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中小企業のホームページのアクセス数の目安|月何人なら普通か、増やす順番

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中小企業のホームページのアクセス数の目安|月何人なら普通か、増やす順番

社長が月ごとのアクセス数のグラフを見て目安を考えている様子

この記事の要点

「月に何人来れば普通か」という、全社に共通する数字はありません。業種と商圏で、適正な数字が大きく変わるためです。

社長が見る順番は、問い合わせ数、問い合わせ率、アクセス数です。アクセス数は最後に確認する数字です。

自社の目安は、自社の過去の数字と、商圏から置く試算の二つで作れます。増やす順番は「測る、受け皿を直す、見つかるようにする、足す」です。

ホームページのアクセス数を聞かれても、多いのか少ないのか、社長には判断しにくいものです。担当者から「先月は800でした」と報告を受けても、それが良いのか悪いのかが分かりません。

この記事では、中小企業の社長が「うちは少ないのか」を自分で判断するための考え方を整理します。他社の平均値を当てはめるのではなく、自社の数字で目安を作る方法をお伝えします。

GA4(グーグルが無料で出しているアクセス解析ツール)の操作手順は扱いません。数字の出し方は、ホームページのアクセス数の確認方法の記事に譲り、ここでは「見た数字をどう判断するか」に絞ります。

1. 「月何人なら普通」という共通の数字がない理由

インターネットで検索すると、「中小企業のサイトは月1,000人が目安」といった数字を見かけることがあります。しかし、出典と前提が示されていない数字は、判断の根拠にはなりません。

この記事でも、出典のない「普通は月◯人」という数字は掲げません。代わりに、なぜ共通の数字が作れないのかを先に確認します。

1-1. 商圏の大きさで、来る人の上限が決まる

たとえば、地元の三つの市だけが商圏の設備工事会社と、全国の工場が相手の部品メーカーでは、そもそも「見に来る可能性のある人」の数が違います。商圏が狭ければ、月の訪問者が数十人でも不自然ではありません。

反対に、全国の個人に向けた通販であれば、月に数千人以上が見に来なければ商売が成り立たないこともあります。同じ「月300人」でも、ある会社には十分で、別の会社には足りません。

1-2. 商品の値段と、検討にかける時間で変わる

数百円の日用品と、数百万円の設備では、買う前にホームページを見る回数も、時間も違います。高額で検討期間の長い商材ほど、見に来る人は少なくても、一人あたりの価値は大きくなります。

機械の修理や設備の入れ替えなど、年に数件の受注が会社の売上を支えている場合、月の訪問者が少なくても、問い合わせが月1件あれば十分に成立します。

1-3. ホームページの役割が会社ごとに違う

新規のお客様を探すために使う会社もあれば、すでに取引のある相手が会社を確認するためだけに使う会社もあります。採用の応募を集めるために使う会社もあります。

役割が違えば、見るべき数字も変わります。次の表で、役割ごとの「判断の軸」を整理しました。

ホームページの主な役割 最初に見る数字 アクセス数の位置づけ
新規の取引先を探す(BtoB:企業向けの商売) 見積もり・資料請求の件数 少なくてもよい。ただし相手が来ているかは確認する
地域のお客様を集める(店舗・サービス業) 電話・予約・来店の件数 地図検索や社名検索の数も合わせて見る
取引先や求職者が会社を確認する 社名での検索回数、会社概要の閲覧 多さより、必要な情報にたどり着けるかが大切
採用の応募を集める 応募件数、応募ページの閲覧 求人専用ページの訪問者数を別に見る
商品を直接販売する(通販) 注文件数、購入率 訪問者数が売上に直結しやすい。数を追う意味が大きい

ポイント

同じ「アクセス数」でも、会社の商売の形によって意味が変わります。まず自社のホームページが「何のために置いているのか」を一言で言える状態にしてください。

セクションのまとめ:共通の目安がないのは、商圏、商材、ホームページの役割が会社ごとに違うからです。他社の数字との比較は、あまり役に立ちません。

2. 社長が見る順番は「問い合わせ数」から

アクセス数は、見やすいので報告の最初に出てきがちです。しかし、社長にとって大切なのは、そこから仕事につながったかどうかです。見る順番を逆にするだけで、判断がぐっと楽になります。

