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問い合わせフォームの項目はいくつが適切か|入力が多くて問い合わせが減る原因と直し方

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お問い合わせ導線設計公開日

問い合わせフォームの項目はいくつが適切か|入力が多くて問い合わせが減る原因と直し方

タブレットとスマートフォンに表示された、入力欄の少ない簡潔な問い合わせフォームのイメージ

この記事の結論

問い合わせフォームの項目は、返信に必要な最小限(お名前・連絡先・ご用件の3つ前後)から始めるのが基本です。会社名や住所、予算は「任意」か「後で聞く」に回せることが多くあります。特にスマホでは、項目が少ないほど最後まで入力してもらいやすくなります。見直しは担当者に任せられ、社長が決めるのは「何を聞かなくてよいか」だけです。

ホームページを見て、電話をかけるほどではないが話を聞いてみたい。そう考えた方が最初に触れるのが、問い合わせフォームです。ここで項目が多いと、入力の途中でやめてしまう方が出てきます。

せっかく広告や検索で来てもらったのに、フォームの手前で帰られているとしたら、もったいないことです。しかも、帰った方の声は届かないため、社内では気づかれにくい問題でもあります。

この記事では、60代以上の社長が自社のフォームを点検できるように、項目数の考え方、必須項目の削り方、スマホでの入力のしやすさを整理します。細かい設定は、担当者に渡せるチェックリストにまとめました。

  • 項目数の目安は「返信に必要なものだけ」。多くの会社は3〜6項目で足ります(業種により例外あり)
  • 削るかどうかは「その情報がないと返信できないか」で決める
  • スマホでは、入力のしやすさ(キーボードの種類・ボタンの大きさ)が結果を左右する
  • やってはいけないのは、現状を測らずに、いきなりフォームを作り替えること

なお、営業メールが多く届いて困る場合は、役割が逆の話になります。その対策は問い合わせフォームに営業メールばかり届くときの対策で整理しています。この記事は、本物の問い合わせを増やす側の話です。

問い合わせフォームの項目はいくつが適切か

まず結論から言うと、「何項目が正解」という決まった数字はありません。ただ、考え方の筋道は共通しています。それは、最初の返信に必要な情報だけを聞く、ということです。

目安は3〜6項目。ただし業種で変わります

問い合わせの目的が「話を聞きたい」「相談したい」段階なら、お名前・連絡先(メールか電話)・ご用件の3つがあれば、最初の返信はできます。ここに、会社名や電話番号を足しても、6項目前後に収まることが多いでしょう。

一方、見積もりの金額を出すために寸法や数量が必要な業種や、予約日時を決める業種では、聞くことが増えます。その場合も、「全部を最初に聞く」のではなく、「最初の返信後に聞く」ことで項目を減らせないかを考えます。

次の表は、考え方の目安です。実際の数は、自社の業務に合わせて調整してください。数字は経験則にもとづく目安であり、効果を保証するものではありません。

問い合わせの種類 最初に聞くこと(目安) 項目数の目安 後で聞いてよいこと
資料請求・ご相談 お名前・メールアドレス・ご用件 3〜4 会社名・従業員数・住所
見積もり依頼(簡易) お名前・連絡先・依頼内容・希望の時期 4〜6 予算・詳しい仕様・現場の住所
来店・訪問の予約 お名前・電話番号・希望日時 3〜5 人数・細かい要望
法人向けの商談 お名前・会社名・連絡先・ご用件 4〜6 部署・役職・予算・導入時期
採用に関する問い合わせ お名前・連絡先・ご用件 3〜4 職歴・志望動機(面談で聞く)

ポイント

「項目を減らすと、質の悪い問い合わせが増えるのでは」と心配される社長もいます。この点は後の章で、必要な見極めを残しながら減らす方法を説明します。

「多いほど丁寧」ではなく「少ないほど親切」

項目が多いフォームは、会社側から見ると「情報が揃って便利」に思えます。しかし、入力する側から見ると、初対面の会社に、まだ話してもいない段階で多くを答えることになります。

