Search Console / アナリティクス2026.08.20

離脱率とは?直帰率との違いとGA4での見方・改善の考え方をわかりやすく解説


この記事の要点

離脱率とは、あるページを最後に閲覧してサイトを離れた割合を示す指標です。特定ページの「そのページで見るのをやめた人の割合」を表し、サイト全体を1ページだけ見て離れた割合を示す直帰率とは意味が異なります。離脱率は、GA4のレポートやファネル分析、ECのカゴ落ち率などから確認でき、どのページ・どの手順で人が離れているかを突き止める手がかりになります。ただし、離脱率が高い=一律に悪いとは限りません。購入完了ページやサンクスページの離脱は自然な現象だからです。本記事では、離脱率の定義と計算式、直帰率との違い、見る場所、よくある離脱ポイントと原因、そして「どこから直すか」の考え方までを、順を追って整理します。

Webサイトやネットショップの数字を見ていると、必ずといってよいほど登場するのが「離脱率」という言葉です。アクセス解析ツールを開けば、ページごとの離脱率が並んでいて、数字が高いページを見ると不安になる方も多いのではないでしょうか。しかし、離脱率という指標は、意味を正しく理解しないまま眺めていても、改善のヒントにはつながりにくいものです。

離脱率は「人がどこでサイトを去っているか」を教えてくれる、いわば道案内のような数字です。ところが、直帰率とよく混同されたり、「高い=悪い」と短絡的にとらえられたりして、本来の使い方から外れてしまうことが少なくありません。とくに人手の限られた中小企業やネットショップでは、限られた時間をどのページの改善に使うかの判断が、成果を大きく左右します。

この記事では、離脱率とは何かという基本から、計算式、直帰率との違い、GA4やファネル・カゴ落ちでの見方、よくある離脱ポイントと原因、そして改善の考え方までを、実務で使える粒度で整理します。読み終えたときに「自分のサイトのどの数字を、どう見て、何から手をつければよいか」がはっきりする状態を目指します。

離脱率とは何か:定義と計算式

まずは言葉の定義を正確に押さえます。ここがあいまいなまま先に進むと、数字の解釈を誤りやすくなります。

離脱率の計算イメージあるページを見た1,000ページ閲覧(PV)のうちそこで離れた300→ 離脱率 30%離脱率=そのページを最後にサイトを離れた数 ÷ そのページの閲覧数

離脱率の定義

離脱率とは、あるページが閲覧されたうち、そのページを最後にしてサイトから離れていった割合を指します。たとえば商品ページが1,000回見られ、そのうち300回はそのページを最後にブラウザを閉じたりサイトを去ったりしていた場合、そのページの離脱率は30%となります。「ページ単位」で計測される点が、離脱率の大きな特徴と言えるでしょう。

言い換えれば、離脱率は「そのページが、ユーザーの旅の終着点になった頻度」を表しています。人はどこかのページで必ずサイトを離れるため、離脱そのものは避けられません。問題は、本来もっと先へ進んでほしかったページで多くの人が離れているかどうか、という点にあります。

離脱率の計算式

離脱率の計算式は、次のようにシンプルです。分母はそのページの閲覧回数、分子はそのページで離脱したセッション数になります。

  • 離脱率=(そのページを最後にサイトを離れた回数)÷(そのページが閲覧された回数)× 100
  • 分母:ページビュー数(そのページが表示された回数)
  • 分子:そのページが「最後の閲覧」になったセッションの数

ここで注意したいのは、離脱率はページ単位で計算されるため、同じサイトの中でもページごとに大きく異なるという点です。たとえば購入完了ページの離脱率は高くて当然ですし、逆にトップページの離脱率が極端に高い場合は、期待した情報にたどり着けていない可能性があります。数字そのものよりも、「そのページが担う役割に対して、その離脱率が自然か不自然か」を見ることが大切だと言えるでしょう。

