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中小企業にSNSは必要か|社長が始める前に決める目的と続けられる量

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SNS集客公開日

中小企業にSNSは必要か|社長が始める前に決める目的と続けられる量

事務所で社長と担当者がSNSの目的と時間を話し合う様子

この記事の結論(先に3行で)

会社のSNSは、すべての会社に必須ではありません。目的が決まる会社は「やる」、決まらない会社は「後でよい」で問題ありません。

始めるなら、先に決めるのは「誰に・何のために・週に何時間まで」の3つです。SNSの種類選びはその後です。

続けられる量の目安は、担当者1名で週1〜3時間です。これを超える計画は、半年以内に止まりやすくなります。

「うちもSNSをやった方がいいのだろうか」と、社長が一度は考えたことがあると思います。取引先や社員から「他社はやっていますよ」と言われると、気になるものです。

ただ、SNSは始めるのは簡単でも、続けるのが難しい道具です。更新が止まったアカウントは、かえって「活動していない会社」に見えることもあります。

この記事では、中小企業の社長が判断できるように、やる・やらないの判断表、業種別に向くSNS、週あたりの手間の目安を順に整理します。操作手順は最小限にし、担当者に渡せるチェックリストも付けました。

なお、この記事に書く時間や費用は、すべて「目安」です。会社の規模や担当者の慣れで変わりますので、最後に「自社で測る方法」も示します。

まず結論:SNSは「全社必須」ではなく「目的が合えば効く道具」

SNSが必要かどうかは、業種よりも「目的」で決まります。同じ業種でも、目的が違えば答えが変わります。

SNSが向く会社の共通点

  • お客様が一般の消費者で、写真や動画で違いが伝わる商品・サービスがある
  • 来店や予約など、行動までの距離が短い
  • 社内に「スマホで写真を撮るのが苦にならない人」が1名いる
  • 採用で、若い世代に職場の雰囲気を見てもらいたい
  • 既存のお客様との連絡を、電話やはがきから手軽な方法に移したい

SNSが後回しでよい会社の共通点

  • 取引先が限られ、紹介と継続取引で仕事が回っている
  • 商品が専門的で、お客様はまず検索して会社の概要を調べる
  • 担当を任せられる人がおらず、社長が一人で更新することになる
  • 今のホームページが古く、問い合わせの受け皿が整っていない

特に最後の点は大切です。SNSで興味を持った人は、最後にホームページや電話で確認します。受け皿が弱いまま入口だけ増やしても、問い合わせにはつながりにくいものです。

ホームページの整え方は、ホームページで集客する方法の記事で詳しく書いています。

ポイント

SNSは「人に見つけてもらう入口」の一つです。入口を増やす前に、入口の先にある「受け皿」が整っているかを先に確認してください。

やる・やらないの判断表|社長が5分で決められる確認項目

次の表で、当てはまる数を数えてみてください。細かい点数は気にせず、方向を見るための表です。

確認項目 「はい」の場合 「いいえ」の場合
SNSで達成したい目的を、一言で言える(例:採用、来店、既存客との連絡) 前に進めます 先に目的を決めます
担当者を1名決められ、業務時間内に週1〜3時間を確保できる 前に進めます 今は始めず、体制を先に整えます
写真・動画にできる題材(商品、現場、仕事の様子)が複数ある 前に進めます LINE公式など、題材が少なくても続く手段を検討します
お客様や応募者が、普段使っているSNSが分かる そのSNSから始めます お客様に聞いてから決めます
ホームページか予約・問い合わせの受け皿が整っている 前に進めます 受け皿を先に直します
投稿のルール(載せてよいもの・いけないもの)を決められる 前に進めます ルール作りを先にします

判断の目安

「はい」が5〜6個:始めてよい状態です。小さく始めて3か月で見直してください。

「はい」が3〜4個:不足している項目を整えてから始めると、続きやすくなります。

「はい」が2個以下:今は見送って構いません。他の集客手段を先に整える方が、費用対効果は高くなりやすいでしょう。

SNSをやるかどうかの判断フロー①目的を一言で言えますか②担当者1名と週1〜3時間はありますか③受け皿(HP・予約)は整っていますかはいはい小さく始めて3か月で見直すいいえいいえ先に目的を決める(話し合いから)体制づくりが先(今は見送りでよい)③がいいえの場合は、受け皿の整備を先に行います

