ホームページ運用2026.10.14

ホームページの制作会社と連絡が取れないときの対処|ドメイン・サーバーを取り戻す手順

途切れた電話線と鍵、サーバーのイメージ

この記事の要点

制作会社と連絡が取れなくなっても、サイトが表示されている間は慌てる必要はありません。最初にやるのは、ドメインとサーバーが「誰の名義か」と「いつまで有効か」を調べることです。名義が自社なら自力で取り戻せます。制作会社名義でも、手順を踏めば道は開けます。

制作会社に連絡しても返事がない。電話が不通になった。担当者が辞めたと言われたきり、その後の話が進まない。ホームページの運用を外部に任せていると、こうした場面は意外と起こります。

社長ご自身が細かい操作をする必要はありません。大切なのは、何を確認し、誰に何を頼み、どの段階で専門家に相談するかという判断の順番です。この記事では、その順番を落ち着いて整理します。

なお、計画的に制作会社を乗り換える場合の進め方は、ホームページの制作会社を変えたいときの進め方で詳しく扱っています。本記事は、相手と連絡が取れない、または相手が応じてくれない場合に絞ってお伝えします。

まず状況を整理したい方へ

ドメインやサーバーが誰の名義か分からない場合でも、公開されているサイトの状態から確認できる範囲があります。費用はかかりません。

無料のサイト診断はこちら / 電話・お問い合わせフォームで相談する

「連絡が取れない」には4つのパターンがあります

一口に連絡が取れないと言っても、状況によって取るべき行動は違います。まず、自社がどれに近いかを見分けましょう。

パターン よくある状況 最初にすること
音信不通 電話に出ない、メールの返信がない。会社自体は存続しているように見える 連絡の記録を残しつつ、契約書や請求書を探す
担当者の退職・異動 会社は動いているが、担当者がいなくなり引き継ぎも不明 代表窓口や別の部署に、書面で依頼する
廃業・解散 電話が不通になり、事務所も空いている、公式サイトも閉じている 契約先のサーバー会社・ドメイン会社に直接相談する
対応を渋る 連絡は取れるが、ドメインやログイン情報の開示に応じない 契約書の確認と、専門家への相談を早めに検討する

架空の事例:従業員40名の製造業B社

ここでは架空の例を挙げます。従業員40名ほどの製造業B社では、5年前にホームページを制作会社に依頼し、その後の更新も任せていました。ある日、問い合わせフォームの不具合に気づき、制作会社の担当者にメールをしましたが返事がありません。電話をかけると「現在使われておりません」という案内が流れました。

総務担当の方が落ち着いて確認したところ、サイト自体は表示されていました。そこで、まず契約書と請求書の束を探し、ドメインとサーバーの契約先を洗い出しました。結果として、ドメインは自社名義、サーバーは制作会社名義でした。この切り分けが、その後の動き方を決めました。

このように、慌てて動くより、まず名義を調べることが近道になります。

ポイント

連絡が取れない原因は、相手の悪意とは限りません。担当者の退職、メールの迷惑メール振り分け、会社の移転など、単純な事情のことも多くあります。最初から疑わず、記録を残しながら丁寧に連絡を重ねる姿勢が、結果的に早く解決する近道になります。

セクションのまとめ:連絡が取れない状況は4パターンに分かれ、どれも最初の一歩は「名義と契約の確認」です。

最初の確認は3つだけ|サイト・メール・契約書

焦ると、あれもこれも手を付けたくなります。しかし、最初に確認することは3つに絞れます。

連絡が取れないときの最初の判断フロー制作会社と連絡が取れないQ. サイトは今も表示されていますかはいいいえサイトもメールも動作中まだ時間はありますドメインの期限と名義の確認へ表示されない・メールも不通契約先のサーバー会社・ドメイン会社へ連絡請求書・契約書・更新案内メールからドメインとサーバーの「名義」を確認する

確認1:ホームページは今も表示されていますか

表示されていれば、サーバーとドメインは今のところ動いています。ただし、これは「永久に大丈夫」という意味ではありません。更新費用の支払いが止まれば、ある日突然表示されなくなることがあります。

確認2:自社のメールアドレスは使えていますか

「info@自社名.jp」のように、自社ドメインのメールを使っている場合は特に注意が必要です。ドメインの期限が切れると、ホームページだけでなくメールも止まります。取引先とのやり取りに直結しますので、優先度は高めです。