たとえるなら、お店に入った途端に、住所・年齢・家族構成を書く紙を渡されるようなものです。まず話を聞いてほしいだけの方は、そこで戸惑います。

これは、EFO(Entry Form Optimization:入力フォームの改善)と呼ばれる分野でも、基本の考え方として知られています。入力の手間を減らすほど、最後まで進む方が増える傾向がある、というものです。ただし、減る割合は業種やフォームで違うため、他社の数字をそのまま当てはめることはできません。

セクションのまとめ

項目数に決まった正解はありませんが、3〜6項目を出発点にして、返信に必要なものだけを聞くのが基本です。業種により例外があるため、「最初に聞く」と「後で聞く」を分けて考えます。

入力が多いと問い合わせが減る理由

項目数が多いと問い合わせが減るのは、単に「面倒だから」だけではありません。入力する方の側で、いくつかの気持ちが重なっています。ここを知っておくと、削る項目の優先順位がつけやすくなります。

理由1:入力の手間が、見えた瞬間に重く感じる

フォームを開いた瞬間に、縦に長い入力欄が並んでいると、「これは時間がかかりそうだ」と感じます。多くの方は、全部を入力する前に、その場でやめるかどうかを決めています。

特に、仕事の合間や移動中に見ている方は、数分でも時間を取られることを避けます。後で電話しようと思ったまま、忘れてしまう例もあるでしょう。

理由2:個人情報を渡すことへの不安

住所や電話番号、会社の規模などは、「営業電話がかかってくるのでは」という不安につながりやすい項目です。必要性が伝わらないまま聞かれると、入力をためらう原因になります。

個人情報保護法では、個人情報を取得するとき、利用目的を本人に通知または公表することが求められています(同法第21条)。フォームの近くに「ご入力いただいた内容は、ご返信のためにのみ使用します」と書くのは、法的な意味でも、安心感の面でもよい対応です。

理由3:スマホで入力する大変さ

スマホの小さい画面では、キーボードが画面の半分近くを占めます。入力欄が多いと、何度も画面を送り、入力欄の位置を見失います。パソコンなら気にならない項目数でも、スマホでは負担が増します。

スマホ対応そのものに課題がある場合は、スマホ対応していないホームページの影響も合わせてご覧ください。

理由4:入力途中の間違いで、やり直しになる

全角と半角の違い、ハイフンの有無、必須項目の入力漏れで、送信ボタンを押した後にエラーが出ると、気持ちが切れます。エラーが出た後に、入力した内容が消えてしまうフォームは、特に離脱につながりやすいと言われます。

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ポイント

離脱の理由は、手間・不安・スマホ・入力ミスの4つに分けられます。項目を減らすことは、このうち手間と不安の両方を軽くする、最も効果が見込める手段の一つです。

セクションのまとめ

入力が多いと減るのは、手間と不安が重なるためです。スマホではその負担がさらに増します。まず「手間」と「不安」を軽くする、という順で考えるとよいでしょう。

項目ごとの要否を判断する:残す・任意にする・削る

ここからは、一般的なフォームに入っている項目を、一つずつ見ていきます。基準は「それがないと、最初の返信ができないか」です。できるなら、必須から外せます。

必須・任意・後で聞く、の仕分け表

項目 おすすめの扱い 理由と注意点
お名前 必須 返信の宛名に必要です。姓名を1つの欄にまとめると手間が減ります
ふりがな 任意または削除 電話で呼ぶ必要があるときだけ。読みが難しい名前の業種を除き、削れることが多い項目です
メールアドレス 必須(連絡手段として) 返信の手段です。確認用の再入力欄は、入力ミス防止になる反面、手間も増えるため要検討
電話番号 メールか電話の一方を必須に 両方を必須にすると負担が増します。「どちらでも可」にできないか検討します
会社名 法人向けは必須、個人向けは任意 法人の商談なら必要ですが、個人のお客様向けなら不要です
郵便番号・住所 原則として後で聞く 資料を郵送する場合を除き、最初は不要なことが多い項目です
業種・従業員数 任意または削除 営業側の整理に役立つだけの項目は、後の面談で聞けます
ご予算 任意(または削除) 答えにくい項目です。「相談しながら決めたい」の選択肢を用意します
希望日時・納期 任意 決まっていない方も多いので、「未定」を選べるようにします
ご用件・お問い合わせ内容 必須 一番大切な項目です。入力例を薄く表示すると書きやすくなります
同意チェック(個人情報の取扱い) 必要(ただし1つ) チェック欄は1つにまとめ、取扱いの説明は短いリンクで