訪問した人(アクセス数)月に何人か問い合わせ率100人のうち何人が連絡したか問い合わせ数月に何件来ているか受注・来店仕事になった数売上へ社長が先に見るのは右側の二つ。左側は「原因を探すとき」に見ます。問い合わせ数 = 訪問した人 × 問い合わせ率

図1:数字は右から左へ見る。足りないときだけ原因を左へたどる

2-1. 計算式はたった一つ

ホームページの成果は、次の式で表せます。

問い合わせ数 = 訪問した人の数 × 問い合わせ率

たとえば、月200人が訪問し、問い合わせ率が1%なら、問い合わせは月2件です。問い合わせを増やしたいときは、訪問者を増やすか、問い合わせ率を上げるか、どちらかになります。

問い合わせ率(CVR:訪問した人のうち、問い合わせなどの成果に至った人の割合)の考え方は、CVRとは何かの記事で詳しく説明しています。

2-2. 訪問者を2倍にするより、問い合わせ率を1.5倍にするほうが早いことがある

訪問者を2倍に増やすには、検索で見つけてもらう取り組みを数か月続ける必要があります。一方、問い合わせ先の電話番号が分かりにくい、フォームの入力項目が多い、といった点は、数日で直せることが少なくありません。

すでにある程度の訪問者がいる会社では、先に受け皿を直したほうが、費用も手間も小さく済みます。訪問者が数十人しかいない段階では、逆に、見つけてもらう取り組みから始める必要があります。この見極めが、次章以降の中心になります。

状況 先にやること 理由
訪問者は多いが、問い合わせが少ない 問い合わせ先の見直し(受け皿) 来た人を取りこぼしているため。訪問者を増やしても無駄が増えるだけ
訪問者が少なく、来た人は問い合わせている 見つけてもらう取り組み 受け皿は機能している。入口を広げる段階
訪問者も少なく、問い合わせもない 測れる状態にしてから、受け皿→入口の順 どちらが原因か、まだ分からないため
訪問者は少ないが、問い合わせで足りている 今のまま。月1回の確認だけ 目的が達成されている。無理に増やす必要はない

セクションのまとめ:社長は「問い合わせ数→問い合わせ率→アクセス数」の順に見ます。アクセス数は、原因を探すときの数字です。

3. 自社の目安を作る三つの方法

共通の数字がないなら、自社用の目安を作るしかありません。難しい分析は不要です。次の三つを組み合わせると、社長が判断できる材料になります。

方法 必要なもの 分かること 向いている会社
① 自社の過去と比べる 過去6か月〜1年の月別の数字 良くなっているか、悪くなっているか すでにアクセス解析が入っている会社
② 商圏から試算する 商圏の対象数、仮の割合(自分で置く) おおよその上限と、現状との差 解析が未導入の会社、新規サイト
③ 問い合わせ数から逆算する 目標の問い合わせ数、現在の問い合わせ率 いま必要な訪問者の数 問い合わせ数の目標がある会社

3-1. 方法① 自社の過去と比べる(いちばん確実)

最も信頼できる目安は、自社の過去の数字です。毎月同じ方法で数えていれば、増えたか減ったかがはっきり分かります。他社との比較と違い、前提が同じだからです。

見るのは、月ごとの訪問した人の数と、問い合わせ数の二つだけで十分です。半年分を並べ、前の年の同じ月とも比べます。季節で動く業種では、前月より前年同月との比較が正確です。

ポイント

過去の数字がない場合は、今月から記録を始めてください。今月の数字が、来月以降の「自社の基準」になります。始めた日が、いちばん早い日です。

3-2. 方法② 商圏から試算する(前提を明示した計算)

解析を入れていない会社や、新しく作るサイトでは、商圏から大まかな上限を計算できます。ただし、割合は誰かが測った数字ではなく、自分で置く仮の数字です。この点をはっきり意識してください。