確認3:契約書・申込書・請求書はどこにありますか

ここが最も重要です。制作時の契約書、見積書、請求書、納品書類。これらに、ドメインやサーバーの扱いが書かれていることが多いためです。紙の書類、メール添付、経理の保管ファイルなど、複数の場所を探します。

急がなくてよいこと/急ぐこと

区分 内容
急がなくてよい サイトのデザイン変更、新しい制作会社の選定、法的な対応の検討(まず状況把握が先です)
早めに行う ドメインとサーバーの契約先・名義・有効期限の確認、更新費用の支払い状況の確認
今日できる 契約書類を探す、サイトの画面を保存しておく、自社メールの動作確認

セクションのまとめ:最初に確認するのは、サイトの表示・メールの動作・契約書類の3点だけで十分です。

連絡を取り続けるときの順番と文面

相手と連絡が取れない場合でも、こちらが誠実に連絡した記録を残しておくことが、後の手続きで役立ちます。

連絡手段は段階を踏んで増やす

段階 方法 ポイント
1 電話とメール 日時と内容を記録する。同じ文面を複数のアドレスにも送る
2 代表者宛・別部署宛 担当者個人ではなく、会社の代表窓口にも送る
3 書面(郵送) 配達の記録が残る方法を選ぶ。控えを保管する
4 弁護士への相談 内容証明郵便などの法的な手段は、弁護士に相談してから行う

依頼する内容は3つに絞る

要望を欲張ると、相手も対応しにくくなります。次の3点に絞ると、伝わりやすくなります。

  1. ドメインの登録者情報と、管理しているレジストラ(ドメイン登録会社)の名前
  2. サーバーの契約者名と、契約している会社の名前
  3. サイトデータの一式と、管理画面へのログイン情報

文面の例

次のような落ち着いた文面が望ましいでしょう。責める言葉は入れず、期限だけははっきり書きます。

いつもお世話になっております。〇〇株式会社の△△です。ホームページの運用に関して、ご連絡がつかず困っております。つきましては、次の3点について、〇月〇日までにご回答をお願いいたします。(1)ドメインの登録者名と管理会社、(2)サーバーの契約者名と契約会社、(3)サイトデータの一式とログイン情報。お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認をお願いいたします。

注意

感情的な言葉や、期限を過ぎたら責任を問うといった強い表現は避けましょう。後で専門家に相談するとき、やり取りの記録がそのまま資料になります。穏やかで事実だけが書かれた文面のほうが、状況が正確に伝わります。

セクションのまとめ:連絡は記録を残しながら段階的に増やし、依頼は「ドメイン・サーバー・データ」の3点に絞ります。

ドメインの名義を確認する方法

ドメインは、ホームページの「住所」にあたります。この住所の持ち主が誰になっているかを確認することが、取り戻しの出発点です。

3つの持ち物と「名義」の関係ドメインネット上の住所名義=登録者誰が持ち主として登録か確認先更新案内メール・WHOISサーバーサイトを置く場所名義=契約者誰が契約しているか確認先請求書・契約会社の管理画面サイトのデータ文章・画像・設定一式権利=契約次第納品物の扱いを確認確認先制作契約書・納品書類3つとも自社名義が理想。制作会社名義なら取り戻し方を確認する

先に覚えておきたい4つの言葉

言葉 意味
ドメイン 「example.jp」のような、ネット上の住所
レジストラ ドメインの登録を取り扱う会社。お名前.comのような登録サービスがこれにあたります
登録者 ドメインの持ち主として登録されている個人や会社
ネームサーバー ドメインとサーバーをつなぐ設定先。変更するとサイトの表示先が変わります

確認する方法は4つあります

  1. 更新案内メールを探す:ドメインの更新時期には、登録メールアドレス宛に案内が届きます。迷惑メールフォルダも確認してください。
  2. 請求書・領収書・クレジットカード明細を見る:ドメインの更新費用は、年に1回の支払いで発生することが一般的です。支払い先の会社名が分かります。
  3. WHOISで検索する:ドメインの登録情報を調べる公的な仕組みです。.jpドメインは、日本レジストリサービス(JPRS)が提供するWHOISで調べられます。.comなど世界共通のドメインは、ICANNの登録データ検索で確認できます。
  4. 制作時の契約書を読む:ドメインの取得を誰が行い、名義を誰にするのか、書かれていることがあります。

