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高齢者にも見やすいホームページの直し方|文字の大きさ・色・電話導線と費用の目安

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高齢者にも見やすいホームページの直し方|文字の大きさ・色・電話導線と費用の目安

スマホで大きな電話ボタンを押そうとする年配の男性の手元

この記事の結論

近道は、電話の入口、文字の大きさ、色の差、ボタンと言葉の4か所を、この順番で直すことです。

多くの場合、全面的な作り直しは要りません。部分的な修正なら、数万円から数十万円の幅で収まることが一般的です。

社長が決めるのは「どこまで直すか」と「誰に頼むか」の2つです。作業は、記事の後半のチェックリストを担当者に渡せば進められます。

介護、葬儀、自動車整備、リフォームなど、お客様に高齢の方が多い業種があります。こうした業種では、「見やすさ」が問い合わせの数に直結しやすくなります。

文字が小さい。薄い色で読めない。電話番号がどこにあるか分からない。このような状態では、困って探しに来たお客様が、電話をかける前に画面を閉じてしまいます。

この記事では、直す場所を5つに分けました。電話の入口、文字、色、ボタン、言葉です。それぞれ、社長が見て判断できる形で整理しています。

技術的な作業は、担当者や制作会社に任せて構いません。ただ、何を頼むのかが分かっていると、見積もりを比べやすくなり、不要な作業を避けられます。

なお、スマホで正しく表示されるかどうかは別の話です。こちらはスマホ対応していないホームページの影響で詳しく扱っています。この記事は、スマホで開けることを前提にした「見やすさ」の記事です。

見やすさを直す5つの場所と、順番の目安1 電話の入口タップで電話・番号の大きさ今やる2 文字の大きさ本文・行間・補足の文字今やる3 色の差文字と背景のはっきり度今やる4 ボタンと言葉大きさ・名前・やさしい表現今やる5 全体の作り直し写真・構成・デザイン全体後で判断1から4は小さな修正で済むことが多く、5は1から4を直した後に判断します

なぜ高齢のお客様には「見やすさ」が問い合わせを左右するのか

見やすさは、デザインの好みの問題ではありません。お客様が電話をかけるかどうかを分ける、実務上の条件です。

高齢のお客様が多い業種で起きやすいこと

お客様に高齢の方が多い業種では、ホームページを開く場面が「困ったとき」に偏りやすくなります。急ぎで、不安で、落ち着いて読む余裕がない状態です。

そのときに、文字が小さく、色が薄く、問い合わせ先が見つからないと、読み進める前に離れてしまいます。次の表は、業種ごとの典型的な場面を整理したものです。一般的な傾向をまとめたもので、個々の会社の状況とは異なる場合があります。

業種 ホームページを見る人 見る場面 つまずきやすい点
介護・福祉 ご本人、ご家族、ケアマネジャー(介護の計画を作る専門職) 急に介護が必要になったとき、施設を比べるとき 専門用語が多い。料金や空き状況が分からない
葬儀 ご家族、親族 急なご不幸のとき、事前に相談したいとき 電話番号が探しにくい。受付時間や夜間の対応が不明
自動車整備・車検 高齢のドライバー本人 車検の時期、故障のとき 予約フォームが難しい。文字が小さい
リフォーム 60代から70代のご夫婦、離れて暮らす子世代 手すり、水回り、段差の相談 写真ばかりで説明が少ない。見積もりの流れが不明