この表の「おすすめの扱い」は、一般的な考え方です。実際は、業種や運用で事情が異なります。たとえば、現場の住所が分からないと見積もりを出せない工事業では、住所を早めに聞くほうが、結果的に早く話が進む場合もあります。

削る前に確認する「3つの問い」

項目を残すか削るか迷ったときは、次の3つを順に確認します。担当者との打ち合わせでも、この問いをそのまま使えます。

  1. その項目がないと、最初の返信ができないか。できるなら、必須から外します。
  2. その項目は、返信後のやり取りで聞けないか。聞けるなら、フォームからは削ります。
  3. その項目の答えを、実際に誰かが使っているか。使われていなければ、思い切って削ります。

3つ目の問いは、意外と盛り上がります。「昔から入れているが、集計した人がいない」「営業の整理のために入れたが、今は誰も見ていない」という項目が、見つかることが多いからです。

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セクションのまとめ

項目は「最初の返信に必要か」で仕分けます。必須は3〜4項目に絞り、住所や従業員数などは返信後に聞く運用にします。業種の事情で聞く項目は、残してかまいません。

必須項目の削り方と、質を落とさない工夫

項目を減らすと「冷やかしの問い合わせが増えるのでは」という心配が出ます。ここでは、減らしつつ、必要な見極めを残す工夫を紹介します。

工夫1:入力を減らす代わりに、選択式にする

自由に書く欄は、考える時間がかかります。「ご用件」だけは自由記述にして、そのほかの確認事項は、ボタンで選ぶ形にすると、手間が減ります。たとえば「ご希望の連絡方法:メール/電話/どちらでも」のようにします。

選択肢は5つ程度までにとどめます。多すぎるプルダウン(選択肢が下に開く入力欄)は、スマホでは選びづらくなるためです。

工夫2:ご用件の欄に、書き方の例を添える

自由記述の欄は、何を書けばよいか分からず、手が止まる原因になります。欄の中に、薄い文字で「例:来月、店舗の改装を検討しています。費用の目安を知りたい」と入れておくと、書きやすくなります。

この工夫は、相談内容の質を保つ助けにもなります。ほどよい情報が最初から書かれていれば、返信もしやすくなるからです。

工夫3:「聞きたいこと」は、返信メールで聞く

たとえば、フォームで聞くのをやめた予算や納期は、最初の返信メールで「差し支えなければ、次の点を教えてください」と聞けます。相手との会話の中で聞くほうが、答えやすく、断られにくくなります。

返信の早さも大切です。問い合わせが来たのに、返事が遅れて失注する例は少なくありません。目安の考え方はホームページからの問い合わせへの返信は何時間以内かで説明しています。

工夫4:入力の質は「電話番号の確認」ではなく「返信の早さ」で守る

冷やかしを防ぐために、項目を増やして敷居を上げる方法もあります。しかしそれは、本物の問い合わせまで減らしてしまう両刃の剣です。多くの会社にとっては、項目で選別するより、返信の早さと丁寧さで関係をつくるほうが、手間に見合うと考えられます。

注意

営業メールや迷惑メールが増えている場合は、項目を増やして防ぐのではなく、送信前の確認や自動判定など別の対策を使います。役割の違いは、後の「営業メール対策との役割分け」の章で説明します。