ポイント

WHOISでは、個人情報の保護のため、登録者の名前や住所が伏せられていることがあります。その場合でも、どのレジストラで管理されているかは分かることが多く、次の相談先が決まります。表示されないからといって、名義が不明とは限りません。

登録者が制作会社になっているケース

制作会社がドメインの取得を代行した場合、登録者が制作会社の名前になっていることがあります。これは珍しいことではなく、善意で代行したために起こる場合もあります。ただし、登録者が制作会社のままだと、ドメインに関する手続きは原則として登録者でなければ進められません。

だからこそ、名義が誰になっているかを、今のうちに確認する意味があります。

セクションのまとめ:ドメインの名義は、更新案内メール・請求書・WHOIS・契約書の4つの手がかりで確認できます。

名義別の取り戻し方|自社名義・制作会社名義・不明

名義が分かったら、次の表で自社の場合を探してください。ここでの手続きは、一般的な流れの説明です。実際の手順は、レジストラや契約内容によって異なります。

ケース 状況 取る手順
A:自社名義 ログイン情報が分からないだけ レジストラのパスワード再設定を使う。登録メールが自社なら、自力で復旧できる可能性が高い
B:自社名義 登録メールが制作会社のアドレス レジストラのサポートに、本人確認書類などを添えて相談する
C:制作会社名義 制作会社が応じてくれる 登録者情報の変更や、別のレジストラへの移管を依頼する
D:制作会社名義 連絡が取れない・応じない 契約書を確認し、弁護士など専門家に相談する
E:名義が不明 手がかりがない WHOISとサイト診断で管理先を調べ、レジストラに相談する

ケースC:制作会社が応じてくれるとき

登録者を自社に変更するか、自社のレジストラへ移すか、のどちらかが一般的です。.comなどの汎用ドメインを移管する場合は、現在の管理会社から「認証コード」を受け取る必要があります。これは移管を許可する合言葉のようなものです。

.jpドメインの登録者変更には、JPRSが定める手続きがあります。詳しい書類や流れは、管理しているレジストラの案内に従ってください。

ケースD:連絡が取れない・応じないとき

この場合、自社で強引に進めようとせず、契約書の文面を確認することが先です。ドメインの扱いが書かれていれば、それが根拠になります。書かれていなくても、取得費用を自社が負担してきたなどの事情が考慮されることがあります。ただし、判断は個別の事情によって変わるため、弁護士に相談して進める分野です。

廃業した制作会社の場合

制作会社が廃業すると、その会社名義のドメインも更新されなくなる可能性があります。更新されないまま期限が過ぎると、ドメインが失効し、場合によっては他の人が取得できる状態になることがあります。

そのため、期限がいつかを早めに確認し、期限が近ければ、レジストラに事情を伝えて相談するのが現実的です。期限までに時間があれば、慌てずに順を追って進められます。破産などの手続きが関係する場合も、弁護士に相談するのが安心です。

ポイント

名義が制作会社でも、「取り戻せない」と決まったわけではありません。多くの場合は、契約書とレジストラの手続きを組み合わせて解決の糸口が見つかります。期限の確認と専門家への早めの相談が鍵になります。

セクションのまとめ:名義が自社なら自力で、制作会社名義なら依頼や専門家相談を通じて、段階的に取り戻せます。

サーバーとサイトデータを確保する方法

ドメインが住所なら、サーバーは土地、サイトのデータは建物にあたります。この2つも、名義と中身を確認しておきましょう。

サーバーの契約者を調べる

サーバーの契約先も、請求書やクレジットカード明細で分かります。月額や年額の支払いの宛先を探してください。契約者が自社であれば、サーバー会社のサポートに連絡し、本人確認のうえでログイン情報を再発行してもらえる場合があります。

契約者が制作会社の場合は、ドメインのケースCやDと同じ考え方になります。サーバー会社は契約者以外には情報を開示しないことが一般的なので、契約者本人の依頼が必要です。

サイトのデータは、まず「見える部分」を控える

管理画面に入れなくても、今できることがあります。表示されているページを保存して、文章と画像の控えを作っておくのです。

  • 各ページを開いて、画面全体のスクリーンショットを撮る
  • 会社案内、商品、料金などの文章を、文書ファイルに写しておく
  • 使われている写真が、自社に元のデータとして残っているか確認する
  • お問い合わせ先、地図、会社概要などの正確な情報を別途控える

万が一サイトが消えても、文章や写真の元データが自社にあれば、再制作の負担は大きく減ります。作り直す場合でも、情報の整理が済んでいるため、新しい制作会社への依頼もスムーズです。