見ている人は、高齢のご本人だけではありません

介護や葬儀では、ホームページを見るのはご家族であることも多くあります。ご家族が50代から60代の場合でも、老眼が始まっている方は少なくありません。

つまり、「高齢者向け」と考えるより、「老眼や、慣れない操作を前提にした見やすさ」と考えたほうが、実態に合います。

見やすさは「年齢」ではなく「条件」の問題です

見えにくさには、年齢だけでなく、いくつかの条件が重なります。画面の小さいスマホで見ている。外の明るい場所で見ている。老眼鏡を外している。急いでいる。

これらは、どの年代の方にも起こります。見やすく直すことは、高齢の方のためだけでなく、すべてのお客様に役立つ改善と言えるでしょう。

ポイント:「高齢者向けにする」のではなく「迷わせない」

特別な高齢者向けサイトを作る必要はありません。今のサイトの文字、色、ボタン、言葉、電話の入口を一つずつ直すだけで、多くの場合は十分に効果が見込めます。

セクションのまとめ:見やすさは、困って訪れるお客様が電話をかけられるかを決める実務上の条件です。高齢の方だけでなく、ご家族や急いでいる方にも効きます。

先に結論:直す順番と「自社でやる/任せる」の判断表

最初に、社長が判断する材料を一覧にします。迷ったときは、費用が小さく、問い合わせに近い順に進めてください。

順番 直す場所 今やる/後でよい 自社/任せる 費用の目安
1 電話の入口(タップで電話・番号の大きさ・受付時間) 今やる 管理画面に慣れた担当者がいれば自社。難しければ任せる 0円から3万円程度
2 文字の大きさ・行間 今やる サイト全体に関わるため、任せることが多い 2万円から8万円程度
3 色の差(文字と背景) 今やる 任せることが多い。確認は自社でできる 2万円から10万円程度
4 ボタンの大きさと名前 今やる 名前の変更は自社。大きさは任せる 1万円から5万円程度
5 言葉をやさしくする 今やる 内容を知っている社内で行うのが最適 0円から20万円程度
6 写真・構成・全体のデザイン 後でよい 任せる 50万円から200万円程度

費用の目安は、後ほど根拠を示します。ここでは、「1から5は小さく、6は大きい」と覚えておいてください。

順番の理由

  • 電話の入口は、問い合わせという成果に最も近く、直す手間も小さいからです。
  • 文字と色は、直した効果がすぐ体感でき、確認も簡単だからです。
  • 言葉の見直しは、社内に答えがあり、外注せずに進められるからです。
  • 全体の作り直しは、1から5を直した結果を見てから判断しても遅くないからです。

注意:最初から作り直しを決めない

「古いから全部作り直しましょう」という提案を受けることがあります。作り直しが必要な場合もありますが、1から5を直すだけで足りるケースも多くあります。まず部分修正の見積もりも取り、比べてから決めてください。

セクションのまとめ:順番は「電話の入口、文字、色、ボタン、言葉」の順です。全体の作り直しは、それらを直した後で判断します。

文字の大きさ・行間の直し方

最初に確認しやすいのが文字です。社長がスマホで開いて、腕を伸ばした距離で読めるかを見るだけで、状態が分かります。

大きさと行間の目安

以下は、制作の現場でよく使われる目安です。法律で決まった数値ではなく、読みやすさの経験則として使われています。ピクセル(画面上の大きさの単位)で示します。

場所 目安 理由
本文 16ピクセル以上、できれば18ピクセル前後 ブラウザ(ホームページを見るアプリ)の標準が16ピクセル。それ以下だと小さく感じやすい
見出し 本文より4から8ピクセル大きく 見出しだけ読んでも内容が分かるようにするため
補足・注意書き 14ピクセル未満にしない 料金や条件など大切な内容が入ることが多い
電話番号 24ピクセル以上、太字 探す、読む、押すを一度に済ませるため
行間 文字の大きさの1.7倍から2倍 行が詰まると、次の行へ視線が移りにくい
1行の長さ(パソコン) 35字から40字前後 長すぎると読む場所を見失いやすい

公的な基準ではどう書かれているか

ウェブの見やすさには、国際的な基準があります。WCAG(ウェブコンテンツのアクセシビリティ指針)と呼ばれ、現在は2.xの版が使われています。

日本の規格では、JIS X 8341-3がこれに対応しています。公共の分野では、総務省の「みんなの公共サイト運用ガイドライン」でも、この規格を目標にすることが示されています。

WCAG 2.xには、文字に関して次のような内容が含まれています。

  • 文字を200%まで拡大しても、内容や機能が失われないこと(達成基準1.4.4)。
  • 行の高さを文字の大きさの1.5倍にしても、内容が崩れないこと(達成基準1.4.12のテキストの間隔)。

