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中小企業の広告宣伝費とWeb予算の目安|売上に対する割合と配分の考え方

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中小企業の広告宣伝費とWeb予算の目安|売上に対する割合と配分の考え方

帳簿と電卓、三段に積んだ積み木が置かれた経営者の机

この記事の要点

広告宣伝費の予算は「売上の何%」と一つの数字で決めるより、「利益を守る上限」と「粗利益からの逆算」の二つで枠を決め、Webには土台・育てる・買うの三段で配分するのが現実的です。国の統計は広告費の業界標準の割合を示していないため、この記事では確認できた公的数字と、計算例を分けて説明します。

結論:予算の枠は「割合」ではなく三つの順番で決めます

広告宣伝費をいくらにするかは、社長が決める経営判断です。しかし「売上の何%が正解か」という問いには、残念ながら全社に当てはまる一つの答えがありません。

業種、粗利益率、新規のお客様がどれだけ必要か、既存のお客様からの紹介がどれだけあるかで、適正な額が大きく変わるためです。

そこでこの記事では、予算の枠を次の三つの順番で決める方法をお勧めします。

順番 決めること 考え方
1. 上限を決める 払っても会社が揺らがない最大額 直近の経常利益(税引前の最終的な儲け)を見て、その何割まで使うかを決めます。
2. 逆算で必要額を出す 新規のお客様を何件増やしたいか 1件あたりの粗利益(売上から原価を引いた額)と、獲得にかかる費用の見込みから出します。
3. 配分する 土台・育てる・買うの三段に割る 先に土台を整え、次に育て、最後に広告で買います。順番を逆にしないことが大切です。

1と2の結果が大きくずれるときは、無理に埋めようとせず、小さく始めて数字を見てから増やします。これが失敗の少ない進め方です。

ポイント

予算の「割合」は、同業他社との比較ではなく、自社の利益と粗利益から決めるものです。他社の数字は参考にとどめ、自社の数字を優先してください。

この記事は、次のような社長を想定しています。

  • 従業員10〜100名ほどの会社を経営している
  • 広告やWebに、毎年なんとなく同じ額を使っている
  • 「今年はいくらまで使ってよいか」を決める根拠が欲しい
  • 担当者や制作会社から出た見積を、判断する立場にある

細かい操作の手順は書きません。社長が決めること、担当者に任せること、避けることの三つに絞って説明します。

セクションのまとめ:予算は「上限」「逆算」「配分」の三つの順番で決めます。業界の標準割合を探すより、自社の利益と粗利益を見る方が確実です。

国の統計で分かること、分からないこと

予算を考えるとき、まず「世間では売上の何%を広告に使っているのか」が気になるものです。ここでは、確認できた公的な数字と、確認できなかった点を分けて整理します。

公的な数字で「分かること」と「分からないこと」分かること日本全体の広告費は約8.1兆円そのうちネット広告が約50%中小企業の平均売上は約2.2億円平均の経常利益は約1,075万円(出典は本文の表に記載)分からないこと自社に合う広告費の割合業種ごとの標準の割合国の統計では、この割合を確認できませんでした自社の数字で決める必要があります

確認できた公的・業界の数字

次の表は、2026年10月時点で出典を確認できた数字です。どれも「国全体」や「平均」の数字であり、自社の予算にそのまま当てはめるものではありません。

数字 内容 出典
総広告費 8兆623億円 2025年の日本全体の広告費。前年比105.1%で、過去最高を更新しました。 電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月発表)
インターネット広告費 4兆459億円 総広告費の50.2%を占め、初めて過半数になりました。 同上
1企業あたり売上高 約2.2億円 令和6年度決算の平均。前年度比6.9%増でした。 中小企業庁「令和7年中小企業実態基本調査(速報)」
1企業あたり経常利益 約1,075万円 同じ調査の平均値。前年度比8.4%増でした。 同上

上の二つの調査から、平均的な中小企業の経常利益は売上のおよそ4.9%という計算になります。これは当編集部が二つの平均値を割った概算で、公表された率ではありません。

ここで大切なのは、平均的な会社の利益は売上の5%前後しかない、という点です。仮に売上の3%を広告に使えば、利益の半分以上を使うことになります。

「売上の○%が相場」と言い切れない理由

インターネット上には「広告宣伝費は売上の○〜○%が目安」という記述が多く見られます。しかし、国の中小企業向け調査や国税庁の会社標本調査では、広告宣伝費の売上比率を業種別に示した公表数字を確認できませんでした。