制作物の権利は、契約で決まっていることがあります

サイトのデザインやプログラムの権利は、契約内容によって、発注者に移る場合と制作会社に残る場合があります。「自社のお金で作ったのだから自社のもの」と思われがちですが、契約書の条文を確認する必要があります。

文面の解釈が分かれる場合は、弁護士に相談してください。権利の所在が分かれば、「今のサイトを引き継ぐ」か「新しく作り直す」かの判断材料になります。

注意

管理画面のログイン情報を推測して入力することや、他人の契約するサービスへ不正にアクセスすることは、トラブルの原因になります。パスワードの再発行など、正規の手続きを使ってください。

セクションのまとめ:サーバーは契約者、サイトは契約内容で扱いが決まります。まず見える部分の控えを作って備えます。

取り戻しまでの流れと期間の考え方

全体の流れを3段階で整理します。期間は事情によって大きく異なるため、あくまで目安としてご覧ください。

取り戻しまでの3段階(目安)1当日〜数日現状の把握契約書・請求書を集め期限と名義を確認21〜2週間連絡と依頼書面で3点を依頼契約先にも相談3必要に応じて専門家と手続き弁護士・商工団体へ名義変更や移管期間は状況により大きく変わります。順番は変わりませんまず「把握」、次に「依頼」、最後に「手続き」

段階 やること 担当
1 現状の把握 契約書・請求書を集める。ドメインとサーバーの名義と期限を確認する。サイトの控えを作る 社長が指示、総務や担当者が実行
2 連絡と依頼 制作会社に書面で3点を依頼する。契約先の会社(レジストラ・サーバー会社)にも相談する 担当者が実行、社長が確認
3 専門家と手続き 応じない場合は弁護士や商工団体に相談する。名義変更や移管を進める 社長が判断、専門家が支援

期限が近いときの考え方

ドメインやサーバーの期限が1〜2か月以内に迫っている場合は、第2段階と並行して、契約先の会社に早めに相談します。更新手続きだけは、現在の名義人でなくてもできる場合があるためです。

その場合でも、費用の支払いが名義の変更を意味するわけではありません。手続きの可否は会社ごとに異なりますので、事前に確認してください。

セクションのまとめ:流れは「把握、依頼、手続き」の3段階です。期限が近いときだけ、並行して動きます。

今のうちにできる予防|名義チェックの習慣

トラブルが起きていない会社ほど、この章が役に立ちます。ドメインとサーバーの名義は、平常時に、短い時間で確認できます。

名義チェックの5項目

確認項目 確認する内容 自社でできる?
ドメインの登録者 自社の名前になっているか WHOISや更新案内メールで確認可能
ドメインの管理会社 どのレジストラか。ログインできるか 自社にIDとパスワードがあるか確認
サーバーの契約者 自社名義か。支払いは自社か 請求書で確認可能
登録メールアドレス 制作会社の個人アドレスになっていないか 管理画面または更新案内で確認
有効期限 いつまでか。自動更新か 管理画面または更新案内で確認

社内に1枚の台帳を作る

確認した内容は、1枚の表にまとめて社内で共有します。ドメイン名、管理会社、登録者、期限、支払い方法、ログイン情報の保管場所を書いておく形です。パスワードそのものを表に書くのは避け、保管場所だけ記しましょう。

この台帳があれば、担当者が変わっても、制作会社が変わっても、会社として慌てずに済みます。事業承継の場面でも役立ちます。引き継ぎの具体例はホームページの事業承継|後継者に渡すドメイン・サーバー等の管理情報一覧が参考になります。

制作を依頼するときに確認する3つの質問

  • ドメインとサーバーの名義は、どちらにしますか(自社名義を希望すると伝える)
  • 管理画面のログイン情報は、納品時に渡してもらえますか
  • 契約を終了するときの、データの引き渡しはどうなりますか

この3つを契約前に確認し、書面に残すだけで、数年後のリスクは大きく下がります。更新の管理についてはドメインの更新を忘れるとどうなるか、サーバー契約の見方についてはレンタルサーバーの選び方と契約確認の基本もあわせてご覧ください。

セクションのまとめ:名義・期限・保管場所を1枚の台帳にまとめ、契約前に3つの質問をすれば、予防は十分です。

担当者に渡すチェックリスト

ここからは、社長が担当者に渡すための手順です。細かい操作が含まれるため、社長ご自身は読み飛ばしていただいて構いません。

第1段階:現状把握(当日〜数日)