つまり、「最初から読みやすい大きさ」にするだけでなく、「お客様がスマホ側で拡大しても崩れない作り」であることも大切です。

よくある失敗

  • 電話番号や料金を画像にしている。拡大するとぼやけ、番号をコピーすることもできません。
  • 細くて薄い字体を使っている。おしゃれに見えますが、読みやすさは下がります。
  • 大きくしすぎて、スマホで1行に数文字しか入らない。改行が増えて読みにくくなります。
  • 全文を太字にしている。強調したい部分が分からなくなります。

社長が1分でできる確かめ方

  1. お持ちのスマホで、自社のホームページを開きます。
  2. 腕を伸ばした距離、または老眼鏡を外した状態で、本文を読んでみます。
  3. 電話番号と受付時間を探し、10秒以内に見つかるかを数えます。
  4. スマホの設定で文字サイズを大きくして、もう一度開き、表示が崩れないかを見ます。

スマホの文字サイズは、iPhoneなら「設定」の「画面表示と明るさ」から変えられます。Androidなら「設定」の「ディスプレイ」です。機種により表示名は少し異なります。

セクションのまとめ:本文は16ピクセル以上、できれば18ピクセル前後、行間は広めが目安です。電話番号や料金を画像にしないことも大切です。

色の差(コントラスト)の直し方

文字の大きさと同じくらい、読みやすさを左右するのが色の差です。薄い色は、年齢を重ねるほど見分けにくくなる傾向があります。

色の差は「数字」で測れます

文字色と背景色の明るさの違いは、コントラスト比(色の差の比率)という数字で表せます。WCAG 2.xの達成基準1.4.3では、次のように定められています。

  • 普通の大きさの文字は、4.5対1以上。
  • 大きな文字(18ポイント以上、または太字で14ポイント以上)は、3対1以上。

実際の色の組み合わせで計算すると、次のようになります。数値は、同じ計算式で求めた参考値です。

色の組み合わせ 色の差の比率 判定
濃い紺の文字を白い背景に 14.6対1 十分に読みやすい
濃いグレーの文字を白い背景に 7.6対1 十分に読みやすい
中くらいのグレーの文字を白い背景に 4.5対1 基準を満たす
薄いグレーの文字を白い背景に 2.5対1 基準に届かない
白い文字を濃い紺の背景に 10.4対1 十分に読みやすい
白い文字を明るい青の背景に 3.7対1 大きな文字なら基準を満たす
同じ文章でも、色の差で読みやすさが変わります読みにくい例受付時間 9時から18時日曜日と祝日はお休みです薄いグレーの文字色の差の比率 2.5対1読みやすい例受付時間 9時から18時日曜日と祝日はお休みです濃い紺の文字色の差の比率 14.6対1目安:普通の大きさの文字は4.5対1以上(WCAG 2.xの基準)

色選びの実務ルール

  • 本文は、真っ黒でなくてもよいので、濃い色を選びます。薄いグレーは避けます。
  • 写真の上に文字を載せるときは、文字の下に濃い帯を敷きます。写真の明るい部分では、白い文字が消えてしまうためです。
  • 色だけで意味を区別しません。「赤字は必須」とするより、「必須」と文字でも書きます。
  • リンクは、色を変えるだけでなく、下線も付けます。文字との違いが分かりやすくなります。
  • 薄い水色や薄い黄色の背景に、同じ系統の薄い文字を重ねない。

測り方

色の差を測る無料のツールがいくつかあります。たとえば、「WebAIM Contrast Checker」は、文字色と背景色を入れると比率を表示してくれます。

担当者に頼めば、トップページと電話のボタン、料金表の3か所を測るだけで、10分ほどで状況が分かります。

注意:見た目の印象だけで決めない

色の見え方は、画面の明るさや設定でも変わります。社長のパソコンで読めても、お客様のスマホでは薄く見えることがあります。数字で測り、スマホの実画面でも確認してください。