民間の経営指標には、業種別の広告宣伝費の比率を載せているものがあります。ただ、調査の対象や定義が違うため、数字をそのまま引用するのは避けました。

参考にしたい場合は、顧問税理士や取引金融機関に「同業の平均的な広告宣伝費の比率を教えてください」と尋ねてみてください。同じ業種の決算データを持っていることが多いためです。

注意

「業界平均は売上の○%です」と断言する営業トークには注意が必要です。出典を尋ね、調査名と年度を確認してください。答えられない場合は、その数字を予算の根拠にしないでください。

セクションのまとめ:国の統計で確認できたのは広告費全体と、中小企業の平均売上・利益までです。広告宣伝費の業界標準の割合は確認できませんでした。

売上に対する割合の考え方:利益との重なりを見ます

割合で考える場合も、売上の何%かだけを見ず、「それが利益の何割にあたるか」を一緒に見ると、判断を誤りにくくなります。

売上2.2億円の会社が広告に使うと、利益の何割にあたるか(計算例)経常利益 約1,075万円100%売上の1%=220万円利益の約2割売上の2%=440万円利益の約4割売上の3%=660万円は、利益の約6割にあたります

上の図は、平均的な数字を使った計算例です。実際の会社の利益はこれより多いことも少ないこともあります。大切なのは、自社の決算書で同じ計算をしてみることです。

売上別の計算早見表

次の表は、割合ごとの金額を計算しただけのものです。「この割合が正しい」という意味ではありません。自社の年間売上のところを見て、金額の感覚をつかむために使ってください。

年間売上 0.5%の場合 1%の場合 2%の場合 3%の場合
5,000万円 25万円 50万円 100万円 150万円
1億円 50万円 100万円 200万円 300万円
3億円 150万円 300万円 600万円 900万円
10億円 500万円 1,000万円 2,000万円 3,000万円

金額が出たら、それを12で割って月額にしてみてください。たとえば年間100万円なら月に約8万円です。月額で見ると、チラシや広告、サイトの維持費と比べやすくなります。

粗利益から逆算する方法

売上ではなく、粗利益(売上から仕入れや材料費を引いた額)を基準にする方法もあります。広告の目的は粗利益を増やすことなので、こちらの方が筋が通っています。

架空の例で考えてみます。ある地方の設備工事会社(架空)では、1件の工事あたりの粗利益が平均60万円とします。

  • 新規のお客様を年間10件増やしたい
  • 問い合わせの5件に1件が契約になる(成約率20%)
  • つまり問い合わせが年間50件必要
  • 問い合わせ1件を獲得するのに2万円かかると見込むと、年間100万円

この場合、100万円で粗利益600万円(60万円×10件)を狙う計算です。もちろん見込み通りにいくとは限りませんが、「100万円を使う理由」を説明できる状態になります。

この逆算の数字は、最初は仮置きで構いません。半年ほど運用して実際の問い合わせ数や成約率が分かったら、数字を入れ替えてください。

ポイント

売上の割合は「上限」、粗利益からの逆算は「必要額」の目安です。必要額が上限を超えるなら、目標の件数を下げるか、期間を延ばして調整します。

既存のお客様が多い会社の考え方

紹介やリピートで仕事が回っている会社は、新規獲得の広告費を小さくできます。その代わり、紹介された方が会社名で検索したときに、きちんと情報が出ることが大切です。

この場合の予算は、広告よりも「受け皿」に回します。会社概要が古い、電話番号が違う、施工事例が何年も更新されていない、といった状態は、紹介の機会を逃します。

セクションのまとめ:割合で考えるときは、利益の何割にあたるかを必ず確認します。粗利益からの逆算も併せて行うと、金額の理由を説明できます。

予算を決める前に、現状を数字で確認したい方へ

ホームページの現状について、無料でご相談を受け付けています。広告に使う前に、受け皿であるサイトに問題がないかを相談できます。

お問い合わせフォームはこちら(https://webcan.jp/contact-2/)