離脱率の平均値に絶対的な基準はない

「離脱率の平均は何%ですか」という質問はよく聞かれますが、業種・ページ種別・流入経路によって適正値は大きく変わるため、万能の基準値は存在しません。40%を切れば良い、というような単純な線引きは、かえって判断を誤らせます。目安として使うのであれば、同じサイト内でのページ間比較や、過去の自サイトとの時系列比較のほうが、はるかに実務的な示唆を得られます。

セクションのまとめ:離脱率は「そのページを最後にサイトを離れた割合」を示すページ単位の指標で、絶対的な良し悪しではなく、ページの役割に照らして自然かどうかで判断します。

離脱率と直帰率の違い

離脱率とセットで語られるのが「直帰率」です。この2つは似ているようで、測っているものが根本的に異なります。混同すると分析の方向を誤るため、ここでしっかり区別しておきます。

直帰率と離脱率の違い直帰率A→ 離脱最初の1ページだけ見てそのまま離れた割合対象:訪問の入口(1ページ完結)離脱率A→B→ 離脱何ページか見たあとそのページを最後に離れた割合対象:各ページ(出口ごと)

直帰率は「入口」、離脱率は「出口」を見る

直帰率とは、サイトに訪問したユーザーが、最初に見た1ページだけを見て、他のページに進まずにそのまま離れた割合を指します。つまり直帰率は「入口」に着目した指標です。ランディングページや記事ページなど、訪問の起点になるページの評価に向いています。

一方の離脱率は、そのページが何ページ目に見られたかを問わず、「そのページを最後にサイトを離れた割合」を測ります。つまり離脱率は「出口」に着目した指標です。ユーザーがサイト内を回遊した末に、どのページでサイトを去っているのかを把握するのに向いています。この「入口を見るか、出口を見るか」という視点の違いが、2つの指標のもっとも本質的な差だと言えるでしょう。

直帰は必ず離脱だが、離脱は必ずしも直帰ではない

両者の関係を整理すると、直帰はすべて離脱に含まれます。1ページだけ見て離れた人は、そのページが「最後のページ」でもあるからです。しかし離脱の中には、複数ページを見た末に離れた人も含まれるため、離脱は必ずしも直帰ではありません。この包含関係を頭に入れておくと、数字を見たときの解釈がぶれにくくなります。

観点 直帰率 離脱率
測る対象 セッションの「入口」 各ページの「出口」
分母 そのページから始まったセッション数 そのページのページビュー数
条件 1ページだけ見て離脱 何ページ目かは問わない
向いている用途 流入ページ・LPの評価 動線・購入フローの弱点発見
包含関係 離脱の一部(1ページ完結型) 直帰を含むより広い概念

GA4では「直帰率」の定義が変わっている点にも注意

補足として、GA4(Googleアナリティクス4)では、直帰率の定義が旧来のUA(ユニバーサルアナリティクス)と異なります。GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」として定義され、エンゲージメント率の裏返しの数値になっています。10秒以上の滞在やコンバージョン、2ページ以上の閲覧などがあると「エンゲージメントあり」と判定されるため、単純に1ページで離れた割合とは一致しません。用語の意味が世代によって違う点は、混乱の元になりやすいので押さえておきたいところです。

セクションのまとめ:直帰率は「入口」、離脱率は「出口」を見る指標で、直帰は離脱に含まれます。ページ評価には直帰率、動線の弱点探しには離脱率が向いています。

どこで離脱を見るか:GA4・ファネル・カゴ落ち

離脱率を実務で使うには、「どのツールのどこを見るか」を知っておく必要があります。ここでは代表的な3つの見方を紹介します。

購入ファネルと離脱ポイント商品ページ閲覧 10,000↓ 60%離脱カートに追加 4,000↓ 40%離脱カート画面 2,400↓ 50%離脱情報入力 1,200↓ 25%離脱購入完了 900CVR 9%

GA4のレポートで見る

もっとも基本になるのがGA4です。GA4では「離脱率」という名前の標準指標は前面に出ていませんが、探索(データ探索)レポートを使えば、ページごとの離脱数やエンゲージメントの状況を確認できます。「ページとスクリーン」のレポートで、表示回数・平均エンゲージメント時間・イベント数などを見比べると、どのページで人の関心が切れているかがつかめます。

