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サーバー移行の費用と注意点|メールを止めずに引っ越す段取り

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サーバー移行の費用と注意点|メールを止めずに引っ越す段取り

古いサーバーから新しいサーバーへメールとデータを引っ越すイメージ

この記事で分かること

レンタルサーバーの移行費用は、自社で行えば新旧サーバーの利用料が重なる分が中心で、制作会社に任せると作業費が加わります。メールを止めないコツは、新サーバーで準備を終えてから、最後にDNS(ドメインの行き先案内)を切り替えることです。社長が決めるのは「誰に任せるか」と「切り替える日」の2点です。

ホームページやメールを使っているサーバーを、別の会社のサーバーへ引っ越すことを「サーバー移行」と呼びます。料金の見直し、表示の遅さ、古い契約の整理、制作会社の変更などをきっかけに、検討する会社が少なくありません。

一方で、社長が気にされるのは「いくらかかるのか」「メールが止まって取引先に迷惑をかけないか」の2点ではないでしょうか。この記事では、その2点を中心に、費用の幅、期間、段取り、制作会社への確認事項を整理します。

サーバーの選び方や契約内容の確認は、すでに別の記事で扱っています。ここでは「引っ越し作業そのもの」に絞って説明します。選び方を先に知りたい方は、レンタルサーバーの選び方と契約確認の基本をご覧ください。

ポイント

費用の数字は、主要レンタルサーバー各社の公開料金表や、制作会社各社の公開料金ページに見られる一般的な幅をもとにした目安です。実際の金額は、サイトの規模やメールの数で変わります。必ず見積りで確認してください。

サーバー移行とは何か|社長が押さえておく3つの前提

技術的な話は担当者や制作会社に任せて構いません。ただし、次の3点だけは社長が理解しておくと、判断を誤りにくくなります。

前提1:サーバーは「建物」、ドメインは「住所」

サーバーは、ホームページのデータやメールを置いておく建物のようなものです。ドメイン(会社のURLやメールアドレスの後半部分)は、その建物の住所にあたります。

引っ越しとは、建物の中身を新しい建物へ運び、住所の行き先を新しい建物に書き換えることです。住所そのものは変わらないため、お客様や取引先は、アドレスを変えずに使い続けられます。

前提2:「データの引っ越し」と「行き先の切り替え」は別の作業

移行は大きく2つの作業に分かれます。ひとつは、ホームページとメールのデータを新サーバーに写す作業です。もうひとつは、ドメインの行き先を新サーバーに切り替える作業(DNSの変更)です。

この2つを分けて考えると、「切り替えるまでは今のサーバーで普段どおり動く」ことが分かります。メールを止めないための考え方は、この分離にあります。

前提3:サーバーとドメインの契約者を確認しておく

サーバーもドメインも、誰の名義で契約しているかで、作業のしやすさが大きく変わります。制作会社の名義で契約している場合、移行の可否や手続きを制作会社に頼まなければならないことがあります。

契約者が分からない、制作会社と連絡が取れないといった場合は、先に制作会社と連絡が取れないときの対処を確認しておくと安心です。ドメインの期限管理については、ドメインの更新を忘れるとどうなるかで説明しています。

移行を考える主なきっかけ

きっかけ よくある背景 移行の必要度の目安
料金を見直したい 長年同じ契約で、今の使い方に対して容量や機能が過剰 急がなくてよい。更新月に合わせて検討
表示が遅い・不安定 アクセスが増えた、古い設備のまま 比較的早めに検討。まず原因の切り分けを
サービス終了・値上げの通知 サーバー会社から案内が届いた 期限があるため、案内の日付を最優先で確認
制作会社を変える 管理を新しい会社に一本化したい 制作会社の変更と同時に計画するとよい
事業承継・担当者交代 契約情報が属人的で不明確 移行を機に、契約情報を整理して引き継ぐ