セクションのまとめ

項目を減らしても、選択式・書き方の例・返信メールでの追加確認で、問い合わせの質は保てます。敷居を上げて選別するより、返信の早さで守るほうが現実的です。

スマホでの入力しやすさを高める6つのポイント

問い合わせの多くがスマホから届く会社は、少なくありません。パソコンで確認して「問題ない」と感じても、スマホでは入力しにくいフォームは、よくあります。

ここでは、画面が小さい端末で特に影響が出やすい点を、表にまとめます。担当者に伝えるときは、この表をそのまま渡してかまいません。

ポイント よい状態 よくない状態
入力欄の種類 電話欄は数字キーボード、メール欄は@付きキーボードが開く すべて通常の文字キーボードで、毎回切り替えが必要
文字の大きさ 入力欄の文字が16px以上で、拡大されずに入力できる 小さい文字の欄に触れると、画面が勝手に拡大される(iPhoneで起きやすい)
ボタンの大きさ 送信ボタンや選択肢が、指で押しやすい大きさ ボタンが小さく、隣のボタンを押し間違える
入力欄の並び 上から下へ1列で並ぶ 2列・3列で横に並び、スマホでは崩れる
自動入力 ブラウザの自動入力(過去の入力を呼び出す機能)が使える 自動入力を妨げる作りになっている
エラーの出し方 間違った欄の近くに、短い理由が出る。入力内容は消えない 送信後にまとめてエラーが出て、内容が消える

ポイント1:入力欄の種類を正しく設定する

フォームの入力欄には、「これは電話番号」「これはメールアドレス」という種類を指定できます。これを正しく設定すると、スマホのキーボードが、数字用やメール用に自動で切り替わります。

地味な設定ですが、入力のしやすさに直結します。作り直さなくても、設定を直すだけで済む場合があるため、制作会社や担当者に確認する価値があります。

ポイント2:タップする場所の大きさを確保する

指で押す部品の大きさには、参考になる基準があります。ウェブの国際的な指針WCAG 2.2では、押す部品の最小の大きさを24×24 CSSピクセル(画面上の基準の大きさ)とし、ほかの部品との間隔も考慮することを求めています。

また、AppleやGoogleの設計指針では、押す部品を44〜48程度の大きさにすることが推奨されています。ボタンが小さいフォームは、この基準と比べると、押しづらい可能性があります。

ポイント3:郵便番号から住所を自動で入れる

住所を聞く場合、郵便番号を入力すると住所が自動で入る機能があります。入力の手間が減り、住所の書き間違いも減ります。住所を聞く必要があるフォームでは、導入を検討する価値があります。

ポイント4:ラベルは入力欄の上に置き、消えない形にする

入力欄の中に薄く書いた説明は、入力を始めると消えます。何の欄だったか、分からなくなる方もいます。「お名前」「メールアドレス」などの見出しは、入力欄の上に常に表示する形が、安全です。

ポイント5:エラーは、その場で短く分かりやすく

「入力に誤りがあります」だけでは、どこを直せばよいか分かりません。「メールアドレスに@が入っていません」のように、欄の近くに、理由が出る形が親切です。

ポイント6:送信完了の画面で、次の流れを伝える

送信した後に、何も表示されない、または一瞬で消えるフォームでは、「ちゃんと送れたのか」が分からなくなります。完了画面には、「ありがとうございました。2営業日以内にご連絡します」のように、次に起きることを書いておきます。

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ポイント

スマホ対応のフォームは、パソコンで見ただけでは分かりません。社長ご自身が、自分のスマホで一度、問い合わせを入力してみること(送信直前までで構いません)が、最も早い点検になります。

セクションのまとめ

スマホでは、入力欄の種類・文字の大きさ・ボタンの大きさ・エラーの出し方が結果を左右します。いずれも作り直さずに直せる場合が多いため、まず担当者に確認してもらいます。

社長が自社フォームを点検する表(10分でできます)

ここからは、社長ご自身が自社のフォームを点検するための表です。パソコンとスマホの両方で、実際にフォームを開いて確かめます。実際に送信する必要はありません。

点検は、10分程度で終わる内容にしています。気づいた点は、次の章の判断軸に沿って、担当者や制作会社へ渡してください。

No. 点検すること 確認の方法 状態
1 入力項目の数は、6つ以内に収まっているか フォームを開き、入力欄を数える ○ △ ×
2 必須の項目は、4つ以内か 「必須」の印がついた欄を数える ○ △ ×
3 住所・従業員数など、返信に不要な項目が必須になっていないか 項目を1つずつ見て「返信に必要か」を考える ○ △ ×
4 スマホで、電話欄に数字キーボードが開くか 自分のスマホで電話欄をタップする ○ △ ×
5 スマホで、入力欄を押したとき画面が拡大されないか 自分のスマホで各欄をタップする ○ △ ×
6 送信ボタンは指で押しやすい大きさか スマホでボタンを押してみる ○ △ ×
7 個人情報の使いみちが、フォームの近くに書いてあるか フォームの上下を確認する ○ △ ×
8 間違えて送信しても、入力内容が消えないか わざと空欄のまま送信ボタンを押してみる(※1) ○ △ ×
9 送信完了の画面に、次の流れ(返信の時期)が書いてあるか (※2)担当者に確認を依頼する ○ △ ×
10 送信すると、自社に確実に通知が届いているか 担当者にテスト送信を依頼する ○ △ ×