次は、架空の例です。地域の事業所を相手にする、従業員30名の設備工事会社を想定しています。数字はすべて説明のための仮定で、実在の会社の実績ではありません。

手順 仮の置き方 計算結果
A. 商圏にある対象の事業所数 市内と隣接する市で、自社の仕事を発注しそうな事業所を3,000社と仮定 3,000社
B. 1年間に発注先を探す割合 10%〜20%と仮定(数字は自社の感覚で置き換える) 300〜600社/年
C. その中で自社サイトまで来る割合 20%〜30%と仮定(検索で見つかる、紹介で社名を調べるなど) 60〜180社/年
D. 月あたりに直す C を12で割る 月5〜15社
E. 紹介・名刺・取引先の確認で見に来る人 月10〜30人と仮定(社名を検索して来る人) 月10〜30人
合計の目安 D と E を足す 月15〜45人程度

商圏の対象3,000社(仮)探す人 10〜20%300〜600社(仮)サイトへ 20〜30%60〜180社/年月に直すと月5〜15社+ 紹介・名刺・社名検索で来る人(仮に月10〜30人)= 合計の目安は「月15〜45人」。数百人ではない数字はすべて説明用の仮定。自社の商圏と実感で置き換えて使う置き換えた結果が、自社だけの目安になる

図2:試算の流れ(架空の設備工事会社の例。数字はすべて仮定)

この試算から分かるのは、地域の事業所を相手にする会社では、月に数百人の訪問者を目指すこと自体が現実的でない場合がある、という点です。月に15〜45人でも、その大半が発注を考えている人なら、十分に意味があります。

注意

試算の割合(10〜20%、20〜30%など)は、説明のために置いた仮の数字です。実際の数字は会社ごとに違います。必ず自社の実感で置き換え、結果は「おおよその桁」を知るために使ってください。

3-3. 方法③ 問い合わせ数から逆算する

もう一つは、欲しい問い合わせ数から、必要な訪問者の数を逆算する方法です。計算式は「必要な訪問者数 = 欲しい問い合わせ数 ÷ 問い合わせ率」です。

次の表は、月1件の問い合わせを得るために必要な訪問者の数を、問い合わせ率ごとに計算したものです。率はあくまで計算上の仮定です。

問い合わせ率(仮定) 月1件に必要な訪問者 月3件に必要な訪問者 考え方
0.5% 200人 600人 受け皿が弱い、または広く浅く来ている状態を想定
1% 100人 300人 計算しやすい中間の値として置いた仮定
2% 50人 150人 問い合わせ先が分かりやすく整っている状態を想定
3% 約34人 100人 相手が絞り込まれていて、目的が明確な訪問者が多い状態を想定

同じ月1件でも、問い合わせ率が0.5%なら200人、2%なら50人で足ります。つまり、受け皿が整えば、必要な訪問者は4分の1で済みます。これが、問い合わせ率を先に見る理由です。

自社の現在の問い合わせ率は、「先月の問い合わせ数 ÷ 先月の訪問者数」で求められます。たとえば、訪問者120人で問い合わせ1件なら、約0.8%です。

セクションのまとめ:目安は、過去の自社、商圏からの試算、問い合わせ数からの逆算の三つで作れます。割合は仮定であることを忘れず、自社の実感で置き換えます。

4. 数字を見るときの落とし穴|読み違えを防ぐ

目安を作る前に、数字そのものの読み違いを避ける必要があります。ここでの内容は、社長ご自身が操作するためではなく、担当者や制作会社に確認する際の「質問のポイント」です。

4-1. 「ユーザー数」と「訪問回数」は別の数字

GA4では、同じ人が3回来れば、訪問回数(セッション)は3、人数(ユーザー数)は1と数えます。報告の数字がどちらなのかで、見え方が大きく変わります。

目安を作るときは、どちらか一方に決めて、毎月同じものを使ってください。本記事では「訪問した人の数=ユーザー数」を基本とします。

4-2. 自社の社員や制作会社のアクセスが混ざっている

社員が仕事中に自社サイトを何度も見ると、それも訪問として数えられます。従業員が数十名の会社では、無視できない量になることがあります。担当者に「社内のアクセスは除いてありますか」と確認してください。

4-3. 自動プログラムによるアクセスが混ざることがある

人ではなく、機械が巡回して来るアクセスも存在します。多くは自動で除外されますが、完全ではありません。ある月だけ急に増えて、問い合わせが全く増えていないときは、機械のアクセスを疑ってみてください。