セクションのまとめ:サーバー移行は「中身を運ぶ作業」と「行き先を切り替える作業」の2段階で、住所(ドメイン)は変わりません。契約者の確認が最初の一歩です。

サーバー移行にかかる費用の内訳|自社でやる場合と制作会社に頼む場合

費用は「サーバーの利用料」「作業の人件費」「周辺の費用」の3つに分けると整理しやすくなります。自社で行うか、制作会社に頼むかで、幅が大きく変わります。

移行費用の考え方:自社で行う場合と制作会社に頼む場合自社(担当者)で行う制作会社に依頼する新サーバーの利用料(月額)新旧の利用料が重なる期間担当者の作業時間(社内の手間)現金の支出は小さいが、手間とリスクは社内新サーバーの利用料(月額)新旧の利用料が重なる期間移行作業費・確認作業費作業費が加わるが、手間とリスクを任せられるどちらの場合も、まず「今の契約内容」の確認から始まります

費用の3つの区分

区分 中身 目安の幅と根拠
サーバーの利用料 新しいサーバーの月額・年額。初期費用がかかるプランもある 主要レンタルサーバーの公開料金表では、一般的な法人サイト向けで月額数百円〜数千円台が中心。メール数や容量、機能で上下する
重なる期間の二重払い 新サーバーで確認する間、旧サーバーも解約せず残すため、1〜2か月分が重なる 旧サーバーの月額×重なる月数。解約を急ぐと、不具合時に戻せなくなる
移行の作業費 データの移動、設定、動作確認、切り替え立ち会い 自社で行えば現金の支出は基本なし。制作会社の公開料金ページでは、数万円〜十数万円程度の幅が見られる
周辺の費用 SSL証明書、独自の設定変更、ホームページの手直し 無料のSSLが使えるサーバーも多い。古いサイトの修正が必要な場合は別途見積り

なお、制作会社への依頼額は、会社ごとの料金体系やサイトの状態で大きく変わります。上の幅はあくまで「公開情報から見られる範囲」の目安として受け取り、実際は2社以上の見積りで比べてください。

自社で行う場合:現金は少なく、手間とリスクが社内に残る

担当者が新旧のサーバーを操作できる場合は、作業費はかからず、費用は利用料の重なり分が中心です。サーバー会社によっては、移行を手伝う無料の機能や案内ページを用意していることもあります。

ただし、作業に慣れていない場合、準備と確認で数日分の手間がかかることがあります。メールの設定を間違えると、受信できない時間が生まれます。「担当者の時間」も費用のひとつと考えると、判断しやすくなります。

制作会社に頼む場合:作業費で「安心」を買う

制作会社に頼むと作業費が加わりますが、データの移動、動作確認、切り替えの立ち会いまで任せられます。ホームページの仕組みが古い場合や、メールの数が多い場合は、頼む価値が高い場面です。

見積りでは「作業費に何が含まれるか」を確認してください。動作確認の範囲や、切り替え後の見守り期間が含まれているかで、同じ金額でも中身が違うことがあります。

費用が上がりやすい条件

  • メールアドレスの数が多い(部署別・個人別に10件以上など)
  • ホームページのつくりが古く、新しいサーバーでそのまま動かない
  • 会員ページや予約機能など、動きのある仕組みが入っている
  • 過去の制作会社の資料が残っておらず、設定の調査から始める必要がある
  • 複数のサイトやドメインを同じサーバーで使っている

注意

「移行は無料」とうたう案内でも、確認作業や設定変更が別料金のことがあります。何が無料で、何が有料かを、見積書の項目単位で確認してください。

セクションのまとめ:費用は「新サーバーの利用料」「旧サーバーとの重なり」「作業費」の3つ。自社なら現金は小さく、制作会社なら作業費で手間とリスクを任せられます。

移行にかかる期間の目安|準備から切り替えまでの流れ

移行は、当日の切り替えよりも、事前の準備と事後の確認に時間をかけるのが基本です。全体の流れを4段階で見ておくと、スケジュールが組みやすくなります。

サーバー移行の流れ(4段階)1準備現状を確認契約者・メール数容量・使用機能2準備新サーバー構築データを複製別URLで表示確認3当日DNSを切り替えアクセスの少ない時間数分〜数日で反映4事後見守りと解約メール受信を確認旧サーバーは残す切り替え当日より、前後の準備と確認に時間をかけるのが基本です