広告宣伝費の中身を整理します:Web予算はその一部です

広告宣伝費という言葉は広く、チラシや看板からWeb広告まで含みます。Web予算を決めるには、まず全体の中身を整理するのが近道です。

分類 具体例 特徴
紙・屋外 チラシ、折込、看板、車両のラッピング 地域のお客様に届きやすい。効果の測定がやや難しい。
Web:維持 ホームページの保守、ドメイン・サーバー 止めるとお客様の受け皿がなくなる。毎年必ずかかる。
Web:育てる SEO、Googleマップ対策、記事の追加 効果が出るまで時間がかかるが、止めても資産が残る。
Web:買う リスティング広告、SNS広告 出した分だけ表示される。止めるとすぐ止まる。
人・つながり 展示会、名刺、パンフレット、紹介の謝礼 業種により重要度が大きく違う。

会計上は、これらの多くが「広告宣伝費」にまとまります。ただし、ホームページの制作費は資産として扱う場合などもあるため、会計処理は顧問税理士に確認してください。

Web予算を「三段」に分けて考える

Webの予算は、下の図のように三段に分けると整理しやすくなります。下の段ほど先に整え、上の段は余力に応じて足します。

Web予算の三段構え:下から順に整えます3段目:買う(広告)リスティング広告・SNS広告2段目:育てる(積み上げ)SEO・Googleマップ対策・記事・施工事例1段目:土台(まず整える)ホームページの維持・問い合わせ窓口・会社情報土台がぐらつく間は、上に積んでも効果が出にくくなります

三段の配分の目安(架空の例)

次の表は、年間のWeb予算を120万円とした架空の会社の配分案です。割合は一つの例であり、どの会社にも当てはまる基準ではありません。

段 配分案 金額(年間) 考え方
土台 約40% 約48万円 保守・サーバー・更新の最低限。これは削りにくい費用です。
育てる 約40% 約48万円 事例の追加、Googleマップの情報整備、記事の更新など。
買う 約20% 約24万円 まず小さく試し、反応を見て増減します。

サイトが古く、問い合わせの導線も整っていない会社は、土台の割合を高めて構いません。反対に、サイトが整っている会社は「育てる」「買う」に回せます。

広告を出す前に、サイトが問い合わせを受け止められる状態かどうかは、お問い合わせフォームから無料でご相談いただけます。受け皿が弱いまま広告を出すと、費用だけが減っていきます。

自社でやる/任せる の判断

作業 自社でやる 任せる 判断のめやす
お客様の声・施工事例の収集 向いている ― 現場を知っている人にしかできません。
ホームページの保守・更新 簡単な更新のみ 専門の更新は任せる 社内に詳しい人がいなくなるリスクを考えます。
広告の運用 少額なら可 予算が大きいなら任せる 毎月の見直しを続けられるかどうかで決めます。
SEOの記事作成 現場の話は自社 構成と編集は任せる 全部を任せると、会社らしさが消えます。

任せるかどうかの判断は、費用だけでなく「続けられるか」で決めてください。内製と外注の考え方は、Webマーケティング内製化と外注の経営判断で詳しく整理しています。

セクションのまとめ:広告宣伝費の中身を整理し、Web予算は土台・育てる・買うの三段で配分します。先に土台、次に育て、最後に広告の順です。

今やること、後でよいこと、やってはいけないこと

予算に限りがあるときほど、順番を決めることが大切です。次の表を、担当者との打ち合わせに使ってください。

判断 内容 理由
今やる 会社情報・電話番号・営業時間が最新か確認する お金がかからず、すぐ効果が出ます。
今やる 問い合わせフォームが動くか、月に一度試す 広告費が無駄になる最大の原因です。
今やる 問い合わせ数と、きっかけを毎月記録する 予算を見直す根拠になります。
後でよい 大規模なリニューアル 現状の問題が分かってからの方が失敗しません。
後でよい 複数のSNS広告を同時に始める 効果が分けられず、判断できなくなります。
やってはいけない 効果を測らずに広告費を増やす 何が効いたかが分からなくなります。

今すぐできる「お金をかけない確認」

予算を増やす前に、お金をかけずにできる確認があります。これだけで、問い合わせが増える会社も珍しくありません。

  • 自社名で検索して、Googleマップの情報が正しいか見る
  • スマートフォンでホームページを開き、電話番号が押せるか試す
  • 問い合わせフォームから自分で送信してみる
  • 直近1年の施工事例・実績がサイトに載っているか確認する

これらは担当者に渡して、1週間で確認してもらえば十分です。結果を社長が一度見るだけで、広告に回す前の課題が見えてきます。

広告を増やしてよいサイン

次の条件がそろったら、「買う」段の予算を増やしてよい時期です。逆に、条件を満たさない間は、増やさず土台に回す方が安全です。

  • 問い合わせ窓口が動いており、返信が1営業日以内にできている
  • 問い合わせから契約になる割合を、おおよそ把握している
  • 小さな広告を3か月以上試し、獲得費用の見当がついている
  • 対応できる人手や、受注の余力がある