※1 必須欄を空にして送信ボタンを押すと、エラーの出方を確認できます。実際には送信されません。※2 完了画面は、実際に送信しないと見られないため、担当者にテスト送信をしてもらいます。

点検結果の見方

  • ×が3つ以上:項目の見直しの優先度が高い状態です。早めに担当者へ相談してください
  • △が多い:すぐ困る状況ではありませんが、次回のサイト更新のときに合わせて直すとよいでしょう
  • ○がほとんど:フォームは大きな問題ではない可能性があります。ほかの原因(検索での見つけられ方や、ページ内容)を調べます

もしフォームを直しても問い合わせが増えない場合、原因は別のところにあることもあります。症状から原因を探す方法は、CVRが上がらない原因は?症状から探す見分け表と直し方で説明しています。また、そもそもホームページから問い合わせが来ない会社が見直す5つの点も確認すると、全体の見直しの順番が分かります。

セクションのまとめ

点検は10分でできます。×が3つ以上あれば、フォームの見直しの優先度は高めです。フォームを直しても改善しない場合は、フォーム以外の原因も確認します。

自社でやる・任せる、今やる・後でよい

フォームの見直しは、作業の種類によって、社内でできるものと、制作会社に任せたほうがよいものに分かれます。社長が全部を理解する必要はありません。次の表で、役割を分けておくと、指示が出しやすくなります。

自社でやる/任せるの判断表

作業 自社でできるか 目安の手間・費用
項目の要否を決める(仕分け) 自社で判断するのが基本。社長か担当者が決める 社内で1〜2時間程度(目安)
文言(案内文・書き方の例)の修正 自社でできる場合が多い 管理画面が使えれば、1時間前後(目安)
フォーム用の部品や設定(WordPressの場合)の変更 担当者が慣れていれば可能。不慣れなら任せる 数千円〜数万円程度の作業費となる例が多い(制作会社に見積を依頼)
入力欄の種類・表示の調整 専門知識がいるため、任せるのが無難 同上
フォーム自体の作り直し・乗り換え 制作会社や専門家に任せる 内容により大きく幅がある。必ず複数の見積を比べる
効果の測定の設定(GA4など) 担当者が対応できなければ任せる 数千円〜数万円程度の例が多い(見積で確認)

費用は、制作会社や契約の形式で変わります。ここに書いた幅は、一般的な見方の目安です。実際には、必ず見積書で金額と作業の範囲を確かめてください。

今やる/後でよいの判断表

内容 判断 理由
不要な項目を必須から外す 今やる 手間が少なく、効果が見込める。リスクも小さい
スマホでの入力のしやすさの確認 今やる 10分の点検でも課題が見つかることが多い
現状の数字を控える(1か月分) 今やる 改善の前後で比べるために必要
フォームのデザインの全面刷新 後でよい まず項目と設定の見直しで十分なことが多い
新しいツールへの乗り換え 後でよい 見直しで改善が見込めるかを見てから判断する
問い合わせの自動振り分け 後でよい 件数が少ないうちは人が見れば足りる

ポイント

社長に決めてほしいのは2つだけです。「どの情報を、最初に聞かなくてよいことにするか」と「見直しをどこまで任せるか」。操作の細かい部分は、担当者のチェックリストに任せられます。

セクションのまとめ

項目の仕分けは自社で決め、設定の変更は担当者か制作会社に任せるのが基本です。まず「不要な項目を外す」と「現状の数字を控える」を、今やることとして進めます。

やってはいけないこと5つ

フォームの見直しでは、善意で手を入れたことが、かえって問い合わせを止めてしまうことがあります。次の5つは、特に避けたい点です。

1 現状を測らずに、いきなり作り替える

見直しの前に、送信された件数(できれば1か月分)を控えておきます。これがないと、直した後に「増えたのか減ったのか」が分かりません。まず現状の数字を残してください。

