ホームページ運用2026.10.13

Web担当者が辞めたときに社長がやること|引き継ぎ漏れを防ぐ確認リスト

机の上の鍵束と引き継ぎノート

この記事の要点

Web担当者が辞めたら、まず「ドメイン」「サーバー」「WordPress」「Googleの各アカウント」の名義と管理者IDを確認してください。契約者が会社なら慌てる必要はありません。担当者個人になっていたら、早めに会社名義へ移します。この記事では、退職前と退職後の確認手順、そして今後を社内で担うか外部に任せるかの判断軸をお伝えします。

Web担当者が退職すると決まったとき、社長が最初に気になるのは「ホームページは止まらないか」「パスワードは誰が知っているのか」という点ではないでしょうか。結論から言うと、すぐにサイトが消えることはまずありません。ただし、契約や管理者の権限が担当者個人に紐づいていると、後から手続きが止まって困る場面が出てきます。

この記事は、社長ご自身が読んで判断し、細かい確認作業は担当者や外部の方に渡せるように組み立てています。操作の細かい手順は、後半の「担当者に渡すチェックリスト」の章にまとめました。

最初の3日でやること|社長が決める5つのこと

慌てて動くより、最初に「誰が・何を持っているか」を一枚の紙にまとめることが先決です。まずは次の表の順に確認してください。

順番 やること 誰がやるか ひとことで言うと
1 辞める担当者に、管理しているものを全部書き出してもらう 担当者(社長が依頼) 持ち物の棚卸しです
2 ドメインとサーバーの契約者名・請求先・更新日を確認する 担当者と経理 サイトの住所と置き場の持ち主確認です
3 WordPressなど管理画面に、社長または別の社員が入れるようにする 担当者と社長 合鍵を会社で持つことです
4 Googleの各アカウントに、会社のメールで管理者を追加する 担当者 担当者以外にも権限を足します
5 一覧表(ID台帳)を作り、社長が保管場所を決める 社長 最終的な責任は会社に置きます

この5つが済めば、担当者が去ったあとでも「会社として手が届く状態」になります。逆に言うと、これだけは退職日までに済ませたい最低ラインです。

ポイント

パスワードそのものを聞き出すより、「会社のメールアドレスを管理者として追加してもらう」方法が安全です。担当者が退職したあとで、担当者の権限だけを外せるからです。

セクションのまとめ:最初の3日は、持ち物の棚卸し・名義確認・合鍵の用意・ID台帳の4点に絞って進めます。

なぜ辞めたあとに困るのか|「名義」と「権限」の仕組み

担当者が辞めて困る原因の多くは、技術の難しさではありません。契約の名義と、管理者の権限が人に紐づいていることです。まずその仕組みを、社長向けに整理します。

アカウントの「名義」で、退職後の困りごとが変わります会社の名義で契約している場合担当者個人の名義の場合・契約者は会社、請求も会社へ・管理者IDを社長も持っている・担当者の退職後も変更できる・パスワード再発行も会社で可能→ 手続きは落ち着いて進められます・契約者が担当者個人のまま・連絡先が担当者のメール・本人の承諾が要る手続きが出る・更新通知が届かず期限切れも→ 早めの名義確認が大切です

名義とは「契約している人」のこと

ドメイン(ホームページの住所にあたる文字列)やレンタルサーバー(サイトを置いておく場所)は、どれも誰かの名前で契約されています。この名前が「名義」です。会社名で契約していれば、担当者が変わっても会社が手続きできます。

ところが、立ち上げ時に担当者が自分のクレジットカードや個人のメールアドレスで申し込み、そのままになっているケースは珍しくありません。悪意があるわけではなく、「とりあえず早く公開したい」という事情で起こりがちです。

権限とは「管理画面に入れる人」のこと

もう一つが権限です。WordPress(ホームページを更新する仕組み)やGoogleの各サービスには、管理者、編集者、閲覧者といった役割があります。管理者が担当者一人だけだと、その人が辞めた時点で誰も設定を変えられなくなります。

特にGoogleのサービスは、アカウントを作った人が「オーナー」になります。オーナーを会社のメールに移していなければ、担当者の個人アカウントに会社のデータが残ったままになってしまいます。

よくある三つの落とし穴

  • 更新の通知メールが、担当者の個人アドレスにしか届いていない
  • 管理者のIDが担当者の名前で、共用のものが存在しない
  • 「あの人に聞けば分かる」状態で、どこにも記録がない

どれも、担当者が在籍している間は問題として表に出ません。辞めると決まった時点で、初めて気づく方が多いのが実情です。だからこそ、辞める前後の確認がそのまま経営のリスク管理になります。

セクションのまとめ:困りごとの本質は、技術ではなく名義と権限が個人に偏っていることです。

状況別の動き方|退職前と退職後で何が違うか

同じ確認でも、担当者がまだ在籍しているか、すでに辞めたかで進め方が大きく変わります。ご自身の状況に近いほうからお読みください。

退職後の動き方(目安の順番)1当日〜3日連絡先と権限担当者に聞き取り管理者IDを社長が把握21週間以内名義の確認契約者・請求先を確認会社名義へ変更の手配31か月以内台帳づくり一覧表に整理して保管パスワードの再設定43か月以内運用体制社内か外部かを決める年1〜2回の棚卸し