段階別の期間の目安

段階 主な作業 期間の目安
1. 現状確認 契約者、契約内容、メールの数、使っている機能、ホームページの仕組みを洗い出す 数日〜1週間。情報が散らばっているほど長くなる
2. 新サーバーの準備 新サーバーを契約し、データを複製して、公開前に表示とメールを確認する サイトの規模により、数日〜2週間程度
3. 切り替え DNSを変更して、行き先を新サーバーに向ける 作業は短時間。反映は数分〜数日かかることがある
4. 見守り・旧サーバー解約 問い合わせフォーム、メール受信、検索表示を確認し、問題がなければ旧サーバーを解約 1〜2週間は旧サーバーを残すのが一般的

全体では、小規模なサイトで2〜4週間、メールや仕組みが多い場合は1〜2か月を見ておくと余裕があります。これは一般的な進め方に基づく目安であり、実際はサイトの状態で前後します。

切り替えの日はいつがよいか

切り替えは、アクセスやメールのやり取りが少ない時間帯を選ぶのが定石です。例として、平日の夕方以降や、取引先が休みの週末などが候補になります。ただし、週末は問い合わせ対応の担当者がいない場合もあります。

決算期、繁忙期、大きなキャンペーンの前後は避けるとよいでしょう。万一の不具合のとき、すぐ対応できる体制があるかどうかが、日取りを決める基準になります。

ポイント

切り替えの日取りは、社長が決める項目です。「いつなら会社が一番落ち着いているか」は、現場を知る社長にしか判断できません。

セクションのまとめ:小規模なら2〜4週間、メールや仕組みが多ければ1〜2か月が目安です。切り替えは、会社が最も落ち着いている時期に設定しましょう。

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メールを止めずに引っ越す考え方|DNSの切り替えを分かりやすく

メールが止まる不安は、移行でもっとも多い心配ごとです。結論として、段取りを守れば、受信できない時間を最小限にできます。その考え方を、専門用語をかみ砕いて説明します。

メールを止めない切り替えの考え方旧サーバー今のメールとサイト切り替えまで稼働を続ける新サーバー先にメールとサイトを準備公開前に動作を確認DNS(行き先案内)ここを書き換えると行き先が新サーバーへ受信が途切れにくくする3つの工夫1. 新サーバーのメールを先に作る(アドレス・パスワードを同じ内容で用意)2. 切り替え前に、DNSの「反映の早さ」の設定を短くしておく3. 切り替え後も旧サーバーを1〜2週間残し、届き損ねを拾う

DNSとは「行き先案内」のこと

DNS(ディーエヌエス)とは、ドメインに対して「ホームページはこのサーバー、メールはこのサーバー」と案内する仕組みです。電話の転送設定に似ています。転送先を書き換えると、新しい着信は新しい行き先に届きます。

この案内は、ホームページ用とメール用が別々に設定されています。ホームページだけ新サーバーに向けて、メールの案内を書き換え忘れると、メールが旧サーバーに届き続けることがあります。逆に、メールだけ切り替えて新サーバーに受信箱がないと、届かなくなります。

反映に時間がかかる理由と、準備のコツ

DNSを書き換えても、世界中の機器にすぐ反映されるわけではありません。古い案内を一定時間覚えておく仕組み(キャッシュ)があるためです。その保持時間を「TTL(ティーティーエル)」と呼びます。

切り替えの数日前にTTLを短く設定しておくと、反映が早く進みやすくなります。具体的な値は、契約しているDNSの管理画面や、制作会社の方針で異なります。担当者や制作会社に「事前にTTLを短くしますか」と尋ねるだけでも、段取りの確かさが分かります。

切り替え前後に、メールで確認すること

  • 社内から外部へ、外部から社内へ、それぞれテストメールを送る
  • スマートフォンやメールソフトの設定を、新サーバーに合わせて直す
  • 自動返信、転送設定、迷惑メール対策の設定が引き継がれているか確認する
  • 過去のメールを新サーバーに写す必要があるか(保存期間と容量)を決める
  • 複数人で使う共有アドレス(info@など)の受信者を確認する