4-4. 期間と数え方をそろえる

「先月」と「直近30日」、「4週間」では、数字が変わります。報告書の見方は、毎月同じ形に固定してください。比べるための数字は、数え方が同じであることが最低条件です。

確認すること 担当者への聞き方 よくある勘違い
人数か、訪問回数か 「この数字は人数ですか、回数ですか」 回数を人数だと思って報告を受けている
社内アクセスの除外 「社員のアクセスは除いてありますか」 社員の閲覧で数字が膨らんでいる
期間の取り方 「毎月、同じ期間で出していますか」 月ごとに集計期間がばらばら
問い合わせの数え方 「電話・メール・フォームを合算していますか」 フォームだけ数えて電話が漏れている
急な増減 「この月の増減の理由は何ですか」 理由を確認せず、良し悪しを判断してしまう

操作そのものは、アクセス数の確認方法に手順があります。担当者に渡して、その通りに数字を出してもらうのが安全です。

セクションのまとめ:数字を見る前に、人数か回数か、社内アクセスは除いたか、期間は同じか、を担当者に確認します。

5. 「少ない」と感じたときの切り分け

目安を作った結果、「やはり少ない」と感じることもあるでしょう。その場合は、原因を一つずつ切り分けます。慌てて広告や作り直しに進む前に、次の三つのどれかを確認してください。

月の訪問者数と、問い合わせ数を見るA 訪問者が少ない見つけてもらう取り組みが先→ 第6章の③④へB 訪問者は居るが問い合わせが少ない受け皿の見直しが先→ 第6章の②へC 少なくても問い合わせは足りている今のまま維持→ 月1回の確認だけ

図3:訪問者数と問い合わせ数で、次の一手が変わる

5-1. 訪問者が少ない場合に疑うこと

  • 自社の社名で検索したとき、公式サイトが一番上に出るか(出なければ、基本の設定に課題がある可能性があります)
  • 主力のサービス名と地域名で検索したとき、自社が見つかるか
  • 会社の主力サービスについて、説明するページが存在するか(トップページだけで済ませていないか)
  • ホームページのアドレスが、名刺、封筒、見積書、メールの署名に載っているか

とくに、社名で検索しても見つからない場合は、集客以前の問題です。サーチコンソールの使い方の記事にある確認方法で、担当者に状態を調べてもらってください。

5-2. 訪問者は居るが問い合わせが少ない場合に疑うこと

  • 電話番号や問い合わせボタンが、スマートフォンの画面で、すぐ見つかるか
  • フォームの入力項目が多すぎないか(まずは名前、連絡先、相談内容の3つで足りることが多いです)
  • 料金や納期の目安がまったく書かれておらず、問い合わせるのをためらう内容になっていないか
  • 「誰の、どんな困りごとに応えるか」が、最初の画面で伝わるか

これらの確認は、ホームページから問い合わせが来ない会社が見直す5つの点に、社長が確認できる順番でまとめています。

5-3. 少なくても心配しなくてよい場合

月の訪問者が少なくても、問い合わせ数が目標を満たし、受注の質も十分なら、そのままで問題ありません。ホームページの目的は、アクセス数を誇ることではなく、仕事につなげることです。

一方で、特定の取引先や紹介に依存している会社では、念のため「新しい入口」を少しずつ作っておくと安心です。急ぐ必要はなく、半年から1年かけて整えれば十分です。

セクションのまとめ:訪問者が少ないのか、受け皿が弱いのか、足りているのか。三つのどれかを先に決めてから、次の手を選びます。

6. アクセス数を増やす順番|五つの段階

訪問者を増やすことを決めたら、次の順番で進めます。順番を飛ばすと、費用をかけても効果が見えにくくなります。

① 測る数字を毎月記録する② 受け皿問い合わせ先を分かりやすく③ 見つかる社名・主力サービス名で見つかる状態④ 足す強み・事例・よくある質問のページを増やす⑤ 入口を足す地図、紹介、SNS、広告など他の入口段を飛ばさず、下から順に上がる費用も手間も、右へ行くほど大きくなる

図4:増やす順番は、測る→受け皿→見つかる→足す→入口を広げる

6-1. 第1段階:測れる状態にする

最初にやることは、数字を毎月同じ形で見られる状態にすることです。GA4(アクセス解析)とサーチコンソール(グーグルでの表示状況を見る無料ツール)が入っているかを、担当者に確認してください。