最後の「受注の余力」は見落とされがちです。広告で問い合わせが増えても、現場が回らず断ることになれば、広告費が無駄になり、評判にも響きます。

セクションのまとめ:今は無料でできる確認と記録を優先し、大きな投資は現状が分かってからにします。広告を増やすのは、受け皿と受注の余力がそろってからです。

業種による違い:架空の三つの例で考えます

同じ売上でも、業種によって予算の使い方は大きく変わります。次の三つは、特徴を分かりやすくするための架空の会社です。

例1:地域の工務店(架空・従業員15名)

紹介と完成見学会が中心の工務店です。家づくりは検討期間が長く、お客様はホームページで会社の雰囲気や施工事例を何度も見ます。

この会社は、広告よりも施工事例の写真と、お客様の声の充実に予算を回しました。広告は、見学会の告知に限って少額で使います。

工務店の具体的な導線は、工務店のWeb集客の実装ガイドでも整理しています。

例2:地域の部品卸売会社(架空・従業員40名)

取引先がほぼ決まっている会社です。新規開拓は年に数社で、広告に大きく使う必要はありません。

一方で、取引先の担当者が替わったときに、会社を調べる場所としてホームページが使われます。このため予算の大半を「土台」に置き、採用情報の更新に少し使う形にしました。

例3:地域の士業事務所(架空・所員8名)

士業は、広告の表現に業界団体の規程があります。誇大な表現や、成果を断定する表現は避けなければなりません。

この事務所は、広告の出稿よりも、専門分野の解説記事とGoogleマップの情報整備に予算を使いました。広告を使う場合も、文面は所属団体の規程を確認してから出します。

例 予算の重心 理由
工務店 育てる(事例・お客様の声) 検討期間が長く、信頼の材料が必要なため。
卸売会社 土台(維持・情報整備) 新規よりも既存取引の維持が中心のため。
士業事務所 育てる(解説記事・地図情報) 広告表現に制約があるため。

注意

医療・士業・整骨院などの規制がある業種は、広告の文面に法令や業界団体の規程があります。予算を決める際は、制作会社任せにせず、表現の確認も合わせて依頼してください。

セクションのまとめ:予算の重心は、業種と顧客の探し方で変わります。他社の割合をまねるより、自社のお客様が会社をどう探すかから考えます。

社長が予算を決める五つの手順

ここまでの内容を、実際に予算を決める手順としてまとめます。1回の打ち合わせで、ここまで決められれば十分です。

  1. 直近の売上・粗利益・経常利益を、経理担当者から出してもらう
  2. 経常利益の何割までなら使ってよいか、上限を決める(例:2割まで、など)
  3. 新規のお客様を何件増やしたいか、仮の目標を決める
  4. 土台・育てる・買うの三段に、上限の範囲で金額を割る
  5. 3か月後と半年後に、見直しの日をカレンダーに入れる

手順2の「何割まで」は、会社の状況で違います。借入が多い、設備投資の予定がある、という会社は低めに置いてください。

担当者に渡すチェックリスト

社長が枠を決めたら、次の項目を担当者に渡します。操作の細かい手順ではなく、「毎月これを数えてください」という依頼です。

  • 毎月の問い合わせ数(電話・フォーム・メールを別々に)
  • 問い合わせのきっかけ(検索、広告、紹介、チラシなど)
  • 見積に進んだ件数と、契約になった件数
  • 広告費の実額と、広告経由の問い合わせ数
  • サイトのアクセス数の増減(おおまかな傾向でよい)

数える方法は、会社の規模に合わせて簡単で構いません。紙やスプレッドシートで十分です。最初の3か月は、正確さよりも「続けること」を優先してください。

見直しの時期の目安

予算の見直しは、三つの時期に分けます33か月後数字をそろえる問い合わせの記録を確認66か月後配分を見直す効いた手段に寄せる1212か月後来年の枠を決める上限と目標を更新短期で結論を出さず、半年で判断します