「やらない」と決めることも、立派な経営判断です

SNSをやらないと決めた会社が、取り残されるわけではありません。限られた人手を、紹介・ホームページ・地図検索など、成果の見えやすい手段に使うのも正しい判断です。

大切なのは、「何となく不安だから」ではなく、「目的に合わないから見送る」と理由を残すことです。半年後に状況が変われば、同じ表でもう一度確認できます。

始める前に決める「目的」|SNSで得たいものは3種類に絞る

SNSを始めてうまくいかない会社の多くは、目的が曖昧です。「とりあえず投稿する」では、何を載せるか、いつまで続けるかが決まりません。

中小企業の場合、目的は次の3種類のどれかに絞るのが現実的です。複数を欲張ると、手間が増えて続きません。

目的 どんな会社に向くか 見るべき数字(自社で測る) 向きやすいSNS
① 新しいお客様に知ってもらう BtoC(一般のお客様向け)で、見た目で選ばれる商品・サービス プロフィールを見た人の数、ホームページや予約ページへの移動数 Instagram、YouTube、TikTok
② 既存のお客様と関係を続ける リピートや再来が売上の柱になる会社 友だち登録数、配信後の予約・来店の数 LINE公式アカウント
③ 信頼を高める・採用に活かす BtoB(会社向け)、地域で信頼が大事な会社、採用を強めたい会社 応募者が「SNSを見ました」と言った回数、取引先からの反応 Facebook、X、YouTube、Instagram

目的①:新しいお客様に知ってもらう

写真や動画で違いが伝わる業種に向きます。美容、飲食、住宅、リフォーム、小売などです。ただし、見つけてもらってから問い合わせまでの距離が長い業種は、成果が出るまで時間がかかります。

Instagramの考え方はInstagram集客のやり方、住宅関連なら工務店・建築会社のインスタ集客が参考になります。

目的②:既存のお客様と関係を続ける

新規のお客様を増やすより、一度来てくれた人に再び来てもらう方が、負担は軽いことが多いものです。ここで力を発揮するのがLINE公式アカウントです。

配信内容を決める手順や、友だちの増やし方はLINE集客の完全ガイドにまとめています。

目的③:信頼を高める・採用に活かす

取引先や求職者は、会社の名前を調べることがよくあります。そのとき、更新されている公式のSNSがあると、安心材料になる場合があります。

ここでは「バズらせる」必要はありません。月に数回、会社の動きが分かる投稿があれば、十分役割を果たします。

注意

目的を「フォロワー数」にしないでください。フォロワーが増えても、売上や採用につながらないことがあります。見るのは、問い合わせ・予約・応募など、会社の成果に近い数字です。

業種別に向くSNS|一覧表と選び方

次の表は、一般的な傾向をまとめた目安です。同じ業種でも、地域やお客様の年齢層で変わります。最終的には、自社のお客様に聞いて決めてください。

業種のタイプ 最初に考えたいSNS 理由 後から足すなら
飲食店・カフェ Instagram、LINE公式 料理の写真で選ばれやすく、再来にLINEが使いやすい Googleマップの情報整備
美容室・エステなど Instagram、LINE公式 仕上がりの写真が伝わりやすく、予約連絡も手軽 YouTube(施術の流れ)
住宅・工務店・リフォーム Instagram、YouTube 施工事例や現場の様子が写真・動画で伝わる LINE公式(見学会案内)
製造業・町工場 Facebook、YouTube 取引先や採用向けに技術や職場を見せやすい Instagram(採用向け)
建設・設備・運送などの現場系 Instagram、Facebook 採用向けに職場の雰囲気を見せやすい YouTube(仕事紹介)
小売店・地域の専門店 LINE公式、Instagram 来店のきっかけ作りと、常連さんへの連絡 X(入荷・営業情報)
BtoBサービス・卸・商社 Facebook、X 担当者同士の信頼づくりに向き、更新頻度は少なくてよい YouTube(説明動画)
医療・士業などの規制がある業種 まず公式サイトの整備 広告規制があり、表現に注意が必要なため 規制を確認したうえで検討
目的別に向くSNSの早見図(◎向く ○使える △補助)目的InstagramLINE公式XFacebookYouTube新規のお客様に知ってもらう◎△△△◎既存のお客様と続ける○◎△△△信頼づくり(取引先向け)△△○◎○採用で職場を見せる◎△△○◎一般的な傾向をもとにした目安です。地域や顧客層で変わります