とくに見てほしいのは、コンバージョンに近いページの動きです。カートページや申し込みフォームなど、あと一歩で成果につながるページで多くの人が離れているなら、そこが改善の最有力候補になります。GA4の設定や基本的な見方に不安がある場合は、まずデータが正しく計測されているかの確認から始めるとよいでしょう。計測環境の整え方については、サーチコンソールの使い方の記事もあわせて参考にできます。

ファネル分析で「どの手順で」離れるかを見る

離脱を「点」ではなく「流れ」でとらえるのがファネル分析です。上の図のように、商品ページ→カート追加→カート画面→情報入力→購入完了、という一連の手順を並べ、各段階で何人が次に進み、何人が離れたかを可視化します。GA4の探索機能には「目標到達プロセスデータ探索(ファネルデータ探索)」があり、手順を定義すれば段階ごとの通過率と離脱率を一目で確認できます。

ファネルで見ると、「どのページの離脱率が高いか」だけでなく「どの手順の乗り換えで人が最も減っているか」がわかります。たとえばカート追加からカート画面への移動で40%が離れているなら、送料表示や在庫表示など、カート周りの体験に課題がある可能性が高いと考えられます。改善のインパクトが大きい箇所を見つけるうえで、ファネル分析は非常に有効な手段だと言えるでしょう。

ECならカゴ落ち率も重要

ネットショップの場合、「カゴ落ち(カート放棄)」という言葉で離脱が語られることが多くあります。カゴ落ち率とは、カートに商品を入れたのに購入を完了しなかった割合のことです。一般に、カートに入れた人のうち相当数が購入まで至らないと言われており、ここは売上に直結する重要な離脱ポイントになります。

カゴ落ちが起きる典型的な原因には、想定外の送料や手数料、会員登録の強制、決済手段の少なさ、入力項目の多さなどがあります。カゴ落ちを減らす取り組みは、新規集客を増やすよりも費用対効果が高くなりやすいため、EC担当者にとっては優先的に見るべき数字の一つです。売上をどの要素に分解して考えるかについては、ECの売上をKPIツリーで分解する記事も参考になります。

セクションのまとめ:離脱はGA4のページ別レポート、ファネル分析、ECならカゴ落ち率という3つの角度で見ます。とくにファネルで「どの手順で減るか」を掴むと改善箇所が明確になります。

よくある離脱ポイントと原因

実際のサイトで離脱が起きやすい場所には、ある程度の共通パターンがあります。自社サイトを点検する際のチェック観点として活用してください。

離脱が起きやすい5つのポイントCHECK LIST表示が遅い・重い開くのに数秒かかると、読む前に離れられる知りたい情報が見つからない価格・送料・仕様など判断材料が不足次に進む導線がない読み終えても、次の行動ボタンが見当たらないフォームの入力が多い・複雑項目が多い、エラーが分かりにくい、登録必須想定外のコストが出てくる最後の画面で送料・手数料が加わり離れる

ページ表示の遅さ

意外と見落とされがちなのが、ページの表示速度です。ページが開くのに数秒かかると、内容を読む前に人は離れてしまいます。とくにスマートフォンからのアクセスでは、通信環境の影響も加わり、表示の遅さが離脱に直結しやすい傾向があります。画像の容量が大きすぎないか、不要なスクリプトが読み込まれていないかは、優先度の高い点検項目です。

情報の不足・分かりにくさ

ユーザーが判断に必要とする情報が不足していると、離脱が起きます。商品ページであれば、価格・送料・在庫・配送日数・返品条件などは、購入を決めるための材料です。これらが見当たらなかったり、探しにくい場所に置かれていたりすると、ユーザーは不安を感じてサイトを去ります。「知りたいことが、探さなくても目に入る」状態になっているかを見直すことが大切です。

動線(次の一歩)の断絶

ページを読み終えたユーザーが「次に何をすればよいか」がわからない状態も、離脱の大きな原因です。記事を読み終えても関連ページへのリンクがない、商品を見終えてもカートボタンが目立たない、といった動線の断絶は、せっかく高まった関心をその場で途切れさせます。各ページに「次の一歩」を明確に用意することが、回遊と成果の両方につながります。