退職前に確認できる場合(いちばん楽な状況)

退職日までに期間があるなら、いちばん確実です。担当者本人が一緒に確認してくれるので、画面を見ながら名義や管理者を直せます。引き継ぎの時間は、通常の業務と並行して少しずつ確保してください。

  • 担当者に「管理しているサービスを全部書き出す」ことを依頼する
  • 書き出したものを、社長または別の社員が一緒に画面で確認する
  • 名義と管理者を会社側に直してから、退職日を迎えてもらう
  • 退職の前日までに、担当者のIDを「削除」ではなく「権限の見直し」にとどめる

最後の項目には理由があります。退職日にIDをすぐ消してしまうと、うっかり必要な連携まで止まることがあるからです。まずは新しい管理者が正しく入れることを確認してから、担当者の権限を外すのが落ち着いた順番です。

すでに辞めてしまった場合

辞めたあとでも、多くのケースは取り戻せます。ただし、連絡がつくかどうかで難易度が変わります。次の表で、状況ごとの進め方を確認してください。

状況 まずやること 難易度の目安
担当者と連絡がつく 退職後でも協力をお願いし、名義変更と権限追加を依頼する。必要なら業務委託として短期間の協力を取り決める 比較的やさしい
連絡はつくが非協力的 書面(メールなど)で、会社の資産であることを伝える。契約書や請求書で会社名義の証拠を集める やや難しい
連絡がつかない 契約会社(ドメインやサーバー)へ、会社として問い合わせる。請求書・領収書・登記の書類が手がかりになる 時間がかかることがある
契約書も請求書もない サイトを公開中の画面、DNSの設定、メールの履歴など、残っている情報から契約会社を特定する。専門家への相談をおすすめします 専門家向き

特に「連絡がつかない」場合は、一人で抱え込まず早めに専門家に相談するほうが、結果的に早く片づきます。後半で詳しく触れます。

注意

担当者本人のIDやパスワードを、承諾なく推測して入ることは避けてください。会社の資産であっても、他人のアカウントに無断で入ると、トラブルの原因になることがあります。契約会社の正式な手続きを通すのが基本です。

セクションのまとめ:在籍中なら一緒に画面を見て直し、退職後なら契約会社への正式な手続きで取り戻すのが基本です。

確認が必要な項目一覧|名義・権限・期限の見方

ここからは、具体的に何を確認するのかを項目ごとに見ていきます。社長ご自身が全部操作する必要はありません。「どこの誰が持っているか」を答えられる状態をめざしてください。

項目 確認すること 放置したときに起きやすいこと
ドメイン 契約者・登録先の会社・更新日・自動更新の有無 期限切れでサイトとメールが止まる
レンタルサーバー 契約者・支払い方法・プランの更新日・管理画面のID 支払い失敗でサイトが表示されなくなる
WordPress 管理者IDの数・誰が管理者か・メールの宛先 更新やセキュリティ対応が誰もできなくなる
Googleビジネスプロフィール オーナーのメール・管理者の追加 営業時間や口コミ返信の変更ができない
アナリティクス・サーチコンソール 管理者に会社のメールがあるか アクセスデータが見られなくなる
広告アカウント アカウントの所有者・支払い方法・請求先 知らないうちに広告費が引き落とされ続ける
SNS・予約・メール 管理者・ログインに使うメール・二段階認証 お客様への発信や返信が止まる

次に、項目ごとに押さえたい点をお伝えします。それぞれを確認する際は、連絡先のメールアドレスが誰のものかを必ず見てください。

ドメイン(ホームページの住所)

ドメインは、年単位で更新する契約が一般的です。契約者が誰か、登録している会社はどこか、更新日はいつかを確認します。更新の通知は、登録時のメールアドレスに届きます。そのアドレスが担当者個人のものだと、辞めたあとの通知に誰も気づけません。

更新を忘れた場合の流れや注意点は、ドメインの更新を忘れるとどうなるかで詳しく解説しています。名義の確認と合わせてご覧ください。

レンタルサーバー(サイトを置く場所)

サーバーは、月額または年額の費用を払い続ける契約です。支払いが担当者個人のカードのままだと、そのカードが使えなくなった時点で支払いが止まる恐れがあります。契約者、支払い方法、更新日を確認し、必要なら会社のカードや口座に切り替えます。

契約内容の見方は、レンタルサーバーの選び方と契約確認の基本が参考になります。

WordPress(ホームページの更新画面)

管理者のIDが何個あるか、それぞれ誰のものかを確認します。理想は、社長または役員、別の社員、制作会社など、最低でも二つ以上の管理者がいる状態です。担当者個人の名前だけのIDで運用している場合は、会社用のIDを新しく作ってもらってください。