表のとおり、最初から4つも5つも使う必要はありません。1つ、多くても2つで十分です。1つ目が3か月続いてから、2つ目を考えてください。

お客様に聞くのが一番確実です

どのSNSを使うかで迷ったら、お客様と応募者に聞くのが確実です。「普段、お店や会社の情報はどこで見ますか」と、窓口や面接で一言聞くだけで構いません。

年代別のSNS利用の傾向は、総務省の「通信利用動向調査」や「情報通信白書」で公表されています。年代によって使うSNSが大きく違うことが分かります。数字は毎年更新されるため、最新版を確認してから判断してください。

ポイント

社長自身が使っているSNSと、お客様が使っているSNSは、違うことがよくあります。選ぶ基準は「社長の好み」ではなく「お客様の普段使い」です。

主なSNSの特徴|社長が知っておけば十分な範囲

各SNSの細かい機能を覚える必要はありません。「何が得意で、何が負担か」だけ押さえてください。

Instagram(写真・短い動画で見つけてもらう)

写真と短い動画が中心のSNSです。検索や「発見」の画面から、まだ会社を知らない人に見てもらえる可能性があります。

得意なのは、見た目で違いが伝わる仕事です。一方で、写真の質と投稿の継続が必要で、短い動画(リール)まで手を広げると負担が増えます。

小さく始める場合は、写真1枚と短い説明文の投稿から始めて構いません。

LINE公式アカウント(今のお客様と連絡を続ける)

LINEの友だちになってくれた人に、お知らせを送れる仕組みです。新しい人に見つけてもらう力は弱いものの、一度つながった人に確実に届く点が強みです。

友だちを増やす入口(店頭のQRコードなど)と、送る内容の計画があれば、少ない手間で続けられます。無料プランの範囲や有料プランの条件は、LINE社の公式情報で最新を確認してください。

X(旧Twitter)(短い文章で情報を出す)

短い文章を、こまめに出すSNSです。入荷情報、営業時間の変更、業界ニュースへの一言など、更新頻度が高い情報に向いています。

反応が早い反面、言葉の行き違いで誤解されやすい面もあります。担当者に任せる場合は、投稿してよい範囲を事前に決めておくと安心です。

Facebook(会社の信頼を見せる)

実名での利用が基本で、取引先や経営者層、地域の年配の方が見ていることがあります。会社の活動や受賞、イベントの報告に向いています。

広く拡散するよりも、会社を知っている人に近況を伝える使い方が合います。更新は月数回でも役割を果たします。

YouTube(動画で理解してもらう)

商品の使い方や、仕事の流れを説明する動画に向いています。検索から見つけられる可能性があり、一度作った動画が長く見られることもあります。

ただし、撮影と編集の手間は他のSNSより大きくなります。始める前に、YouTube集客の始め方や動画マーケティングとはで、必要な手間を確認してください。

TikTok(若い世代に短い動画で届ける)

短い動画が中心のSNSで、若い世代への認知や採用に使う会社もあります。ただし、動画の企画と撮影に慣れた担当者がいないと続きにくいため、多くの中小企業は後回しで構いません。詳しくはTikTok集客の始め方をご覧ください。

SNSではないが、先に整えたい「Googleマップ」

店舗や地域の仕事では、SNSより先にGoogleマップでの表示(MEO)を整えた方が、問い合わせにつながることがあります。仕組みはMEO対策とはで解説しています。

SNS 得意なこと 負担になりやすい点 新規に見つけてもらう力
Instagram 見た目で選ばれる仕事の紹介 写真の質、投稿の継続 比較的ある
LINE公式 既存のお客様への連絡 友だち集めの入口づくり 弱い
X こまめな情報発信 言葉の行き違い、反応への対応 状況による
Facebook 会社の信頼・近況の共有 拡散力は大きくない 弱い〜普通
YouTube 説明・仕事の流れの理解 撮影・編集 検索から見つかる場合がある
TikTok 若い世代への認知 企画・撮影の手間 動画次第

週あたりの手間の目安|続けられる量を先に決める

SNSが止まる一番の理由は、「思ったより手間がかかった」ことです。最初に、会社として出せる時間を決めてしまいましょう。

手間の目安(前提つき)

次の表は、一般的な小規模運用での目安です。前提は、スマホで撮影し、文章は短く、担当者1名が慣れてきた段階であることです。初めの1〜2か月は、1.5倍かかると考えてください。