設定の手順は担当者向けです。社長は、「毎月の報告に、訪問した人の数、問い合わせ数、問い合わせ率の3つを入れてください」と依頼するだけで足ります。所要時間は、担当者で月1時間前後、社長が見るのは5分程度です。

6-2. 第2段階:受け皿を整える

訪問者を増やす前に、来た人が連絡できる状態にします。具体的には、すべてのページに電話番号と問い合わせボタンを置き、フォームの入力項目を減らし、返信の目安日数を書きます。

この作業は、見直しとして半日から数日で終わることが多く、費用も小さく済みます。しかも、問い合わせ率が上がれば、同じ訪問者数でも成果が増えます。もっとも費用対効果が高い段階です。

6-3. 第3段階:社名と主力サービス名で見つかるようにする

お客様は、紹介された会社の名前を検索して確認します。また、地域名とサービス名を組み合わせて探す人もいます。まずは、この二つで自社が見つかる状態を作ります。

  • 社名で検索して、公式サイトが先頭に出る
  • Googleマップに載るための登録(Googleビジネスプロフィール)が最新になっている
  • ページの題名(タイトル)に、サービス名と地域名が入っている
  • 会社概要に、住所、電話番号、対応エリアが明記されている

6-4. 第4段階:強みや事例を説明するページを足す

主力サービスごとに、1ページずつ説明を用意します。お客様が実際に悩む言葉、たとえば「見積もりの目安」「納期はどのくらいか」「どんな会社が頼んでいるか」に答える内容です。

一度に多くを作る必要はありません。月に1ページ、半年で6ページを目安に積み上げれば、検索で見つかる入口が増えます。更新の考え方は、ホームページの更新頻度の目安の記事が参考になります。

6-5. 第5段階:他の入口を足す

ここまで整えたら、初めて広告や外部の入口を検討します。広告は、受け皿が整っていないと、お金だけが減っていきます。まずは、紹介の頼み方を整え、次に地図検索を強め、最後に広告を試す順がおすすめです。

段階 中身 社内の手間の目安 変化が見え始める時期の目安
① 測る アクセス解析の確認、毎月の記録 担当者で月1時間前後 翌月から記録が貯まる
② 受け皿 電話・ボタン・フォームの見直し 数日〜2週間の作業 数週間〜1か月で問い合わせ率に出ることがある
③ 見つかる 社名検索、地図登録、タイトル見直し 数日〜1か月の作業 1〜3か月で検索結果に反映されることが多い
④ 足す 強み・事例・質問のページ追加 月1ページを半年 3〜6か月ほどかけて訪問者が増え始める
⑤ 入口を足す 紹介、地図、SNS、広告など 選ぶものにより大きく異なる 種類によりさまざま。小さく試して判断する

注意

表の期間は、一般的な作業の進み方に沿った目安で、効果を保証するものではありません。検索結果への反映には時間がかかるため、数週間で結論を出さないようにしてください。

セクションのまとめ:増やす順番は、測る、受け皿、見つかる、足す、入口を広げる、です。費用対効果が高い受け皿から始めます。

7. 社長の判断軸|任せる・今やる・やってはいけない

作業が多く見えても、社長がやることは限られています。決めるべきことと、任せてよいことを分けると、動かしやすくなります。

7-1. 自社でやること/任せること

作業 自社(社内)でやる 外部に任せる 判断のポイント
毎月の数字を見る 社長が5分、担当者が記録 ― 社長が見ることに意味がある
目標の問い合わせ数を決める 社長が決める ― 他人には決められない
アクセス解析の設定 ― 制作会社や専門家 一度だけの作業。社内で覚える必要はない
問い合わせ先・フォームの見直し 担当者でも可能 制作会社に依頼してもよい 画面の修正が自社でできるかで決める
主力サービスの説明ページの文章 社内(現場の言葉が活きる) AIや編集者に整えてもらう 内容は社内、体裁は外部が向く
検索で見つかるための技術的な調整 ― 専門家 社内の負担が大きい割に、成果の差が出にくい
広告の運用 ― 専門家(小さく試す) 最初は小さな予算で試し、判断する