セクションのまとめ:文字と背景の色の差は、普通の文字で4.5対1以上が目安です。薄いグレーを避け、数字で測って確認します。

ボタンとリンクの大きさ・名前の直し方

スマホは指で押します。指は画面上の矢印より太く、小さなボタンでは押し間違いが起きます。

大きさの目安

押す場所の大きさにも、基準や推奨があります。ここでは、公に示されている数字だけを挙げます。

出典 内容
WCAG 2.2(達成基準2.5.8、適合レベルAA) 押す場所は、24×24ピクセル以上を確保する。
WCAG 2.1(達成基準2.5.5、より高い水準のAAA) 押す場所は、44×44ピクセル以上が望ましい。
Apple社のデザイン指針 タップする領域は、44×44ポイント以上を推奨している。

実務では、スマホで重要なボタンの高さを48ピクセルから56ピクセルとし、幅は画面の横幅いっぱいにすることが多くあります。ボタン同士の間隔は、10ピクセル以上あけると押し間違いが減ります。

ボタンの名前は「押した後」が分かるように

「詳しくはこちら」や「送信」といった名前では、押した後に何が起きるのか分かりません。高齢の方は、押すことに慎重な場合があります。

よくある名前 直した名前の例 理由
詳しくはこちら 介護サービスの料金を見る 行き先が分かる
送信 この内容で送る 送った後の動作が分かる
Contact お電話・ご相談 カタカナ・英語を避ける
お問合せ お問い合わせ・ご相談 送り仮名を統一し、「相談してよい」と伝える
アクセス 場所と行き方 やさしい言葉に置き換える

フォームは入力を減らす

問い合わせフォームは、電話が苦手な方や、夜間に連絡したい方の受け皿になります。ただし、入力欄が多いと途中でやめてしまいます。

  • 必須の項目は、お名前、お電話番号、ご用件の3つ程度にします。
  • 電話番号は、全角でも半角でも、ハイフンの有無にかかわらず受け付けます。
  • エラーが出たときは、「お電話番号を入力してください」のように、直す場所を具体的に示します。
  • 送信後に「折り返しのお電話は、平日の何時ごろ」という案内を出します。

フォームに営業メールが増えて困る場合は、問い合わせフォームに営業メールばかり届くときの対策をご覧ください。

セクションのまとめ:押す場所は44ピクセル前後を目安に大きくします。ボタンの名前は、押した後が分かる言葉にします。

言葉をやさしくする:専門用語・カタカナ・略語の見直し

文字が見やすくても、言葉が難しければ読み進めてもらえません。ここは、社内の人が一番よく分かっている部分です。外注せず、自社で進められます。

言い換えの例

よくある言葉 やさしい言い換え例 言い換えの考え方
通所介護 通所介護(日帰りで通うデイサービス) 初めて使う言葉は、かっこで説明する
居宅介護支援 ケアプランの作成と相談 何をしてくれるかで書く
施工 工事 日常の言葉に置き換える
ヒアリング お話を伺います カタカナを避ける
ソリューション お困りごとの解決 意味のない言葉は使わない
リノベーション 大きな改装 使うなら、説明を添える
法定点検 法律で決められた点検 「誰が決めたか」を添える
事前相談 元気なうちにできるご相談 目的を具体的にする

文章を整える3つのルール

  • 一文は短くします。目安は60字以内です。
  • 1つの段落は3文から4文までにします。
  • 1つのページで伝えることは、1つにします。

料金や流れは、数字と番号で書く

「料金はお問い合わせください」だけでは、電話をかけるときの心の負担が大きくなります。幅のある目安でも、数字があるだけで安心できる方は多くいます。

たとえば、「基本のコースは○万円から○万円、内容により変わります」のように、幅と条件を書いておきます。流れは「1. お電話 2. ご訪問 3. お見積もり」のように、番号を付けて示します。

写真の使い方

  • 建物の外観、スタッフの顔、実際の作業の様子を載せると、初めてのお客様も安心しやすくなります。
  • 写真の中に文字を埋め込まず、説明は本文で書きます。
  • 写真には代替テキスト(読み上げ用の説明文)を付けます。読み上げソフトを使う方への配慮にもなります。

介護分野の言葉の整え方は、介護の集客を利用者募集と採用の両輪で立て直す実務ガイドでも触れています。デザインの参考は、介護・福祉のホームページデザイン参考をご覧ください。