運用の内容 週の作業時間の目安 作業の内訳(前提)
LINE公式:月2回の配信 週0.5〜1時間 1回の配信文と画像づくり30〜60分程度、返信確認
Facebook:月3〜4回の投稿 週0.5〜1時間 1投稿あたり15〜30分程度
Instagram:週2回の投稿 週1.5〜3時間 1投稿あたり30〜60分程度(撮影・文章・投稿)、コメント返信
X:週3〜5回の短い投稿 週1〜2時間 1投稿あたり10〜20分程度、反応の確認
YouTube:月1本の動画 週2〜5時間 企画・撮影・編集で月に8〜20時間程度
全体の振り返り(月1回) 月1時間 数字を見て、続けるか調整する

注意

上の時間は編集部の目安で、統計調査の結果ではありません。会社ごとに差が出ます。最初の1か月は、実際にかかった時間を記録して、自社の数字を作ってください。

週あたり作業時間の目安(幅で表示)LINE公式(月2回)0.5〜1時間Facebook(月3〜4回)0.5〜1時間X(週3〜5回)1〜2時間Instagram(週2回)1.5〜3時間YouTube(月1本)2〜5時間週2時間週4時間続けやすい範囲は週1〜3時間スマホ撮影・担当者1名・慣れた段階の目安(統計ではありません)

会社として出せる時間を決めるやり方

  1. 担当者の通常業務を書き出し、週にどれくらい空きがあるかを聞く
  2. 空き時間の半分以内を、SNSの時間として業務時間内に確保する
  3. その時間で続けられるSNSを1つ選ぶ(上の表を参考にする)
  4. 時間が足りないなら、頻度を減らすか、手段を変える

頻度を減らすのは悪いことではありません。月2回の更新でも、3年続く方が、毎日更新して3か月で止まるより価値があります。

投稿の中身を毎回考える負担を減らす

手間の多くは、「何を載せるか考える時間」です。ここを減らすと、続けやすくなります。

  • 「型」を3つ決める(例:今週の仕事風景、お客様への一言、よくある質問への回答)
  • スマホで撮った写真は、その場で投稿用のフォルダに入れる
  • 月初に、その月の題材を5つ書き出す
  • 載せてよい人・場所・写真の範囲を、先に決めておく

自社でやる/任せる|社長の判断軸

SNSの運用は、全部を外部に任せることも、全部を社内でやることもできます。分け方の考え方を表にしました。

作業 自社でやる方がよい 任せてもよい
目的と方針を決める 必ず社内(社長と担当者) 任せない
現場の写真を撮る 社内(現場にいる人) 任せにくい
投稿文の下書き 社内でもよい ひな型づくりは任せてもよい
画像の見栄え・デザインの型づくり 慣れた人がいれば社内 最初の型づくりは任せると早い
数字の確認と振り返り 社内(担当者と社長) 集計の補助は任せてもよい
広告の出し方 最初は使わなくてよい 使う場合は専門家に相談

現場の様子は、社内の人にしか撮れません。ここを外部に任せると、よくある「どこかで見たような投稿」になりやすくなります。

ポイント

任せるのは「型づくり」と「面倒な作業」、残すのは「中身(現場の写真)」と「最終確認」です。投稿前の確認は、必ず社内の誰かが行ってください。

任せる場合の注意

  • 月額の費用に、何の作業が含まれるかを書面で確認する
  • 「フォロワーを増やします」という約束ではなく、「何本投稿し、何を報告するか」で契約する
  • アカウントの管理者は、必ず会社名義にしておく(外部の個人名義にしない)
  • 解約するときのデータの扱いを、契約前に決めておく

費用の相場は、会社によって幅があり、含まれる内容も違います。複数社の見積りを、同じ条件で並べて比較してください。

今やる/後でよい/やってはいけない

忙しい社長のために、判断を3つに分けて整理しました。

区分 内容
今やる 目的を一言で決める/担当者を1名決める/お客様に普段使うSNSを聞く/会社名義のアカウントを取る/投稿のルールを1枚の紙にする
後でよい 複数のSNSの同時運用/動画の本格制作/広告の出稿/毎日更新/フォロワー数の目標設定
やってはいけない 社長や社員の個人アカウントで会社の情報を出す/お客様や社員の写真を許可なく載せる/他社の文章や画像を無断で使う/批判的なコメントに感情的に返信する/パスワードを担当者1人だけが知っている状態にする