2 項目を減らした勢いで、必要な項目まで消す

返信に必要な連絡先や、見積に欠かせない情報まで削ると、返信のたびに聞き直しが必要になり、かえって手間が増えます。「返信に必要か」の基準は崩さないでください。

3 テストをせずに、本番のフォームを直接変更する

フォームの設定を変えた後、通知メールが届かなくなる事故は、実際にあり得ます。変更後は必ずテスト送信をして、社内で通知が届くことを確認します。届かない状態が続くと、問い合わせを見逃します。

4 営業メール対策のために、本物の問い合わせの入口を狭める

迷惑メールが多いからと、項目を増やしたり、認証を厳しくしたりすると、本物の問い合わせまで減ることがあります。対策は、入口を狭めるのではなく、届いた後の仕分けや、見えない形の判定で行います。

5 一度に複数の変更を重ねる

項目の削減、デザインの変更、ボタンの文言変更を同時に行うと、何が効いたのか分からなくなります。可能なら、変更は1〜2点ずつ。それが難しければ、変更の内容と日付を必ず記録しておきます。

注意

「入力を減らせば必ず問い合わせが増える」と断言できるものではありません。サイトの見つけやすさや、ページの内容にも左右されます。効果は測りながら確かめる姿勢が大切です。

セクションのまとめ

やってはいけないのは、測らずに変える、必要な項目まで消す、テストしない、入口を狭める、変更を重ねる、の5つです。小さく変えて、記録して、確かめます。

架空の事例:項目を見直した2つの会社

ここでは、イメージをつかんでいただくために、架空の2社の例を紹介します。実在の会社や実際の数字ではありません。進め方の流れとして、ご覧ください。

事例A:機械部品の製造会社(従業員40名・架空)

この会社のフォームには、会社名・部署・役職・氏名・ふりがな・住所・電話・FAX・メール・業種・従業員数・予算・納期・ご用件の14項目があり、ほとんどが必須でした。スマホからの問い合わせが少ないことが、社長の悩みでした。

社長は点検表を使い、担当者と一緒に「返信に必要か」を確認しました。結果、必須は会社名・氏名・連絡先・ご用件の4つに絞り、ほかは任意か削除に変更しました。返信メールで、納期と数量を聞く流れにしました。

1か月後、送信数は増えました。ただし、これは検索からの訪問数が同じ時期に上向いたことも影響しており、フォームだけの効果とは言い切れません。社内では、「聞き直しのメールは増えたが、問い合わせ自体を逃すよりは良い」という受け止めになりました。

事例B:リフォームを手がける会社(従業員25名・架空)

この会社は、フォームの項目数は7つでしたが、スマホで電話番号の欄に数字キーボードが出ず、送信ボタンが小さい状態でした。送信完了の画面もなく、「送れたのか不安」と感じる方がいたようです。

項目の数は変えず、入力欄の種類の設定、ボタンの拡大、完了画面の追加だけを制作会社に依頼しました。費用は数万円以内に収まり、作業は短期間で終わりました。

この例のように、項目数は少なめでも、スマホでの使いにくさが原因のことがあります。数を減らす前に、点検表で全体を確かめる意味は、ここにあります。

セクションのまとめ

事例のように、項目を減らす会社も、設定を直すだけの会社もあります。自社がどちらに近いかは、点検表で分かります。進め方は同じで、現状を控え、小さく変え、確かめます。

担当者に渡すチェックリスト

ここからは、社長が担当者や制作会社に渡すための手順です。社長ご自身が操作する必要はありません。そのままコピーして、渡してください。

準備(作業の前日までに)

  1. 現在のフォームの画面を、パソコンとスマホの両方で保存する(画面の写真で可)
  2. 直近1か月の、フォーム送信の件数を控える(管理画面かメールの件数から)
  3. 今のフォームの入力項目を一覧にする(項目名・必須か任意か)
  4. 送信した後に届く通知メールの宛先を確認する(退職者の宛先が残っていないか)