  • 契約書・見積書・請求書・納品書類を集め、ドメインとサーバーに関する記載に印を付ける
  • 経理にドメイン・サーバーに関する支払い履歴(クレジットカード明細、振込記録)がないか確認する
  • 自社のメールで「ドメイン」「更新」「サーバー」と検索し、更新案内を探す(迷惑メールも)
  • WHOISでドメイン名を検索し、登録者名・管理しているレジストラ・有効期限を記録する
  • ホームページの各ページを、スクリーンショットと文章の控えで保存する
  • 自社ドメインのメールが使えるか、送受信テストをする

第2段階:連絡と依頼(1〜2週間)

  • 制作会社に、前述の3点(ドメイン・サーバー・データ)を依頼するメールを送る
  • 同じ内容を、配達の記録が残る方法で郵送し、控えを保管する
  • 連絡した日時・方法・相手・結果を、表にして記録する
  • レジストラ・サーバー会社のサポートに、状況を伝えて相談する(契約者本人の確認書類を準備)
  • 有効期限が近い場合は、更新手続きの可否を契約先に確認する

第3段階:専門家と手続き

  • 記録の一式(契約書、連絡記録、名義の確認結果)を1つのフォルダにまとめる
  • 弁護士に相談するときは、そのフォルダを持参する
  • 名義変更や移管が可能になった場合、手順と費用を事前に確認してから進める
  • 新しい制作会社に依頼する場合は、名義と引き渡し条件を契約書に明記する

ポイント

担当者が迷ったときは、操作の前に社長へ「何をしようとしているか」を一言報告するルールにすると安心です。特にパスワード再発行や費用が伴う手続きは、事前の確認をおすすめします。

セクションのまとめ:チェックリストは「把握、依頼、手続き」の3段階に分けて、担当者に渡します。

やってはいけない5つのこと(NOT TO DO)

焦りから、状況を悪化させてしまうケースがあります。次の5つは避けてください。

  1. 他人名義のアカウントへの不正なログインを試みること:推測や共有情報での入力は、トラブルや法的な問題になるおそれがあります。
  2. 感情的な連絡を重ねること:大量の着信や強い口調のメッセージは、相手の対応をかえって遠ざけます。
  3. 制作会社への支払いを一方的に止めること:契約上の義務が残っている場合があります。判断前に契約書を確認してください。
  4. 名義を確認する前に、新サイトの制作を進めること:ドメインが取り戻せないと、新サイトの公開先が決まりません。
  5. ネット上の業者に、ドメインの「取り戻し」を丸ごと任せること:費用や権限の範囲が不明確な場合があります。契約前に内容を確認してください。

セクションのまとめ:焦って動くより、記録を残して確認を重ねるほうが、結果的に早く解決します。

AIを使って整理を半自動化する

書類の整理や文面の下書きは、AIが得意とする作業です。ただし、判断と最終確認は人が行う前提で使います。

作業 AIの使い方 人が行うこと
契約書の確認 契約書の文章を貼り付け、ドメイン・サーバー・データの扱いが書かれた箇所を抜き出してもらう 抜き出された箇所を、原本で必ず確認する
連絡記録の整理 メールや電話メモを時系列の表にまとめてもらう 内容に誤りがないか確認する
依頼文の下書き 前述の3点を依頼する穏やかな文面を作ってもらう 送信前に社長か担当者が読む
台帳の作成 確認結果から、名義と期限の一覧表を作ってもらう 実際の管理画面の内容と照らす

注意

契約書やパスワード、顧客情報をAIに入力する際は、社内の情報管理ルールを確認してください。パスワードそのものは入力せず、固有名詞を伏せて使うのが安全です。AIの回答は、法的な判断の代わりにはなりません。

セクションのまとめ:AIは整理と下書きに使い、契約や法的な判断は人と専門家が行います。

相談先の選び方と、その後の進め方

自社だけで解決が難しいときは、状況に合った相談先を選びます。

相談先 向いている内容
ドメイン会社(レジストラ) ログイン情報の再発行、名義変更や移管の手続き、期限の確認
サーバー会社 契約者本人確認、ログイン情報の再発行、データの取り出し方
弁護士 制作会社が応じない場合の対応、契約書の解釈、内容証明郵便、廃業・破産が絡む場合
商工会議所・商工会・よろず支援拠点 経営相談の入口として、専門家の紹介を受けられる場合がある
WEBCAN(無料診断・相談) サイトの現状把握、管理会社の特定、取り戻し後の運用の相談