注意

メールの「保存済みデータ」を移すかどうかは、事前に決めておく必要があります。何も決めずに旧サーバーを解約すると、過去のメールが読めなくなるおそれがあります。

メールだけ別のサービスに分ける方法もある

ホームページの移行を機に、メールだけを別のサービス(メール専用の事業者や、パソコン用の業務ソフトに付属するもの)へ分ける選択肢もあります。サーバー側の負担が軽くなり、将来の再移行が楽になることがあります。

ただし、メールを分けると、契約が1つ増えます。管理の手間と費用が増えるため、小規模な会社では「サーバーに一本化」のほうが分かりやすいことも多いです。社長が決めるのは、「契約を1つにまとめたいか、役割ごとに分けたいか」という方針です。

セクションのまとめ:メールを止めない鍵は「旧サーバーを残したまま新サーバーを準備し、最後にDNSを切り替える」こと。切り替え後1〜2週間は旧サーバーを残しましょう。

移行で起きやすいトラブルと見落としやすい点

移行後に起きる問題の多くは、事前の確認で防げるものです。代表的な5つを、原因と確認方法とあわせて整理します。

起きやすいこと 原因 事前の確認
メールが届かない・送れない DNSの切り替え漏れ、新サーバー側のメール設定の違い 切り替え前後に、双方向でテストメールを送る
問い合わせフォームが動かない フォームの送信設定が古いサーバー前提になっている フォームから実際に送信し、届くアドレスまで確認する
ホームページが表示されない・崩れる 古いプログラムが新サーバーの環境に合わない 新サーバー上の仮の状態で、主要ページを開いて確認する
「安全ではありません」と表示される SSL証明書(通信を暗号化する仕組み)の設定漏れ 切り替え前にSSLの準備状況を確認する。詳しくはSSL証明書の基本で解説
検索結果の順位が下がる URLの変化、表示速度の悪化、一時的な表示エラー URLを変えない移行にする。切り替え後の表示確認をする

検索順位への影響は「URLを変えない」ことで抑える

サーバーを変えるだけであれば、URLが変わらない限り、検索結果への影響は小さいとされています。影響が出やすいのは、移行の途中で表示エラーが長く続いた場合や、URLの形が変わってしまった場合です。

ドメインそのものを変える場合は、話が別になります。検索の世界で「引っ越し」が注意を要する理由は、Google検索の最新動向(2026年10月中旬)でも触れています。サーバー移行とドメイン変更を同時に行うのは避け、ひとつずつ進めるのが無難です。

見落としやすい「サーバーに紐づいている別の仕組み」

  • 定期的に動く自動処理(バックアップ、メルマガ配信の連携など)
  • アクセス解析やGoogleの管理ツールの設定
  • 別ドメインやサブドメイン(予約システム、採用ページなど)
  • サーバー上に置いたPDF・画像・資料のダウンロードページ
  • Webカメラや社内システムなど、外部機器からのデータ受信

これらは、ホームページを見るだけでは気づきにくい部分です。移行前に「サーバーの中にあるもの」を一覧にすると、切り替え後の「あれが動かない」を減らせます。担当者が不在の場合は、制作会社に一覧の作成を依頼するのが確実です。

セクションのまとめ:起きやすいトラブルは、メール・フォーム・表示・SSL・検索順位の5つ。URLを変えず、切り替え前後に実際に動かして確認すれば、多くは防げます。

制作会社に頼むときの確認事項|見積りの前に聞くこと

移行を制作会社に任せる場合、見積りの金額だけで選ぶと、あとで「それは別料金です」となりがちです。次の質問に答えてもらえるかどうかが、信頼できる会社かの目安になります。