フォーム・購入手続きの負担

問い合わせフォームや購入手続きは、離脱がもっとも集中しやすい場所です。入力項目が多い、必須項目が過剰、エラー表示が不親切、会員登録を強制される、といった要素はいずれも離脱を増やします。とくにスマートフォンでの入力は手間がかかるため、項目数を減らす、入力補助を用意する、ゲスト購入を許可するといった工夫が効果的だと考えられます。

想定外のコストの出現

購入手続きの最終段階で、それまで表示されていなかった送料や手数料が突然加わると、ユーザーは強い不満を感じて離脱します。カゴ落ちの代表的な原因の一つがこれです。総額を早い段階で提示する、送料の条件を分かりやすく示すといった対応で、最後の離脱を減らせる可能性があります。

ポイント

離脱の原因は「読む前(速度)」「読んでいる最中(情報・動線)」「行動する段階(フォーム・コスト)」の3つの局面に分けて考えると、どの局面のどこを直すべきかを整理しやすくなります。

セクションのまとめ:よくある離脱原因は、表示の遅さ・情報不足・動線の断絶・フォームの負担・想定外コストの5つ。局面ごとに分けて点検すると原因を特定しやすくなります。

離脱率改善の考え方:どこから直すか

離脱率を下げること自体が目的ではありません。あくまで成果(コンバージョン)を増やすための手段です。限られたリソースで効果を出すための、優先順位のつけ方を整理します。

「影響が大きい×成果に近い」ページから直す

すべてのページを均等に改善しようとすると、時間がいくらあっても足りません。優先すべきは、「アクセスが多く」かつ「成果に近い」ページです。たとえば月に数千回見られているカートページの離脱率を数ポイント下げるほうが、月に数十回しか見られないページを改善するよりも、はるかに大きな成果につながります。影響度(トラフィック量)と成果への近さ(コンバージョンまでの距離)の掛け算で、優先順位を決めるとよいでしょう。

「数字」だけでなく「行動」を見る

離脱率という数字は「どこで離れたか」は教えてくれますが、「なぜ離れたか」までは教えてくれません。原因を探るには、ヒートマップツールでどこまでスクロールされたかを見たり、フォームのどの項目でつまずいているかを分析したり、実際にユーザーの行動を観察したりする必要があります。数字で当たりをつけ、行動観察で仮説を確かめる、という往復が改善の質を高めます。

小さく試して検証する

改善は、一度に大きく作り変えるより、小さな変更を試して効果を確かめるほうが安全です。ボタンの文言、送料表示の位置、入力項目の順序といった小さな要素の変更でも、離脱に与える影響は無視できません。変更前後で数字がどう動いたかを必ず確認し、良かった変更だけを残していく姿勢が、着実な改善につながります。改善の全体像や具体的な手順については、CVR改善の手順を解説した記事で詳しく扱っています。

「離脱率を下げる」より「先へ進む人を増やす」

発想として大切なのは、「離脱率を下げる」という守りの視点だけでなく、「次のステップへ進む人を増やす」という攻めの視点を持つことです。両者は表裏一体ですが、後者の視点に立つと、削るだけでなく、背中を押す仕掛け(分かりやすい説明、安心材料、明確な次の一歩)を積極的に用意する発想が生まれます。数字を下げること自体を目的にしないことが、遠回りに見えて成果への近道になります。

セクションのまとめ:改善は「影響が大きく成果に近いページ」から着手し、数字で当たりをつけて行動観察で原因を確かめ、小さく試して検証します。目的は数字を下げることではなく成果を増やすことです。

AIを使えば、離脱の分析と改善は作業時間を半分にできます

離脱率の分析と改善は、一人担当や兼務で回している中小企業にとって負担の大きい作業です。ここでAIを「半自動化の道具」として使うと、判断の質を落とさずに作業時間を大きく圧縮できます。