7-2. 今やること/後でよいこと

今やる 後でよい
毎月の数字を記録する(訪問者、問い合わせ数、問い合わせ率) 訪問者を毎月一定数増やすという目標設定
電話番号・問い合わせボタンの見直し 細かい数値の分析(ページごとの滞在時間など)
社名検索で公式サイトが出るかの確認 大規模なホームページの作り直し
Googleビジネスプロフィールの情報更新 SNSや動画への新規参入
主力サービスの説明ページを1つ足す 有料のアクセス解析ツールの導入

7-3. やってはいけないこと(NOT TO DO)

アクセス数を気にするあまり、かえって損をする行動があります。次の5つは、落ち着いて避けてください。

  1. 他社の平均値と比べて落ち込むこと。出典の分からない平均値は、判断材料になりません。
  2. アクセス数を増やすだけの契約を、内容を聞かずに結ぶこと。「訪問者が増える」とだけ言う提案では、問い合わせにつながるとは限りません。
  3. 関係のない話題の記事を大量に作ること。数字は増えても、取引につながる人は増えません。
  4. 受け皿を直さずに、広告を出すこと。費用が出ていくだけで、成果が見えにくくなります。
  5. 数週間で結論を出して、方針を毎月変えること。検索の結果が変わるには時間がかかります。最低でも3か月は、同じ方針で見てください。

セクションのまとめ:社長は、目標を決めて数字を見る役割です。作業は任せ、受け皿から先に手を付け、不確かな提案は急いで契約しません。

8. AIを「半自動化の道具」として使う

毎月の数字の確認は、AIを使うと手間が減ります。ただし、判断を任せるものではありません。AIは整理と下書きに使い、決めるのは社長です。

8-1. AIに任せてよいこと

  • 半年分の月別の数字(訪問者数、問い合わせ数)を渡し、増減の傾向を文章でまとめてもらう
  • 「問い合わせ率が低い原因として考えられる点」を、候補として挙げてもらう
  • 主力サービスの説明ページの文章を、担当者が書いた箇条書きから整える
  • 社長への月次報告を、3行にまとめ直す

8-2. AIに任せてはいけないこと

  • お客様の氏名、連絡先、問い合わせの本文など、個人情報を含む内容をそのまま貼ること
  • 「うちのアクセスは多いか少ないか」を、AIに断定させること(業種と商圏の事情は、AIには分かりません)
  • 事実確認をせず、AIが出した数字をそのまま報告書に載せること

ポイント

AIに数字の整理を頼むときは、「社名や個人名を含めない、数字だけの表」を渡します。出てきた回答は、必ず担当者が元の数字と照らして確認してください。

セクションのまとめ:AIは、数字の整理と文章の下書きに使います。個人情報は渡さず、最終判断は社長と担当者が行います。

9. 架空の事例で考える|目安の使い方

ここでは、実在しない会社を例に、目安の使い方を示します。社名、数字、状況はすべて説明のための創作です。

9-1. 事例A:訪問者は少ないが、問い合わせで足りている会社

従業員35名の、架空の「機械部品の加工会社」です。月の訪問者は40人前後で、問い合わせは月1〜2件。社長は「周りの会社は何百人も来ているらしい」と気にしていました。

そこで、問い合わせ数の目標(月1件以上)と、実際の数字を並べました。目標は達成できており、問い合わせから見積もりに進む割合も十分でした。この会社の判断は「今のまま。月1回の確認だけ」です。

ただし、特定の1社からの紹介に問い合わせが偏っていたため、社名で検索して公式サイトが出るか、会社概要の情報が最新かを確認する作業だけを追加しました。

9-2. 事例B:訪問者は居るが、問い合わせが少ない会社

従業員60名の、架空の「地域密着の住宅リフォーム会社」です。月の訪問者は約400人、問い合わせは月1件。問い合わせ率は約0.25%で、前年と比べても横ばいでした。

担当者がスマートフォンで自社サイトを開いたところ、電話番号が画面の下のほうにしかなく、フォームの入力項目も12個ありました。そこで、画面の上部に電話ボタンを置き、フォームを4項目に減らしました。