セクションのまとめ:専門用語とカタカナは、やさしい言葉に言い換えるか、かっこで説明します。料金と流れは、数字と番号で示します。

電話導線の直し方:タップで電話・受付時間・番号の大きさ

高齢のお客様が多い業種では、最終的な問い合わせは電話であることが少なくありません。電話の入口は、見やすさの中で最も成果に近い部分です。

電話導線の確認項目

項目 良い状態 よくある不具合
タップで電話 スマホで番号を押すと、電話の画面が開く 番号が画像のまま、または文字だけでリンクがない
番号の大きさ ヘッダーや目立つ場所に、大きく太く表示 会社概要のページにだけ小さく載っている
受付時間 番号のすぐ隣に、曜日も含めて書く 別のページにしか書いていない
時間外の案内 「夜間は留守番電話です。翌営業日に折り返します」 何も書いてなく、かけて良いのか分からない
画面下の固定ボタン スクロールしても画面の下に電話ボタンが残る ページの先頭にしか電話番号がない
番号の表記 ハイフン付きで、どのページも同じ表記 ページごとに番号や表記が違う
担当者の案内 「担当:○○」「お名前をお伝えください」 誰が出るのか分からない
スマホ画面での電話の入口の理想形会社名 ホームページお困りのときはまずお電話ください電話をかける00-0000-0000受付 9時から18時時間外は留守電に伺います電話で相談する(常に画面の下)1タップで電話がかかる番号に電話の設定を入れる2受付時間を番号の隣に時間外の案内も一言添える3番号は大きく太く24ピクセル以上が目安4画面の下に固定スクロールしても消えない

「タップで電話」は、どう頼めばよいか

制作会社や担当者には、「スマホで、電話番号をタップすると電話がかかる設定にしてください」と伝えれば通じます。技術的には、電話番号のリンクに「tel:」という指定を入れる作業です。

番号が1つのページに数か所ある場合は、すべてに設定します。設定後は、社長ご自身のスマホで押してみて、正しい番号で電話の画面が開くかを確認してください。

受付時間の書き方

  • 「年中無休」より、「月曜から土曜の9時から18時、日曜は休み」のように具体的に書きます。
  • 祝日、お盆、年末年始の扱いも書きます。
  • 葬儀のように24時間受け付ける業種では、「24時間、深夜も電話に出ます」と明記します。
  • 書いた時間に、実際に電話に出られることが前提です。

ホームページを直しても、電話に出られなければ意味がありません

電話の入口を直した後に増えるのは、電話の件数です。ところが、社内で電話が取れない時間帯や、担当者が不在で折り返しが遅れる状況があると、お客様の信頼を逃してしまいます。

ここは、社長が決めるべき部分です。次の3点を確認してください。

  • 昼休みや外出中の電話は、誰が出る、または転送されるのか。
  • 時間外は、留守番電話の案内が適切か。
  • 「ホームページを見ました」と言われたとき、受けた人が取り次ぎ方を分かっているか。

効果の測り方

電話が増えたかどうかは、通話の記録で確認できます。難しい仕組みは要りません。電話を受けた人が、「何を見てお電話いただきましたか」と一言聞き、メモに残すだけで構いません。

より詳しく数字を追いたい場合は、ホームページ側で電話ボタンが押された回数を計測する方法もあります。割合の考え方はCVR改善で上がらない原因は?で解説しています。

ポイント:電話の入口は、最初に直す

電話の入口は、直す手間が小さい割に、お客様の行動を変えやすい場所です。タップで電話、番号の大きさ、受付時間の3点だけでも、先に直す価値があります。

セクションのまとめ:電話の入口は、タップで電話、大きな番号、番号の隣の受付時間、画面下の固定ボタンの4点で整えます。電話を受ける側の体制の確認も欠かせません。

業種別の直し方の例(架空のケース)