やってはいけない5つの失敗と、その回避策

SNSは、始めるより「やり方を間違えない」ことが大切です。よくある失敗を5つ挙げます。

失敗1:目的がないまま始める

「他社がやっているから」で始めると、投稿の方向が定まりません。表にした3つの目的から、1つを選んでください。

失敗2:担当者に丸投げして、確認しない

担当者に任せることと、確認しないことは別です。月に一度、社長が10分でも画面を見る習慣を作ってください。

失敗3:毎日更新を目標にする

頻度を上げるほど手間が増え、中身が薄くなります。続けられる頻度から始めるのが基本です。

失敗4:写真・個人情報の扱いが曖昧

お客様の顔、車のナンバー、社員の名前、現場の住所などが写ることがあります。載せてよい範囲を決め、本人の許可を得る流れを作ってください。

失敗5:コメントや問い合わせを放置する

質問に返事がないアカウントは、かえって印象を下げます。返信する人・時間・ルールを決めてから始めてください。返せない場合は、コメントを受け付けない設定も選べます。

注意

誤った投稿や批判的なコメントに気づいたときは、急いで反論せず、まず担当者と社長で対応を決めます。落ち着いて対応する流れを、事前に決めておくと慌てずに済みます。

架空の事例で考える|こんな会社はこう判断する

以下は、判断の考え方を示すための架空の事例です。実在の会社や人物ではありません。

事例A:従業員40名の金属加工会社(架空)

社長は「採用で若い人に見てほしい」と考えていました。取引先は紹介中心で、新規のお客様をSNSで探す必要はありません。

目的は「③採用・信頼」に絞りました。Facebookは取引先向けに月1回、Instagramは職場の雰囲気を月2回載せる計画です。担当は総務の1名で、週1時間以内に収めました。

3か月後、面接で「SNSを見ました」と話す応募者がいるかを確認します。いなければ、手段を見直す約束にしました。

事例B:従業員25名の地域の食品店(架空)

常連さんが売上の中心で、新規よりも再来を増やしたい店です。目的は「②既存のお客様と関係を続ける」でした。

LINE公式アカウントを選び、レジ横のQRコードで友だちを集めます。配信は月2回、旬の商品と営業日のお知らせだけです。週の作業は1時間ほどに収まる計画です。

Instagramは「余裕ができたら」と後回しにしました。1つに絞ったことで、担当者の負担が小さく保たれています。

事例C:従業員60名の電気設備会社(架空)

取引先は法人が中心で、仕事は元請けや紹介で入ります。社長は一度SNSを検討しましたが、判断表の「はい」は2個でした。

そこで、SNSは見送りました。代わりに、ホームページの施工実績ページを充実させ、問い合わせの受け皿を整える方を優先しています。全体の考え方はWeb集客の方法を全体像から解説も参考になります。

3つの事例に共通するのは、「手段」より先に「目的」を決めたことです。やらない判断も、その一つです。

担当者に渡すチェックリスト|社長はこの章を印刷して渡してください

ここから先は、担当者向けの内容です。社長は読み飛ばして、このまま担当者に渡していただいて構いません。

始める前(準備)

  • 目的を1つ決めた(新規/既存のお客様/信頼・採用)
  • 使うSNSを1つに絞った
  • 会社名義のアカウントを作り、パスワードを2名以上で管理する仕組みを作った
  • プロフィールに、会社名・場所・営業時間・ホームページと問い合わせ先を入れた
  • 投稿してよい内容・いけない内容を、1枚にまとめた
  • 写真や動画に写る人の許可を得る方法を決めた

毎週(運用)

  • 予定した本数を投稿した(できなければ翌週に回さず、頻度を見直す)
  • コメント・メッセージに返信した
  • 誤字、住所、日付、金額の間違いがないか、投稿前に別の人が確認した
  • 撮影した写真を、投稿用フォルダに整理した

毎月(見直し)

  • 実際にかかった時間を記録した
  • 問い合わせ・予約・応募の数と、SNSから来た数を確認した
  • 反応のよかった投稿を3つ選び、理由を考えた
  • 来月の題材を5つ書き出した
  • 社長に、数字とともに5分で報告した