その後の数か月で、訪問者数はほぼ同じなのに、問い合わせは月2〜3件に増えた、という想定です。訪問者を増やす前に受け皿を直す効果が、数字で確認できる例です。

9-3. 事例C:訪問者も問い合わせも少ない会社

従業員15名の、架空の「地域の設備メンテナンス会社」です。ホームページは10年前に作ったままで、アクセス解析も入っていませんでした。

この会社が最初にやったのは、解析の設置と、社名検索の確認だけです。半年かけて記録を貯めたところ、社名での訪問は毎月あるものの、主力サービスの説明が1ページもないことが分かりました。

そこで第4段階の「足す」に進み、月1ページのペースで主力サービスの説明を追加しました。数か月で結論を出さず、半年ごとに見直す方針にしています。

事例 最初の状態 先に選んだ段階 社長の判断
A 機械部品の加工会社(架空) 訪問者は少ないが問い合わせは足りている 維持と、社名検索の確認だけ 今のまま。月1回の確認
B 住宅リフォーム会社(架空) 訪問者は居るが問い合わせ率が低い ②受け皿の見直し 広告や記事の追加は後回し
C 設備メンテナンス会社(架空) 解析なし、説明ページなし ①測る→④足す 半年ごとに見直す

セクションのまとめ:同じ「アクセスが少ない」でも、会社によって先にやることは違います。自社の数字で、どの段階にいるかを判断します。

10. 外部に頼むときの確認ポイント

アクセス数や集客について、制作会社や支援会社に相談するときは、次の点を確認してください。費用は会社により幅があるため、金額そのものより「内訳と成果の定義」を比べます。

確認すること 良い回答の例 注意したい回答の例
成果をどう測るか 問い合わせ数・問い合わせ率を毎月報告する 「アクセスが増えます」とだけ説明する
最初にやることは何か 現状の数字を確認し、受け皿から見直す いきなり大量の記事作成や広告を提案する
期間の見込み 3〜6か月を一区切りに、途中で見直す 数週間で結果が出ると断言する
費用の内訳 作業ごとの内訳と、解約条件が書かれている 「一式」の金額だけで、内訳が出ない
社内の負担 社長と担当者が何をいつやるかが明確 「お任せください」だけで、確認の機会がない
数字の見せ方 自社の過去と比べて説明する 他社の平均値だけで良し悪しを語る

見積もりは、できれば2社から取り、同じ表の形に並べて比べると、違いが分かりやすくなります。複数社を比べる際の考え方は、ホームページで集客する方法も参考になります。

ポイント

相談した結果「今は何もしなくてよい」と言ってくれる会社は、信頼しやすい相手です。必要のない作業を勧めない姿勢があるかどうかも、選ぶ基準にしてください。

セクションのまとめ:外部に頼むときは、成果の測り方、最初にやること、期間、費用の内訳、社内の負担を確認します。

11. 担当者に渡すチェックリスト

この章は、社長から担当者へそのまま渡すためのものです。操作の細かい手順は、アクセス数の確認方法の記事を併せてお渡しください。

11-1. 初回(最初の1か月)にやること

  • ☐ GA4(アクセス解析)が、ホームページに設置されているかを確認する
  • ☐ サーチコンソール(グーグルでの表示状況)に登録されているかを確認する
  • ☐ 過去6か月〜1年の、月別の訪問した人の数をさかのぼって記録する(取れる範囲で)
  • ☐ 過去の月別の問い合わせ数(フォーム、電話、メール)を集める
  • ☐ 社内からのアクセスが除外されているかを確認する
  • ☐ 自社の社名で検索し、公式サイトが先頭に出るかを確認する
  • ☐ 主力サービス名+地域名で検索し、自社が出るかを記録する
  • ☐ スマートフォンで自社サイトを開き、電話番号と問い合わせボタンがすぐ見つかるかを確認する

11-2. 毎月(社長への報告)に出すもの

項目 記録する内容 社長が見るポイント
訪問した人の数 先月の人数(毎月同じ数え方) 前年同月・前月との増減
問い合わせ数 フォーム、電話、メールを合算 目標に届いたか
問い合わせ率 問い合わせ数 ÷ 訪問した人の数 先月と比べて上がったか下がったか
社名検索の状況 社名で検索して公式サイトが出たか 出なくなったら、すぐ担当者に確認
やったこと 先月に直した点、追加したページ 次月にやることは1〜2個に絞る
気になる点 急な増減があれば理由を一言 理由が不明なら、原因を調べる指示を出す