活用1:数字から仮説を立てる

GA4やファネルの数字をAIに読み込ませ、「どのページのどの段階で離脱が大きいか」「その原因として考えられることは何か」を整理させると、分析の初動が速くなります。人間がゼロから見立てるより、AIにたたき台を作らせ、それを実務の目で取捨選択するほうが効率的です。仮説の粒度が粗ければ、追加で質問を重ねて精度を上げていくとよいでしょう。

活用2:改善案の文言を量産する

離脱を減らすためのボタン文言、フォームの補足説明、送料や返品条件の書き方などは、AIに複数案を出させると短時間で選択肢が揃います。人間はそれを見て、自社のトーンに合うものを選び、微調整するだけで済みます。ゼロから考える負担が減るぶん、検証の回数を増やせるのが利点です。

活用3:レポートの下書きを作る

毎月の離脱分析レポートは、フォーマットが決まっていればAIに下書きを任せられます。数字の要約、前月比の変化、気になったページのコメントまでをたたき台として作らせ、人間が解釈と提案を加える形にすると、レポート作成の時間を大きく減らせます。

AIに任せきりにしないほうがよい領域

一方で、AIだけに委ねると判断を誤りやすい領域もあります。最終的な優先順位づけや予算配分の判断は、事業の文脈を理解した人間が担うべきです。

  • どのページを優先して改善するかという経営的な意思決定
  • ブランドの世界観やトーンにかかわる表現の最終判断
  • 数字の背後にある「顧客の気持ち」の解釈
  • 個人情報やお客様データを含むデータをAIに入力すること(プライバシー配慮)

AIは強力な相棒ですが、最終判断は人間が責任を持つ役割分担が安全です。半自動化とは、判断を手放すことではなく、手を動かす部分を任せて、考える時間を確保することだと言えるでしょう。

セクションのまとめ:AIは仮説出し・文言の量産・レポート下書きで作業時間を圧縮できますが、優先順位づけや顧客心理の解釈といった判断は人間が担うのが安全です。

離脱率で「やってはいけない」5つのこと

離脱率は便利な指標ですが、扱い方を誤ると努力の方向を間違えます。ここでは、とくに避けたい5つの落とし穴を挙げます。

やってはいけない1:離脱率が高い=悪いと決めつける

もっとも多い誤りが、離脱率の高さを一律に問題視することです。購入完了ページやサンクスページ、電話番号を確認するための連絡先ページなどは、そこで目的が達成されて離れるのが自然であり、離脱率が高くて当然です。むしろ、そうしたページの離脱率が低いほうが不自然だとも言えます。ページの役割を無視して数字だけを追うと、直す必要のない場所に手を入れてしまいます。

やってはいけない2:直帰率と混同したまま分析する

直帰率と離脱率を同じものとして扱うと、分析の前提が崩れます。入口の評価をしたいのに離脱率を見ていたり、出口の弱点を探したいのに直帰率を見ていたりすると、正しい打ち手にたどり着けません。2つの指標が何を測っているのかを、分析を始める前に必ず確認する習慣が大切です。

やってはいけない3:サンプル数が少ないページの数字で一喜一憂する

月に数回しか見られていないページの離脱率は、数字のブレが大きく、当てになりません。1人か2人の行動で数十パーセント動いてしまうためです。統計的に意味を持つだけの十分な閲覧数があるページに絞って判断することが、無駄な作業を避けるうえで重要です。少数のデータで結論を急ぐと、偶然の揺らぎに振り回されてしまいます。

やってはいけない4:数字だけ見て原因を推測で決めつける

離脱率が高いという事実だけを見て、「デザインが悪いからだ」などと原因を思い込みで決めつけるのは危険です。実際の原因は、表示速度、情報不足、フォームの負担など多岐にわたります。ヒートマップやフォーム分析、実際のユーザー行動の観察を通じて、原因を確かめてから手を打つべきです。推測だけで改修を進めると、的外れな修正に時間を浪費します。