ポイント

報告は「いいね」の数ではなく、「問い合わせ・予約・応募が何件、SNS経由で来たか」を中心にしてください。社長への報告が簡単になると、運用も続きやすくなります。

費用の考え方|無料で始められるが「人の時間」が費用になる

主なSNSのアカウントは、無料で作れます。ただし、実際には担当者の時間という費用がかかります。

社内でやる場合の費用の見方

費用は、担当者の時間 × 時給換算で考えます。たとえば週2時間なら、年間で約100時間です。人件費の目安を自社で当てはめて、年間の費用を出してみてください。

この金額を「高い」と見るか「必要な投資」と見るかは、目的によって変わります。採用に使うなら、求人広告費と比べる見方もできます。

外部に任せる場合の費用の見方

運用代行の料金は、会社により大きく異なります。含まれる作業(撮影、投稿文、画像作成、返信、報告)と、投稿の本数で変わるためです。

金額だけを並べて比べず、「何をしてくれて、何は自社でやるのか」を並べて比べてください。見積りの取り方に迷う場合は、無料相談をご活用ください。

広告は最初は不要です

SNS広告は、まず無料の範囲で運用して、反応が見えてから検討すれば十分です。広告を出す場合は、上限金額を決めて少額から試してください。インスタ広告の考え方は、費用の記事も参考になります。

3か月後の見直し方|成果を「自社で測る」方法

SNSの効果は、他社の数字では分かりません。自社の数字で測る方法を決めておきましょう。

数字を取る3つの方法

  1. 問い合わせ・予約時に「何で知りましたか」と聞く(口頭でも、フォームの選択式でも構いません)
  2. ホームページのアクセス解析で、SNSからの訪問数を見る(担当者または制作会社に確認)
  3. 応募者や取引先との会話で、SNSの話が出たかを記録する

完全に正確である必要はありません。「SNS経由が月に何件あったか」の傾向が分かれば、判断に使えます。

見直しの基準(例)

3か月後の状態 社長の判断
作業は続いており、SNS経由の反応が少しでもある もう3か月続ける。型を整えて手間を減らす
作業は続いているが、反応がまったくない 題材と導線(プロフィールのリンク先)を見直す
作業が続かず、更新が止まった 頻度を半分にするか、手段を変える。一度やめる判断もよい
反応があり、人手も足りている 2つ目のSNSを検討する

「やめる」も立派な判断です。続けないと決めたときは、アカウントを放置せず、最終投稿でその旨を伝えるか、アカウントを整理してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 会社のSNSは必ずやらないといけませんか。

A. 必須ではありません。目的が決まり、担当者と週1〜3時間の確保ができる会社は始める価値があります。紹介中心で仕事が回っており、受け皿が整っていない会社は、先に受け皿の整備を優先して構いません。

Q. 最初に始めるSNSは、どれを選べばよいですか。

A. 目的で選びます。新しいお客様に知ってもらうならInstagramやYouTube、既存のお客様との連絡ならLINE公式、取引先や採用の信頼づくりならFacebookが目安です。迷ったら、お客様に普段使うSNSを聞いてください。

Q. 担当者は若い社員に任せればよいですか。

A. 年齢より、写真を撮ることに抵抗がなく、責任を持って続けられる人かどうかが大切です。ただし、投稿前の確認と方針の決定は社内の複数人で行い、1人に任せきりにしないでください。

Q. SNSの運用はどれくらいの時間がかかりますか。

A. 前提によりますが、LINE公式やFacebookで週0.5〜1時間、Instagramで週1.5〜3時間が目安です。YouTubeは月に8〜20時間程度かかることがあります。最初の1か月は実際の時間を記録し、自社の数字を作ってください。

Q. 効果が出ているかどうか、どう判断しますか。

A. フォロワー数ではなく、問い合わせ・予約・応募の件数で判断します。「何で知りましたか」と聞く、アクセス解析でSNSからの訪問を見る、という2つの方法で、3か月ごとに確認すると判断しやすくなります。

まとめ|社長が決めるのは「目的」「担当」「時間」の3つ

この記事のまとめ

SNSは全社必須ではなく、目的が合えば効く道具です。やる・やらないは、判断表で決められます。

始めるなら、目的を1つに絞り、SNSも1つから。担当者1名、週1〜3時間を上限の目安にしてください。

3か月ごとに、問い合わせ・予約・応募の数で見直します。続かないなら、頻度を減らすか、やめる判断も正しい選択です。

次に読む記事として、既存のお客様向けならLINE集客の完全ガイド、写真で見せる仕事ならInstagram集客のやり方・工務店・建築会社のインスタ集客、店舗全体の優先順位は店舗集客の全体像が役立ちます。

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