項目の見直し

  1. 各項目について「最初の返信に必要か」を判断し、必須・任意・削除・返信後に聞く、に分ける
  2. 社長に仕分け案を見せ、了解をもらう
  3. 必須は3〜4項目に絞る。業務上必要な項目は残してよい
  4. 「ご用件」の欄に、書き方の例(薄い文字)を入れる
  5. 個人情報の使いみちを、フォームの近くに短く書く

スマホ向けの調整

  1. 電話番号の欄は数字キーボード、メール欄はメール用キーボードが開く設定にする
  2. 入力欄の文字サイズを16px以上にする
  3. 送信ボタンを、指で押しやすい大きさにする(高さ44px以上が目安)
  4. 入力欄は上から下へ1列に並べる
  5. エラーの文言は、欄の近くに短く出す。入力済みの内容は消さない
  6. 送信完了画面に、次の流れ(返信の時期など)を書く

公開前のテストと記録

  1. パソコンとスマホ(iPhone・Androidの両方が望ましい)で、テスト送信する
  2. テスト送信が、社内の担当者に確実に届くことを確認する
  3. 自動返信メールを設定している場合は、その文面も確認する
  4. 変更した日付と内容を記録する
  5. 変更前に控えた数字と、変更後1か月の数字を比べる

ここまでの作業は、フォームの種類によって、数時間から数日の幅があります。制作会社へ依頼する場合は、「何をいつまでに、いくらで」を見積書で確認してください。

セクションのまとめ

チェックリストは、準備・項目の見直し・スマホの調整・公開前のテストの4段階です。特に、変更前の数字を控えることと、通知メールのテストは、省かないでください。

効果の測り方:増えたかどうかを確かめる

フォームを直した後は、問い合わせが増えたかどうかを確かめます。難しい分析は必要ありません。次の3つの数字を、毎月控えるだけで十分です。

数字 意味 控える場所
フォームのページの表示数 フォームまで来てくれた人数 GA4(Googleのアクセス解析)など
送信された件数 実際に問い合わせてくれた件数 フォームの管理画面、メール、GA4
送信件数÷表示数 フォームまで来た人のうち、送った人の割合 自分で計算(電卓で可)

たとえば、フォームの表示が月200回、送信が10件なら、割合は5%です。これは計算の例であり、他社の標準的な数字という意味ではありません。大切なのは、自社の前後の変化を見ることです。

GA4には、フォームの操作を自動で計測する機能(拡張計測機能)があります。ただし、サイトの作りによってはうまく計測できない場合もあるため、送信完了の画面(サンクスページ)の表示数を数えるほうが、確実なことも多くあります。

問い合わせにつながる割合の考え方は、CVRとは|コンバージョン率の意味と計算方法で詳しく説明しています。計算の仕方で迷ったときの参考にしてください。

ポイント

件数が少ない会社では、月ごとのばらつきが大きく、1か月だけで効果を判断するのは危険です。3か月程度は様子を見て、傾向で判断するのが現実的です。

セクションのまとめ

表示数・送信数・割合の3つを、毎月控えます。件数が少ないうちは、1か月の増減に一喜一憂せず、数か月の傾向で判断します。

AIを使った半自動化:担当者の負担を減らす

AIは、フォームの見直しの下準備を助けてくれます。ただし、最終的な判断は人が行います。AIに任せきりにせず、判断の材料づくりに使うのが現実的です。

AIに任せやすいこと

  • 項目名の案出し:業種を伝えて「最初に聞く項目の候補」を出してもらう
  • 書き方の例文づくり:ご用件の欄に入れる例文の案を作ってもらう
  • 自動返信メールの文面案:丁寧で短い文面の下書きを作ってもらう
  • 問い合わせの仕分け:届いた内容を「見積依頼・質問・営業」に分類する下書き

人が必ず確認すること

  • 個人情報の扱い:お客様の情報をAIの無料サービスに貼り付けない。社内の規則に従う
  • 返信の中身:AIの下書きをそのまま送らない。必ず人が読み、自社の言葉に直す
  • 項目の最終決定:業務に必要な項目は、社内でしか判断できない

注意

問い合わせの内容には、お客様の名前や連絡先が含まれます。そのままAIに入力するのは避けてください。使う場合は、個人が特定できない形にした文章で試し、会社の情報管理のルールに沿って判断します。