確認事項 聞き方の例 答えが曖昧なときの注意
作業範囲 データの移動、メール、DNS、動作確認、切り替え立ち会いのどこまで含まれますか 範囲が不明だと、追加請求の原因になる
契約名義 新しいサーバーとドメインは、どちらの名義で契約しますか 制作会社名義だと、将来の乗り換えが難しくなる
切り替えの段取り 切り替えの日時と、メールが止まらないための方法を教えてください 「当日やってみないと分からない」は避けたい
戻せる体制 不具合が出たとき、旧サーバーに戻せますか。旧サーバーはいつまで残しますか 戻せない前提の計画は、リスクが高い
見守り期間 切り替え後、何日間は無償で対応してもらえますか 期間が決まっていないと、不具合時に追加費用が出やすい
引き継ぎ資料 完了後に、契約情報や設定の一覧をいただけますか 資料がないと、次の担当者や承継時に困る
費用の内訳 見積りを、項目別に分けていただけますか 「一式」だけの見積りは、比較しにくい

名義と管理権限は、必ず自社で持つ

もっとも大切なのは、サーバーとドメインの契約者が自社になっていることです。制作会社名義のままだと、会社との関係が変わったときに、データを取り戻す手続きが大がかりになります。

制作会社の変更をあわせて検討している場合は、制作会社を変えたいときの進め方も参考になります。管理情報の整理や承継については、ホームページの事業承継(管理情報一覧)で詳しく扱っています。

見積りを比べるときの見方

見積りは、2社以上で取り、金額だけでなく「作業範囲」「見守り期間」「戻せる体制」の3点を横に並べて比べてください。安い見積りが、そのうち2点を含まない場合、結果的に高くつくこともあります。

ポイント

「いちばん安い会社」ではなく、「何かあったときに、すぐ動いてくれる会社」を選ぶのが、中小企業の移行ではうまくいきやすい傾向があります。

移行を機に、保守契約の中身も見直す

サーバーを移すタイミングは、保守契約や運用代行の中身を見直すよい機会でもあります。毎月払っている保守費の中に、サーバー管理やバックアップが含まれているかを確認すると、重複払いの発見につながります。

運用代行の範囲については、ホームページ運用代行とは?保守・更新代行との違いと費用相場が参考になります。

セクションのまとめ:制作会社に頼むときは、作業範囲・契約名義・切り替えの段取り・戻せる体制・見守り期間・引き継ぎ資料・見積りの内訳の7点を確認しましょう。

社長が決めること・担当者に渡すチェックリスト

移行の細かい作業は担当者や制作会社の仕事です。社長が決めるべきことは、実は数えるほどです。決めることを先に明確にすると、現場が迷いません。

社長が決める5つのこと

決めること 判断の軸
自社で行うか、任せるか 担当者が新旧サーバーを操作できるか。できなければ制作会社に任せる
予算の上限 新サーバー利用料、二重払い期間、作業費の合計の上限額
切り替えの時期 会社がもっとも落ち着いている時期。繁忙期は避ける
契約名義と管理者 サーバーとドメインは自社名義で、管理者を決める
メールの方針 サーバーに一本化するか、メールだけ別サービスに分けるか

この5つが決まれば、あとは担当者や制作会社に任せて進められます。逆に、これが決まっていないと、見積りも日程も固まりません。

担当者に渡すチェックリスト

下の図と一覧は、担当者に渡すためのものです。印刷して、終わった項目にチェックを入れて進めてください。

移行チェックリスト(担当者用)CHECK LIST契約者と契約内容を確認サーバー・ドメインの名義、更新日、料金メールの数と使い方を洗い出すアドレス一覧、容量、共有アドレス、転送設定バックアップを取るホームページとメールの両方を保存新サーバーで先に動かす仮の状態で表示・フォーム・メールを確認切り替えと翌日の確認テストメール、フォーム送信、旧サーバーは残す