11-3. 3か月ごとに見直すこと

  • ☐ 問い合わせ率は、3か月前と比べてどう変わったか
  • ☐ 訪問者数が増えたページ、減ったページは、どれか
  • ☐ 問い合わせの内容は、狙っているお客様のものか(関係のない相談が多くないか)
  • ☐ 説明ページを何ページ追加できたか、次の3か月で何ページ足すか
  • ☐ 外部に頼んでいる作業があれば、成果の報告が毎月届いているか

注意

チェックリストは、一度に全部やる必要はありません。初回は「確認」だけに絞り、できた項目から順に進めてください。担当者の負担が増えすぎると、続かなくなります。

セクションのまとめ:担当者には、初回の確認、毎月の報告、3か月ごとの見直しの三つを渡します。続けられる量に絞ることが、いちばん大切です。

12. よくある質問(FAQ)

社長からよくいただく疑問を、Q&Aの形でまとめました。

Q. 中小企業のホームページは、月に何人来れば普通ですか。

A. 全社に共通する「普通」の人数は決められません。商圏の広さ、商材の値段、ホームページの役割で、適正な数字が変わるためです。まずは自社の過去の数字と比べ、問い合わせ数が目標に届いているかで判断してください。

Q. アクセス数が少なくても、問題ないことはありますか。

A. あります。月の訪問者が少なくても、問い合わせ数と受注が目標を満たしているなら、そのままで構いません。地域や業界が限られる会社ほど、訪問者の数より、来た人が問い合わせてくれるかが重要です。

Q. 問い合わせ率は、どのくらいあれば良いのですか。

A. 業種や商材によって変わるため、一律の数字は示せません。大切なのは、自社の過去の数字と比べて上がっているかです。電話番号の位置やフォームの項目数を直すだけで、率が変わることがあります。

Q. アクセス数を増やすには、まず何をすればよいですか。

A. 最初に、毎月の数字を記録できる状態にします。次に、問い合わせ先を分かりやすく整え、社名や主力サービス名で見つかるようにします。広告や記事の追加は、その後で検討するのが無理のない順番です。

Q. アクセス数の確認は、自分でやるべきですか、担当者に任せてよいですか。

A. 数字の記録は担当者に任せて構いません。社長は、毎月5分程度、問い合わせ数と問い合わせ率を見て、目標との差を判断する役割に絞るのがおすすめです。具体的な確認手順は、別記事にまとめています。

Q. アクセス数を増やす費用の目安を教えてください。

A. 取り組む内容により大きく幅が出るため、一つの金額は示せません。受け皿の見直しは社内でも対応できることが多く、広告や外部の運用代行は内容次第で差があります。複数社から内訳つきの見積もりを取って比べてください。

セクションのまとめ:共通の目安はなく、自社の過去と問い合わせ数で判断します。まずは数字を毎月記録するところから始めます。

13. まとめ|社長が今日決めること

ここまでの内容を、社長が決めることに絞って整理します。難しい作業は、担当者や外部の専門家に任せて構いません。

  1. 見る数字を決める:訪問した人の数、問い合わせ数、問い合わせ率の三つを、毎月見ると決めます。
  2. 目標を決める:月の問い合わせ数の目標を、社長が決めます。
  3. 自社の基準を作る:過去の数字を並べ、商圏から試算し、おおよその目安を作ります。
  4. 順番を守る:測る、受け皿、見つかる、足す、入口を広げる、の順に進めます。
  5. やってはいけないことを避ける:他社の平均値との比較や、中身を聞かない契約は、急がず見送ります。

ホームページのアクセス数は、会社の健康診断の一つの数字にすぎません。数字に一喜一憂せず、問い合わせという「結果」から逆にたどる習慣をつけると、判断が落ち着いたものになります。

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「うちのアクセスは多いのか、少ないのか」「何から手を付ければよいのか」といったご相談を、無料で承っています。現在の数字を一緒に見ながら、今やること、後でよいこと、任せることを整理します。

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この記事の執筆者

webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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