セクションのまとめ

AIは、項目の案、例文、返信の下書きに役立ちます。個人情報を入力しない、最終判断は人が行う、の2点を守って使います。

営業メール対策との役割分け

この記事の話は、問い合わせを増やす方向です。一方、営業メールや迷惑メールを減らす話は、方向が逆になります。混同すると、どちらも中途半端になります。

この記事(フォームの項目) 営業メール対策
目的 本物の問い合わせを増やす 迷惑・営業メールを減らす
項目や入力への考え方 入力の手間を減らす 見えない形の判定などで、機械の送信を防ぐ
社長が判断すること 何を聞かなくてよいか どこまで届いた後に仕分けるか
よくある失敗 項目を減らしすぎて、聞き直しが増える 対策が厳しすぎて、本物も止まる

両方に課題がある会社は、先に「本物の問い合わせの入口が狭くなっていないか」を、この記事の点検表で確認してください。そのうえで、営業メール対策の記事を読み、入口を狭めずに迷惑メールを減らす方法を検討すると、順番として安全です。

セクションのまとめ

フォームの項目は「増やす側」、営業メール対策は「減らす側」の話です。先に入口が狭くなっていないかを確かめ、その後で迷惑メールの対策を考える順番が安全です。

よくある質問

Q. 問い合わせフォームの項目は、最低いくつあれば足りますか。

A. 返信に必要な最小限で、お名前・連絡先(メールか電話)・ご用件の3つが基本です。業種により、希望日時や依頼内容などを足すこともありますが、多くの会社は3〜6項目に収まります。

Q. 必須項目を減らすと、冷やかしの問い合わせが増えませんか。

A. 増える可能性はゼロではありません。ただ、項目で選別すると本物の問い合わせまで減ることがあります。選択式の工夫や、返信メールでの追加確認、返信の早さで質を守るほうが、現実的と考えられます。

Q. 住所や電話番号は、聞かなくてよいのですか。

A. 資料の郵送や、現地確認が必要な業種を除き、最初は聞かずに済む場合が多くあります。電話番号は、メールの代わりに連絡手段として選べるようにする方法もあります。自社の業務に必要かで判断してください。

Q. スマホで入力しにくいかどうかは、どう確かめればよいですか。

A. 社長ご自身のスマホで、フォームを開き、各欄をタップして確かめます。電話欄に数字キーボードが開くか、画面が勝手に拡大されないか、送信ボタンが押しやすいかを見ます。送信はしなくて構いません。

Q. フォームを直したら、どれくらいで効果が出ますか。

A. 件数や業種により異なり、一概には言えません。件数が少ない会社では、1か月だけで判断すると誤ることがあります。直す前の数字を控え、数か月の傾向で見るのがおすすめです。

Q. 自社で直すのと、制作会社に頼むのと、どちらがよいですか。

A. 文言や項目の仕分けは自社で決められます。入力欄の種類やボタンの大きさなど、設定の変更は、制作会社や慣れた担当者に任せるのが安全です。費用は見積書で、作業の範囲とあわせて確認してください。

まとめ:社長が決めること、担当者に任せること

問い合わせフォームの見直しは、大きな費用をかけなくても、始められる改善の一つです。大切なのは、「返信に必要な最小限だけを聞く」という考え方を、社内で共有することです。

  • 項目数の出発点は3〜6項目。最初に聞くのは、お名前・連絡先・ご用件
  • 迷った項目は「最初の返信に必要か」で判断し、不要なら任意にするか返信後に聞く
  • スマホでは、入力欄の種類・文字の大きさ・ボタンの大きさを確かめる
  • まず10分の点検をして、現状の数字を控えてから変える
  • 営業メール対策は別の話。入口を狭めない順番で考える

社長が決めるのは「何を聞かなくてよいか」と「どこまで任せるか」の二つです。それ以外の作業は、担当者のチェックリストに沿って進められます。まずはご自身のスマホで、自社のフォームを開いてみることから始めてください。

相談の入口

自社のフォームのどこを直せばよいか、制作会社に何を依頼すればよいか分からないときは、まずご相談ください。現状の整理だけでも承ります。サイト全体の状態を先に見たい方は、無料診断もご利用いただけます。

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webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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