以下は、実在の会社ではなく、説明のために作った架空の例です。結果の数字は載せず、「何を直したか」だけを示します。

架空のケース 直す前の状態 直した内容
通所介護事業所A(従業員30名) 本文が14ピクセル。電話番号がトップの下のほうにあり、受付時間は別ページ 本文を18ピクセルに。ヘッダーに大きな電話番号と受付時間を表示。「通所介護」にかっこで説明を追加
葬儀社B(従業員20名) 夜間の対応が書かれていない。料金表が画像で拡大できない 「24時間受付」を最上部に明記。料金表を文字の表に直し、幅のある目安を記載
自動車整備工場C(従業員15名) ボタンが小さく、予約フォームの入力項目が12個 ボタンを大きく。入力を3項目に減らし、電話予約のボタンを並べて設置
リフォーム会社D(従業員40名) 薄いグレーの文字。写真ばかりで説明が少ない 文字を濃い色に。工事の流れを番号付きで説明。見積もりまでの日数を明記

どのケースでも、行ったのは「文字、色、ボタン、言葉、電話」の見直しです。大きな作り直しや、新しい機能の追加は行っていません。

葬儀社の場合は、緊急時に選ばれる条件が特殊です。葬儀社のホームページ制作ガイドで、載せる内容を整理しています。

業種を問わず、集客全体の考え方はホームページで集客する方法にまとめています。

セクションのまとめ:業種が違っても、直す場所は共通しています。見た目を変える前に、文字、色、ボタン、言葉、電話の5点を点検します。

費用と手間の目安:自社でやる範囲と任せる範囲

費用は会社により大きく異なります。ここでは「一般的な幅」として、前提を明記して示します。実際の金額は、見積もりで確認してください。

前提条件

  • サイトは、10ページから30ページ程度の小規模なものとします。
  • WordPressなど、管理画面から更新できる仕組みで作られているものとします。
  • 制作会社の作業単価は、1時間あたり5,000円から10,000円と仮定します。
  • 金額は税別の目安で、会社の方針により前後します。

作業ごとの目安

費用は「作業時間の見立て」に「時間単価」を掛けて求めています。たとえば2時間から3時間の作業なら、5,000円×2時間で1万円、10,000円×3時間で3万円という幅です。

作業 自社でやる場合の手間 任せる場合の費用目安 作業時間の見立て
電話番号のタップ設定・ボタン設置 管理画面に慣れていれば1時間から2時間 1万円から3万円 2から3時間
文字の大きさ・行間の全体調整 設定次第。難しければ任せる 2万円から8万円 4から8時間
文字色・ボタン色の見直し 色の測定は自社。変更は任せることが多い 2万円から10万円 4から10時間
ボタンの大きさと名前の変更 名前は1から3時間 1万円から5万円 2から6時間
主要5ページから10ページの文章の見直し 週2時間で、2から4週間 5万円から20万円 外部のライターに頼む場合
上記をまとめて依頼 合計1から2週間(週2から3時間) 10万円から40万円程度 重複作業が減るため、個別の合計より低くなることが多い
全面的な作り直し 社内の打ち合わせが多く発生 50万円から200万円程度 2から4か月。ページ数と写真撮影で変動

上の表は、あくまで目安です。サイトの作りが古い場合や、画面の仕組みが特殊な場合は、修正に時間がかかり、費用が増えることがあります。

見積もりを見るときに聞く5つの質問

  1. 何ページ、何か所を直す見積もりですか。
  2. スマホとパソコンの両方で確認する費用は含まれていますか。
  3. 直した後に、年配の方による操作確認は含まれていますか。
  4. 元に戻したいときの対応は、どうなりますか。
  5. 修正後の保守(月額の管理費)は、いくらかかりますか。

維持費の内訳はホームページの維持費はいくら?に、一般的な相場がまとまっています。

費用をかけすぎないための進め方

最初から大きく投資する必要はありません。電話の入口と文字を先に直し、3か月ほど電話の件数と相談の内容を観察します。変化が見られたら、色やボタンの見直しに進みます。

それでも改善が見られない場合に初めて、全体の作り直しを検討します。順番を守れば、無駄な費用を避けやすくなります。

セクションのまとめ:部分的な修正は数万円から数十万円、全面的な作り直しは50万円から200万円程度が目安です。まず小さく直し、効果を見てから広げます。

やってはいけない5つのこと(NOT TO DO)