やってはいけない5:一度に多くを変えて効果を検証できなくする

離脱を減らそうと、一度にページを大きく作り変えてしまうと、どの変更が効いたのか分からなくなります。結果が良くても悪くても、次の改善に活かせる学びが得られません。変更は小さく区切り、一つずつ効果を確かめながら進めるほうが、長い目で見て着実に成果を積み上げられます。

注意

離脱率は「悪い数字を消す」ためのものではなく、「人がどこで去っているか」を知る道具です。数字の高低に反応するのではなく、そのページの役割と照らし合わせて意味を読み取る姿勢が欠かせません。

セクションのまとめ:離脱率の扱いで避けたいのは、高い=悪いと決めつける・直帰率と混同する・少数データで判断する・原因を推測で決める・一度に多くを変える、の5つです。

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離脱率の理解を、実際の成果改善につなげるために、あわせて次の記事も参考にしてください。

よくある質問

離脱率について、実務でよく寄せられる質問をまとめました。

Q. 離脱率と直帰率はどう違いますか?

直帰率は「最初の1ページだけを見て離れたセッションの割合」で、訪問の入口を評価する指標です。離脱率は「そのページを最後にサイトを離れた割合」で、各ページの出口を評価します。直帰はすべて離脱に含まれますが、離脱には複数ページを見た末の離脱も含まれるため、両者は同じではありません。

Q. 離脱率の平均や、目安になる基準値はありますか?

業種やページの種類、流入経路によって適正値が大きく異なるため、すべてに当てはまる基準値はありません。購入完了ページのように離脱が自然なページもあります。目安として使うなら、同じサイト内のページ間比較や、自サイトの過去との時系列比較のほうが実務的です。

Q. 離脱率はGA4のどこで確認できますか?

GA4では「離脱率」という指標が前面には出ていませんが、探索(データ探索)レポートやページ別のレポートで、ページごとのエンゲージメントや離脱の状況を確認できます。手順ごとの離脱を見たい場合は、目標到達プロセス(ファネル)データ探索を使うと、どの段階で人が減っているかを把握できます。

Q. 離脱率が高いページは、すぐ改善すべきですか?

必ずしもそうではありません。購入完了ページや連絡先ページなど、そこで目的が達成されて離れるのが自然なページは、離脱率が高くて当然です。改善の優先度は、アクセスが多く、かつ成果に近いページから決めるのが効果的です。役割に照らして不自然に高いページを見つけて手を打つのが基本になります。

Q. ECのカゴ落ちを減らすには何から手をつければよいですか?

まずはカート周りで離脱が集中している段階を特定し、想定外の送料や手数料の表示、会員登録の強制、入力項目の多さといった典型的な原因を点検します。総額を早めに提示する、ゲスト購入を許可する、決済手段を増やすといった対応は効果が出やすい打ち手です。小さく変更して効果を検証しながら進めるのが安全です。

まとめ:離脱率は「消す数字」ではなく「読み取る道具」

離脱率は、人がどこでサイトを去っているかを教えてくれる、改善の出発点となる指標です。本記事の要点を改めて整理すると、以下の通りになります。

  • 離脱率は「そのページを最後にサイトを離れた割合」を示すページ単位の指標である
  • 直帰率は入口、離脱率は出口を見る指標であり、直帰は離脱に含まれる
  • 離脱はGA4のページ別レポート、ファネル分析、ECのカゴ落ち率という3つの角度で見る
  • よくある離脱原因は、表示の遅さ・情報不足・動線の断絶・フォームの負担・想定外コストである
  • 改善は「影響が大きく成果に近いページ」から着手し、小さく試して検証する
  • 離脱率が高い=一律に悪いとは限らず、ページの役割に照らして判断する
  • AIは仮説出しや文言の量産に活かし、最終判断は人間が担う

大切なのは、離脱率という数字の高低に反射的に反応するのではなく、そのページが担う役割と照らし合わせて意味を読み取ることです。数字を消すことではなく、その先へ進む人を増やすことを目的に据えれば、限られたリソースでも着実に成果へ近づけるでしょう。まずは自社のサイトで、アクセスが多く成果に近いページの離脱を1つ、確認してみることから始めてみてください。

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この記事の執筆

webcan.jp編集部 Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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