広告は1か月で結論を出さないでください。特にSEOやGoogleマップ対策は、効果が見え始めるまで数か月かかるのが一般的です。

一方、リスティング広告のような「買う」手段は、数週間から数か月で反応が見えます。反応が全く出ないときは、広告よりもサイトの受け皿に原因がないか調べます。

セクションのまとめ:枠は五つの手順で決め、記録は担当者に渡し、見直しは3か月・6か月・12か月の三回に分けます。

Web予算の中身を、費用の記事で確認します

Web予算を決める際は、それぞれの手段の費用の考え方を知っておくと、見積を見る目が養われます。詳細は次の記事で整理しています。

知りたいこと 参考記事
ホームページを作る・作り直す費用 ホームページ制作の費用・相場ガイド
公開後に毎年かかる費用 ホームページの維持費の内訳と抑え方
検索連動型の広告にかかる費用 Google広告の費用と予算の目安
検索結果の上位を目指す対策の費用 SEO対策の費用・価格相場
Googleマップでの表示対策の費用 MEO対策の費用相場

ここで大切なのは、各記事の金額を足し合わせて予算を作らないことです。まず自社の上限を決め、その範囲でどれを選ぶかを考える順番にします。

見積を受け取ったときの確認点

制作会社や代行会社から見積を受け取ったら、次の点を確認してください。社長が自分で質問できると、見積の質が上がります。

  • この費用で、何が成果物として残るのか
  • 毎月かかる費用と、初回だけの費用はどれか
  • 契約を止めたとき、サイトや記事は誰のものか
  • 成果をどのように報告してもらえるのか(数字と頻度)
  • 担当者が替わったときの引き継ぎはどうなるか

特に「止めたときに何が残るか」は重要です。広告は止めれば終わりますが、サイトや記事は資産として残る場合があります。その所有が誰にあるかは、契約書で確認してください。

補助金を使えるかの考え方

ホームページ制作などには、国や自治体の補助制度が使える場合があります。ただし、対象や条件は年度で変わります。制度の概要はIT導入補助金とホームページ制作の関係を参考にしてください。

補助金を前提に予算を組むと、採択されなかったときに計画が崩れます。「採択されたら追加で行う」という位置づけにしておく方が安全です。

セクションのまとめ:費用の相場は各手段の記事で確認しつつ、予算はまず自社の上限から決めます。見積では、止めたときに何が残るかを必ず確認します。

AIを使って予算の判断を軽くします

AIは、予算を決める「判断」そのものを任せる道具ではありません。計算や整理、見積の読み解きといった下準備を軽くする半自動化の道具として使えます。

使いどころ AIにさせること 人が決めること
数字の整理 決算書の数字から、粗利益率や利益に対する割合を計算 上限の割合をいくらにするか
見積の比較 複数の見積項目を表にして、違いを見つける どの会社に頼むか
月次の報告 問い合わせの記録を集計して、傾向をまとめる 配分を変えるかどうか
質問の準備 制作会社に聞く質問の一覧を作る 質問への回答をどう評価するか

ここで注意したいのは、決算書や見積書を外部のAIサービスに入れる場合の扱いです。社名や取引先名、個人名を消してから使うなど、社内でルールを決めてください。

また、AIが出した「業界の平均割合」には根拠がないことがあります。数字が出てきたら、出典の名前を尋ね、確認できないものは使わないようにしてください。

セクションのまとめ:AIは計算・整理・比較の下準備に使い、予算の額と最終判断は社長が行います。AIが出した数字は、出典を確認してから使います。

やってはいけない五つのこと

予算の決め方で、特に失敗の多い行動を五つにまとめました。どれも、悪意ではなく「よかれと思って」起きるものです。

  1. 他社の割合をそのまま自社に当てはめる:業種や利益体質が違うと、同じ割合でも負担が大きく変わります。
  2. 広告費を毎年同じ額で自動的に出す:効果を確かめないまま続けると、使途が分からなくなります。
  3. 受け皿が弱いまま広告を増やす:問い合わせフォームが動かない、電話番号が古いといった状態では、費用が無駄になります。
  4. 短期間で結論を出す:SEOなどは数か月かかるのが一般的です。1か月で止めると、積み上げた分も失います。
  5. 数字を担当者や代行会社だけに任せる:報告を受けるのは社長です。月に一度、問い合わせ数と広告費の実額を自分の目で見てください。