見やすさの改善では、善意で行ったことが逆効果になる場合があります。次の5つは避けてください。

やってはいけないこと 理由 代わりにすること
1. 文字サイズ変更ボタンだけを付けて安心する 探して押す手間が、不慣れな方には負担になる 最初から読みやすい大きさにする
2. 見た目の印象で薄い色・細い文字にする 読みにくくなり、問い合わせの前に離れてしまう 色の差を数字で測る
3. 若い社員の感覚だけで確認を終える 見え方は人によって大きく違う 年配の方に実際に操作してもらう
4. 電話番号を画像だけにする、出られない時間を受付時間に書く タップできない。かけても出ないと信頼を失う テキストで掲載し、実際に出られる時間を書く
5. 診断せずに全面リニューアルを契約する 部分修正で足りる場合があり、費用が大きくなる まず現状を確認し、部分修正の見積もりも取る

注意:「高齢者向け」を理由に情報を減らしすぎない

見やすくすることと、内容を減らすことは別です。料金、流れ、会社の情報は、むしろ丁寧に書くほうが安心につながります。子ども扱いするような表現や、極端に派手な色づかいも避けてください。

セクションのまとめ:文字サイズ変更ボタン頼み、薄い色、若手だけの確認、画像の電話番号、いきなりの全面契約は避けます。

AIを使って、直す作業を半分に減らす方法

文章の見直しなど、AI(文章を作る人工知能)が手伝える部分があります。ただし、最終的な判断は人が行います。

作業 AIの使い方 人が必ず行うこと
難しい言葉の言い換え 現在の文章を入力し、「70代の方が分かる言葉に」と依頼 料金・資格・法律に関わる内容は、事実と合っているか確認
分かりにくい箇所の洗い出し 「専門用語やカタカナを一覧にして」と依頼 一覧のうち、本当に直すものを選ぶ
ボタン名の案出し 「押した後が分かる名前を5案」と依頼 会社の言葉遣いに合うものを選ぶ
色の差の確認 使わない。AIは計算を間違えることがある 確認ツールで測る

注意:お客様の情報は、AIに入力しない

個人名や連絡先、契約の内容などを、AIの入力欄に貼り付けないでください。ホームページに公開している文章だけを使います。

セクションのまとめ:AIは言葉の言い換え案づくりに向いています。事実の確認と最終判断、色の測定は、人とツールで行います。

担当者に渡すチェックリスト

ここからは、社長から担当者や制作会社に渡す項目です。そのまま印刷するか、メールに貼り付けて使えます。

社長から担当者への依頼文の例

「当社のホームページを、高齢のお客様にも見やすくしたい。まず、下のチェックリストでスマホの状態を確認し、直す場所と費用の目安を一覧にしてほしい。作り直しはまだ決めない。」

A 電話の入口

確認項目 合格の目安
□ スマホで電話番号を押すと、電話の画面が開く すべてのページの番号で開く
□ 電話番号が、ヘッダー付近に大きく表示されている 24ピクセル以上、太字
□ 受付時間が、番号の隣に書かれている 曜日と祝日の扱いも明記
□ 時間外の案内がある 折り返しの目安も書かれている
□ 画面下に電話ボタンが固定されている スクロールしても消えない

B 文字と行間

確認項目 合格の目安
□ 本文の大きさ 16ピクセル以上、できれば18ピクセル前後
□ 行間 文字の大きさの1.7倍から2倍
□ 補足や注意書きの大きさ 14ピクセル未満になっていない
□ 電話番号や料金が画像になっていない すべて文字で入力されている
□ スマホの文字サイズを大きくしても崩れない 内容が隠れたり重なったりしない

C 色の差

確認項目 合格の目安
□ 本文の文字色と背景色の色の差 4.5対1以上
□ ボタンの文字色と背景色の色の差 4.5対1以上(大きな文字は3対1以上)
□ 写真の上の文字 濃い帯を敷いて読める
□ 色だけで意味を区別していない 文字でも説明している
□ リンクが分かる 下線または明確な見た目の違いがある