弁護士への相談費用は、事務所や内容によって異なります。事前に相談料の目安を確認して、記録をそろえてから行くと、時間の節約になります。

取り戻せたあとに考えること

名義が自社に戻ったら、次は今後の運用体制です。同じことを繰り返さないために、次の3つを決めておきます。

  • ドメインとサーバーは、自社名義で管理する
  • 登録メールは、個人でなく会社の共有アドレスにする
  • 更新や保守を外部に任せる場合も、管理画面の情報は自社で持つ

制作会社の乗り換えそのものの進め方や費用は、ホームページの制作会社を変えたいときの進め方に譲ります。運用を任せる先を探す場合は、ホームページ運用代行とは?で、範囲と費用の考え方を確認できます。リニューアルを検討する場合は、ホームページリニューアルの判断基準と進め方が参考になります。

維持費の全体像はホームページの維持費はいくら?、リース契約が絡む場合はホームページのリース契約は解約できる?もあわせてご覧ください。

まず状況を整理したい方へ

ドメインやサーバーが誰の名義か分からない場合でも、公開されているサイトの状態から確認できる範囲があります。費用はかかりません。

無料のサイト診断はこちら / 電話・お問い合わせフォームで相談する

セクションのまとめ:相談先は目的で選び、取り戻した後は自社名義・共有アドレス・情報の自社保管の3点を徹底します。

よくある質問

ご相談の多い質問を、短くまとめました。

Q. 制作会社と連絡が取れません。まず何をすればいいですか。

まず、ホームページが表示されているか、自社のメールが使えるかを確認してください。次に、契約書や請求書から、ドメインとサーバーの契約先と名義、有効期限を調べます。サイトが表示されている間は、時間的な余裕があることが多いため、落ち着いて順番に進めましょう。

Q. ドメインの名義は、どうやって調べられますか。

更新案内メール、請求書やカード明細、WHOIS、制作時の契約書の4つが手がかりです。.jpドメインはJPRSのWHOIS、.comなどはICANNの登録データ検索で調べられます。個人情報保護のため登録者名が伏せられている場合もありますが、管理しているレジストラが分かることがあります。

Q. 制作会社が廃業した場合、ドメインはどうなりますか。

制作会社名義のドメインは、更新されないまま期限が過ぎると失効し、他の人が取得できる状態になる場合があります。期限がいつかを早めに確認し、期限が近ければレジストラに事情を伝えて相談してください。破産などの手続きが関わる場合は、弁護士への相談をおすすめします。

Q. 制作会社名義のドメインを、自社名義に変えられますか。

制作会社が応じてくれれば、登録者の変更や別のレジストラへの移管で自社名義にできるのが一般的です。.jpドメインの登録者変更にはJPRSの定める手続きがあり、レジストラの案内に従います。相手が応じない場合は、契約書を確認のうえ、弁護士に相談してください。

Q. ホームページのデータを、自社に引き渡してもらう権利はありますか。

サイトのデータや制作物の権利は、契約書の内容によって決まります。発注者に移る契約もあれば、制作会社に残る契約もあります。契約書の著作権や納品物に関する条文を確認し、解釈が分かれる場合は弁護士に相談してください。

Q. 今のうちに、何を確認しておけば安心ですか。

ドメインの登録者、サーバーの契約者、登録メールアドレス、有効期限、ログイン情報の保管場所の5点です。1枚の台帳にまとめて社内で共有すると、担当者や制作会社が変わっても慌てずに済みます。確認だけであれば、短時間で済むことが多いでしょう。

まとめ:連絡が取れないときは、まず名義と期限を確認する

制作会社と連絡が取れなくなっても、順番を守れば落ち着いて対処できます。

  • 最初に確認するのは、サイトの表示・メール・契約書類の3点
  • ドメインとサーバーの「名義」と「期限」を調べることが出発点
  • 名義が自社なら自力で、制作会社名義なら依頼と専門家相談で取り戻す
  • 連絡は記録を残し、感情的にならず、依頼は3点に絞る
  • 平常時に名義チェックと台帳づくりをしておけば、予防できる

社長が細かい操作をする必要はありません。判断の順番を決め、実作業は担当者や専門家に任せるのが現実的です。状況の整理に迷う場合は、無料診断または問い合わせフォームをご利用ください。

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この記事の執筆

webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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