  1. 契約者・契約内容の確認:サーバーとドメインの契約者、更新日、料金、ログイン情報の保管場所を確認する
  2. サーバー内の洗い出し:メールアドレス一覧、ホームページの仕組み、別ドメイン、自動処理を一覧にする
  3. バックアップ:ホームページとメールのデータを、移行前に別の場所へ保存する
  4. 新サーバーの契約:自社名義で契約し、必要な容量と機能があることを確認する
  5. データの複製と仮確認:公開前の状態で、主要ページ、問い合わせフォーム、メールの送受信を確認する
  6. DNSの事前準備:切り替えの数日前に、反映の早さの設定(TTL)を見直す
  7. 切り替え:決めた日時に、ホームページとメールの行き先を新サーバーに向ける
  8. 切り替え直後の確認:テストメール、フォーム送信、主要ページの表示を確認する
  9. 見守り:1〜2週間、メールの届き方と問い合わせの件数に変化がないかを見る
  10. 旧サーバーの解約:問題がないことを確認したうえで、解約手続きを行う(解約前にもう一度バックアップ)
  11. 引き継ぎ資料の作成:新しい契約情報、管理者、更新日を一覧にして保管する

担当者が不在で自社で進められない場合は、このチェックリストを制作会社にそのまま渡し、「どこまで対応してもらえるか」を確認する使い方もできます。

セクションのまとめ:社長が決めるのは5点だけです。あとは担当者や制作会社に、チェックリストを渡して任せましょう。

架空の事例で見る移行の進め方

ここでは、実在の企業ではなく、よくある状況を組み合わせた架空の例で、移行の流れをイメージします。

事例:従業員30名の建材卸会社(架空)

社長は60代。ホームページは10年前に制作会社が作り、サーバーは制作会社名義の契約のままでした。メールは営業担当ごとに約15件を使っています。サーバー会社から「旧プランの受付終了」の案内が届き、移行が必要になりました。

  1. 最初に、社長が契約名義を確認したところ、サーバーは制作会社名義、ドメインは社長の名義でした
  2. 社長は「メールを止めたくない」「今後は自社名義にしたい」の2点を方針として決定しました
  3. 2社から見積りを取り、作業範囲・見守り期間・旧サーバーの保持期間を並べて比べました
  4. 総務の担当者が、使っているメールアドレス15件と、共有アドレス2件の一覧を作りました
  5. 制作会社の協力を得て、新サーバー(自社名義)で先にデータを準備し、仮の状態で確認しました
  6. 切り替えは、取引先が休みの土曜夕方に実施。翌日と翌週に、テストメールと問い合わせフォームを確認しました
  7. 旧サーバーは3週間残し、問題がないことを確認して解約しました

この例のポイントは、社長が決めたのは「止めたくない」「自社名義にしたい」という方針と、切り替えの日だけだった点です。細かな作業は、担当者と制作会社が分担しました。

注意

上の事例は、あくまで架空の例です。実際の期間や費用は、サイトの規模や契約内容により異なります。

セクションのまとめ:社長が方針と日取りを決め、担当者が一覧を作り、制作会社が作業する。この分担が、止まらない移行の基本形です。

AIを使って移行の準備を軽くする方法

AI(文章作成や整理を助けるソフト)は、移行そのものの作業には向きませんが、準備の整理には役立ちます。使う場面を限ると、安全に使えます。

AIに任せてよいこと

  • 担当者向けのチェックリストの文面づくり(この記事の項目をもとに、自社用に直す)
  • 制作会社への質問メールの下書き
  • 見積りの内訳を表に整理するための下書き
  • 社内への「切り替え予定日のお知らせ」文面の下書き

AIに任せてはいけないこと

  • パスワードやログイン情報の入力・保管(外部のAIサービスには入れない)
  • DNSの設定値など、誤ると影響が大きい情報の最終判断
  • 契約内容や料金の確認(必ず契約書や公式の案内を自分の目で見る)

AIの案は、必ず人が内容を確認してから使ってください。特に、契約や料金に関する数字は、AIが誤った内容を示すことがあります。最終確認は、サーバー会社の公式ページや契約書で行うのが基本です。

セクションのまとめ:AIは「下書き」と「整理」に使い、設定値や契約の最終判断は人が行いましょう。

サーバー移行で「やってはいけない」5つのこと

費用を抑えようとして、かえって損をする典型を5つにまとめました。

やってはいけない1:旧サーバーをすぐに解約する

新サーバーに切り替えた直後に解約すると、戻せなくなります。メールの届き損ねや、見落としていた機能が見つかったとき、対応できません。解約は、1〜2週間の見守りのあとにしてください。

