 分類しただけで満足する:ABC分析はランク付けが目的ではありません。ランクごとの打ち手を決めて初めて成果につながります。
  • 目的と指標がずれている:利益を守りたいのに売上でABCを組むなど、目的に合わない指標を使うと判断を誤ります。
  • 一度作って放置する:需要も商品構成も動きます。定期的に再分類し、ランクの変化を追う運用が前提です。

セクションのまとめ:切り捨ての即断、短期間での判断、打ち手なしの分類、目的と指標のずれ、放置——この5つを避けるだけで、ABC分析の精度は大きく上がります。

AIを使ってABC分析を半自動化する

ABC分析はExcelで作れますが、毎月の集計や解釈にはそれなりの手間がかかります。ここにAIを組み合わせると、一人運用でも無理なく回せるようになります。

たとえば、売上データを貼り付けて「累積構成比を計算し、70%・90%・100%の基準でABCランクを付けて、表にまとめてほしい」と生成AIに指示すれば、計算とランク付けの下ごしらえを任せられます。さらに、出来上がったランク表を渡して「AランクとCランクそれぞれの特徴を要約し、取るべき施策の案を出してほしい」と依頼すれば、打ち手のたたき台まで作れます。担当者は、その案を自社の事情に照らして取捨選択するだけで済みます。

ここで大切なのは、AIに丸投げして結論をそのまま採用しないことです。AIは計算や要約、案出しは得意ですが、「このC商品は品ぞろえ上の役割があるから残す」といった、現場の文脈を踏まえた最終判断は人間の仕事です。AIを「作業を肩代わりする道具」と位置づけ、判断は自分で握る——この線引きが、限られたリソースで成果を出すコツになります。手を動かす部分をAIに寄せ、考える部分に人の時間を残す、という役割分担を意識してみてください。

セクションのまとめ:計算・要約・施策案の作成はAIに任せ、最終判断は人が握る。この半自動化の役割分担で、一人運用でもABC分析を無理なく継続できます。

よくある質問

ABC分析について、実務でよく寄せられる質問をまとめました。

Q. ABC分析のA・B・Cは、それぞれ何を意味しますか?

売上などへの貢献度による重要度のランクを表します。Aは貢献度が最も高い中核グループ、Bは中位、Cは貢献度が低いグループです。累積構成比で機械的に区切り、一般にはAを70%まで、Bを90%まで、Cを100%までとします。

Q. ABC分析とパレートの法則はどう違いますか?

パレートの法則は「上位2割が成果の8割を生む」という偏りの経験則で、事実を説明する考え方です。ABC分析は、その偏りを前提に商品を実際にA・B・Cへ分類し、打ち手に落とし込む実務の手法です。法則が土台、ABC分析が道具という関係になります。

Q. ABC分析は売上と利益のどちらで行うべきですか?

目的によります。集客や売上の柱を見極めたいなら売上、収益性を守りたいなら粗利益で組むのが適切です。売上のABCと粗利のABCを2軸で見るクロスABC分析にすると、売上は大きいが利益の薄い商品なども見分けられます。

Q. Cランクの商品は取り扱いをやめるべきですか?

数字だけで即断しないほうが安全です。Cランクの中には、他商品と一緒に買われて売上を後押ししている品や、これから伸びる新商品が含まれることがあります。併売の状況や商品の役割を確認したうえで、省力化・整理・終売を判断してください。

Q. ABC分析はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

月次で継続的に見つつ、四半期や年間でも俯瞰する二段構えがおすすめです。需要や商品構成は変化するため、一度作って放置せず、定期的に再分類してランクの動きを追うことが大切です。Excelでテンプレート化しておくと更新は短時間で済みます。

あわせて読みたい関連記事

ABC分析をさらに活かすために、商品まわりの分析を体系的に押さえておくと理解が深まります。

まとめ:ABC分析で「力の入れどころ」を決める

ABC分析は、限られた人手とお金を「効く場所」へ集中させるための、シンプルで強力な道具です。特別なツールは要らず、Excelさえあれば今日から始められます。

  • ABC分析は、パレートの法則(上位2割が売上の8割)という偏りを前提に、商品をA・B・Cへ分類する手法です。
  • ランクは累積構成比で機械的に決めます。代表的な区切りはA70%・B90%・C100%です。
  • Excelでは「売上降順→累積売上→累積構成比→IF関数でランク付与」の4ステップで作れます。
  • Aは欠品厳禁で露出強化、Bは伸びしろを見て底上げ、Cは省力化と整理が基本方針です。
  • 在庫回転率やバスケット分析と組み合わせ、AIで半自動化すれば、一人運用でも継続できます。

まずは自社の売上データで、8商品でも10商品でも構いませんので、実際に分類表を作ってみてください。売上の偏りが数字で見えた瞬間に、「どこに力を入れ、どこは手を抜くか」の判断が驚くほど楽になるはずです。

この記事の執筆

webcan.jp編集部 Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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