D ボタンと言葉

確認項目 合格の目安
□ ボタンの大きさ 高さ48ピクセルから56ピクセル、押す場所は44ピクセル以上
□ ボタンの名前 押した後が分かる言葉になっている
□ 専門用語・カタカナ 言い換えまたはかっこで説明されている
□ 料金と流れ 数字と番号で書かれている
□ フォームの入力項目 3項目から5項目程度

E 確認の進め方

作業は、4週間ほどに区切ると進めやすくなります。担当者は週に2時間から3時間を確保する想定です。

4週間で進める流れの例1週目現状を見る社長がスマホで確認し、メモする2週目直す場所を決める担当者がチェックリストで一覧にする3週目直す・試す電話の入口と文字を先に直して見直す4週目見てもらう年配の方に操作してもらい、結果を記録1か月後に電話の受付メモを見直し、次の一手(続ける・広げる・止める)を決めます
  • 1週目:社長と担当者が、スマホで現状を確認し、メモを取ります。
  • 2週目:チェックリストを使い、直す場所を一覧にします。見積もりが必要なものは依頼します。
  • 3週目:電話の入口と文字の大きさを先に直し、スマホで確認します。
  • 4週目:年配の方に「電話をかけるところまで」を試してもらい、迷った場所を記録します。

1か月後に、電話の受付メモを見直し、次の一手を決めます。続ける、広げる、止めるのいずれかです。

セクションのまとめ:チェックリストは、電話、文字、色、ボタンと言葉の4分野です。4週間で現状確認から年配の方による確認まで進めます。

よくある質問

Q. 高齢者向けのホームページは、文字を最初から大きくしておけばよいのですか。

A. 大きくするのは有効ですが、それだけでは足りません。文字と背景の色の差、ボタンの大きさ、言葉の分かりやすさ、電話のかけやすさも合わせて見直す必要があります。本文は16ピクセル以上、できれば18ピクセル前後を目安に、行間も広めにとると読みやすくなります。

Q. スマホの電話番号をタップで電話にするには、何を頼めばよいですか。

A. 制作会社や担当者に「電話番号を、タップで電話がかかる設定にしてください」と伝えれば通じます。技術的には、電話番号のリンクに電話用の指定を入れる作業です。1か所ずつ確認すれば、早ければ数時間で終わる作業とされています。

Q. 費用はどのくらい見ておけばよいですか。

A. 小規模なサイトで部分的に直す場合、数万円から数十万円の幅で見積もられることが一般的です。全面的に作り直すと、50万円から200万円程度が目安になります。ページ数や写真撮影の有無で大きく変わるため、複数社の見積もりを同じ条件で比べることをおすすめします。

Q. 高齢のお客様向けに、文字サイズ変更ボタンは付けたほうがよいですか。

A. 付けても構いませんが、最初から読みやすい大きさにしておくほうが確実です。変更ボタンを探して押す手間は、操作に不慣れな方にとって負担になることがあります。ブラウザやスマホ本体の拡大設定でも崩れない作りかどうかの確認を優先してください。

Q. どのくらいの色の差があれば、読みやすいと言えますか。

A. 国際的なウェブの基準であるWCAG 2.xでは、普通の文字で4.5対1以上、大きな文字で3対1以上が目安とされています。無料の確認ツールで測れるため、担当者に測ってもらうとよいでしょう。

Q. 高齢の方に実際に見てもらう機会がありません。どうすればよいですか。

A. 社内のご年配の従業員や、取引先の方、ご家族にお願いする方法があります。スマホを渡して「電話をかけるところまで」を試してもらい、迷った場所をメモしてください。専門の調査を頼まなくても、数名の様子を見るだけで多くの課題が見つかります。

まとめ:小さく直して、電話の増減で確かめる

高齢のお客様にも見やすくする近道は、電話の入口、文字、色、ボタンと言葉の4か所を、この順に直すことです。

費用は、部分的な修正なら数万円から数十万円の幅が一般的です。全面的な作り直しは、その後に必要かを判断すれば遅くありません。

社長が決めるのは、どこまで直すか、誰に任せるかの2点です。作業は、この記事のチェックリストを担当者に渡して進めてください。まずは今週、ご自身のスマホで電話番号を押してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の筆者

webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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