ひとつだけ選ぶなら、三つ目の「受け皿が弱いまま増やす」を避けてください。ここを整えるだけで、同じ予算でも結果が変わります。

セクションのまとめ:割合の丸写し、惰性での継続、受け皿の放置、短期での判断、丸投げの五つを避けます。

会計・税務の扱いは、顧問税理士に確認します

広告宣伝費の会計上の扱いは、会社の状況や支出の中身によって変わります。この記事では、細かな処理には踏み込みません。

  • ホームページの制作費が、費用になるのか資産になるのか
  • 毎月の保守費や広告費が、どの勘定科目になるのか
  • 補助金を受けた場合の経理処理
  • チラシ・看板など、複数年使うものの扱い

予算を決める段階で、これらを顧問税理士に一言相談しておくと、後で慌てません。「来期、広告とWebで年間いくら使う予定です」と伝えるだけでも、資金繰りや納税の見通しを立てやすくなります。

なお、2025年に過去最高となった広告市場の動きは、あくまで日本全体の数字です。景気や広告市場の動向に合わせて自社の予算を増やす必要はありません。自社のお客様の探し方を基準にしてください。

セクションのまとめ:会計の処理は税理士に確認し、年間の予算の見込みも早めに伝えておきます。市場全体の動きではなく、自社の数字を基準にします。

よくある質問

広告宣伝費とWeb予算について、社長からよく寄せられる質問をまとめました。

Q. 広告宣伝費は売上の何%にすればよいですか。

全社に当てはまる割合はありません。国の調査でも、業種別の広告宣伝費の売上比率は確認できませんでした。平均的な中小企業の経常利益は売上の5%弱という計算になるため、まず利益の何割まで使うかを決め、粗利益からの逆算と合わせて額を決めてください。

Q. Web予算は、広告宣伝費全体のどのくらいにすべきですか。

決まった割合はありません。お客様がどこで会社を探すかで決まります。インターネット広告は日本の総広告費の約50%を占めるという統計はありますが、自社に当てはまるとは限りません。まず、ホームページの維持と受け皿の整備に必要な額を確保してください。

Q. 広告を出しても問い合わせが増えないのはなぜですか。

広告の問題ではなく、受け皿の問題であることが多いです。問い合わせフォームが動かない、電話番号が古い、事例が更新されていない、といった状態を確認してください。広告を増やす前に、お問い合わせフォームからサイトの現状を無料でご相談いただくのが近道です。

Q. 予算が少ない場合、何から始めればよいですか。

まず会社情報の確認、Googleマップの情報整備、問い合わせ数の記録といった、お金のかからない作業から始めてください。そのうえで、年間数十万円程度なら、保守と事例の追加を優先し、広告は小さく試す形が安全です。

Q. 広告の効果は、どのくらいの期間で判断すればよいですか。

手段によって異なります。リスティング広告のような「買う」手段は数週間から数か月で反応が見えます。SEOやGoogleマップ対策は、数か月はかかるのが一般的です。半年を一つの区切りとし、3か月後に中間確認をする進め方をお勧めします。

まず現状を知るための相談の入口

予算を決めるには、現状の数字が必要です。ホームページの状態が分からないまま額を決めると、ずれが大きくなります。

入口 向いている方 内容
お問い合わせフォーム 予算の考え方を相談したい方 https://webcan.jp/contact-2/ からご連絡ください。

相談にあたっては、直近の売上、問い合わせ数のおおよその記録、今使っている広告の費用が分かると話が早く進みます。完全な数字でなくても構いません。

予算を決める前に、現状を数字で確認したい方へ

ホームページの現状について、無料でご相談を受け付けています。広告に使う前に、受け皿であるサイトに問題がないかを相談できます。

お問い合わせフォームはこちら(https://webcan.jp/contact-2/)

あわせて読みたい関連記事

予算を決めた後に、実際の手段を選ぶときに役立つ記事です。

まとめ:予算は「上限・逆算・配分」で決めます

広告宣伝費とWeb予算に、全社共通の正解はありません。国の統計で確認できるのは、広告市場全体と、中小企業の平均的な売上・利益までです。

  • 割合を探す前に、直近の経常利益から使える上限を決める
  • 粗利益から、獲得したい件数に必要な額を逆算する
  • Web予算は土台・育てる・買うの三段で、下から順に配分する
  • 広告を増やすのは、受け皿と受注の余力がそろってから
  • 効果は3か月で中間確認、6か月で判断、12か月で翌年の枠を決める

最初から完璧な額を決める必要はありません。仮の額で始め、数字を見ながら調整していく進め方で十分です。迷ったときは、お問い合わせフォームからご相談ください。

この記事の執筆

webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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