やってはいけない2:契約名義を制作会社のままにする

費用や手間を省こうとして名義を任せきりにすると、将来の乗り換えや承継のときに、取り戻す手続きが必要になります。サーバーとドメインは、自社名義で契約するのが基本です。

やってはいけない3:繁忙期や月末に切り替える

万一の不具合は、いつ起きるか分かりません。注文や問い合わせが集中する時期に切り替えると、影響が大きくなります。会社が落ち着いている時期を選んでください。

やってはいけない4:バックアップを取らずに作業する

データの複製ミスや設定の誤りで、元に戻せなくなることがあります。移行前に、ホームページとメールの両方を別の場所に保存しておくと、安心して作業できます。

やってはいけない5:移行と大規模な作り直しを同時にやる

サーバー移行とリニューアルを同時に行うと、不具合の原因が分からなくなります。先に移行を終えて安定させてから、作り直しを検討するのが安全です。リニューアルの判断はホームページのリニューアルと作り直しの費用目安で整理しています。

セクションのまとめ:旧サーバーの早すぎる解約、名義の放置、繁忙期の切り替え、バックアップなし、同時作業の5つを避ければ、大きな失敗は防げます。

あわせて読みたい関連記事

移行の前後で役立つ記事を、役割ごとに紹介します。

よくある質問

サーバー移行について、社長からよく寄せられる質問に答えます。

Q. サーバー移行の費用は、全部でいくらくらいかかりますか。

自社で行う場合は、新サーバーの利用料と、旧サーバーとの重なり期間の費用が中心です。制作会社に依頼する場合は作業費が加わり、公開されている料金ページでは数万円〜十数万円程度の幅が見られます。サイトの規模やメールの数で変わるため、2社以上の見積りで比べてください。

Q. メールが止まる時間は、どれくらいですか。

新サーバーでメールを先に準備し、DNSを最後に切り替えれば、受信できない時間は最小限に抑えられます。ただし、DNSの反映には数分〜数日かかることがあります。旧サーバーを1〜2週間残しておくと、届き損ねを拾いやすくなります。

Q. 移行すると、検索順位が下がりますか。

URLを変えずにサーバーだけを移す場合、影響は小さいとされています。注意が必要なのは、移行中に表示エラーが長く続いた場合や、URLが変わった場合です。切り替え後に主要ページの表示を確認してください。

Q. 制作会社の名義でサーバーを借りています。移行できますか。

移行は可能なことが多いですが、手続きを制作会社に依頼する必要があります。まず、契約者と更新日を確認し、制作会社に連絡してください。連絡が取れない場合の対処は、関連記事で説明しています。移行後は、自社名義で契約するのが望ましいです。

Q. 自社の担当者だけで移行してもよいですか。

サイトが小規模で、担当者がサーバーの操作に慣れていれば可能です。メールの数が多い、古い仕組みが入っている、担当者が不在といった場合は、制作会社への依頼を検討してください。チェックリストを使って、作業を段階に分けると進めやすくなります。

まとめ:移行は「準備と分担」で、メールを止めずに進められます

サーバー移行は、決して難しい判断ばかりではありません。社長が決めることを絞り、細かな作業は担当者や制作会社に分担すれば、落ち着いて進められます。

  • 費用は「新サーバーの利用料」「旧サーバーとの重なり」「作業費」の3つで考える
  • 自社で行えば現金は小さく、制作会社に頼めば作業費で手間とリスクを任せられる
  • メールを止めない鍵は、新サーバーを先に準備し、最後にDNSを切り替えること
  • 切り替え後1〜2週間は旧サーバーを残し、問題がないことを確認してから解約する
  • 契約名義は自社にし、作業範囲・見守り期間・戻せる体制を見積りで確認する

見積りや段取りに迷うときは、現状の確認から始めるのが近道です。下の窓口から、お気軽にご相談ください。

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この記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか。見積もりを取る前の整理から、無料でご相談を受け付けています。売り込みの電話はしません。

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webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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