あわせて、管理画面から届く通知メールの宛先も会社のアドレスに変えます。パスワードを忘れたときの再設定メールも、この宛先に届くからです。

Googleビジネスプロフィール(Googleマップの店舗情報)

Googleマップに表示される店舗情報は、「オーナー」と「管理者」で管理されています。担当者が一人でオーナーになっていると、営業時間の変更や口コミへの返信ができなくなります。会社のメールアドレスをオーナーに追加してもらうのが理想です。

登録や確認の流れは、Googleビジネスプロフィール登録の手順に整理してあります。オーナー権限の考え方もそこで確認できます。

アナリティクスとサーチコンソール(アクセスと検索の記録)

どちらも、サイトの見られ方を記録する無料のGoogleのサービスです。担当者個人のGoogleアカウントでだけ見られる状態だと、辞めた瞬間に過去の記録を見られなくなります。会社のメールで管理者に追加してもらいます。

サーチコンソールの見方はサーチコンソールの使い方に詳しく書いています。

広告アカウント

Google広告などを出している場合は、広告のアカウントと支払い方法の確認が最優先です。担当者が辞めても広告は止まらず、費用だけが発生し続けることがあります。まず広告の配信状況と請求先を確認し、必要なら一時停止してから引き継ぎを進めてください。

SNS・予約システム・メール

見落としやすいのが、SNSの公式アカウント、予約や問い合わせの管理ツール、会社のメールの管理画面です。ログインに使っているメールアドレスが担当者個人のものだと、パスワード再設定すらできません。

  • SNSは、会社の共用メールでアカウントを作り直せるかを確認する
  • 予約・問い合わせツールは、管理者を複数人にする
  • 会社のメールは、退職者のアドレスを転送設定にして問い合わせの取りこぼしを防ぐ

セクションのまとめ:項目ごとに「契約者」「管理者」「通知の宛先」の三つを見れば、抜け漏れはかなり防げます。

担当者に渡すチェックリスト|社長は印刷して渡すだけ

この章は、社長ご自身が読み込む必要はありません。印刷するか、そのまま担当者や後任の方にお渡しください。

社長が確認する8つの項目ドメイン(住所)の契約者と期限サーバー(置き場)の契約者と請求WordPressの管理者IDGoogleビジネスプロフィールのオーナーアナリティクス・サーチコンソール広告アカウントと支払い方法SNS・予約・メールの管理者ID一覧表の保管場所を決める

担当者向け:引き継ぎ確認リスト

区分 確認内容 済み
ドメイン 契約者名・登録会社・更新日・自動更新・通知メールの宛先を書き出した □
サーバー 契約者名・プラン・支払い方法・管理画面のログイン先を書き出した □
WordPress 管理者の一覧を作り、会社用の管理者IDを追加した □
WordPress プラグイン・テーマの有料ライセンスの契約者を確認した □
Googleビジネスプロフィール 会社のメールをオーナーまたは管理者に追加した □
アナリティクス・サーチコンソール 会社のメールを管理者に追加した □
広告 広告アカウントの所有者と支払い方法、現在の配信状況を確認した □
SNS・予約・メール 管理者のメールと二段階認証の設定先を確認した □
ID台帳 上記すべてを一覧表にまとめ、社長に渡した □

台帳には、サービス名・契約者・管理者・メールの宛先・更新日・費用・困ったときの連絡先を書きます。パスワードそのものは、会社が認めた方法(パスワード管理ツールや金庫)で別に保管し、台帳には書かないほうが安全です。

ポイント

台帳は「作って終わり」にしないことが肝心です。年に1〜2回、社長か総務の方が見直す日を決めておくと、次の担当者交代のときに慌てずに済みます。

セクションのまとめ:チェックリストは担当者に渡し、社長は台帳が仕上がったかどうかだけを見れば十分です。

連絡がつかないときの対処|焦らず順番に

担当者がすでに音信不通のときも、会社の資産であることを示せれば取り戻せる可能性は十分にあります。ここでは、考え方の順番を整理します。

手がかりになる書類を集める

  • ドメインやサーバーの請求書・領収書(会社宛か個人宛か)
  • 経理の支払い記録、クレジットカードの明細
  • 制作を依頼した会社との契約書・見積書
  • 会社の登記簿や代表者であることを示す書類

契約会社に問い合わせる際は、会社として所有を示す書類を求められることがあります。経理に残っている請求書は、思った以上に強い手がかりになります。

契約会社へ「会社として」問い合わせる

ドメインやサーバーの契約会社には、名義変更や契約者確認の窓口があります。会社の代表者として問い合わせ、必要書類を案内してもらいます。手続きにかかる期間は会社ごとに違うため、早めに動くことが大切です。

Googleのサービスは公式の復旧手続きを使う

Googleビジネスプロフィールなどは、オーナー確認の申請手続きが用意されています。担当者に連絡がつかなくても、会社が正当なオーナーであることを示せば、権限を取り戻せる場合があります。審査には日数がかかることがあるので、期限のある変更は早めに動いてください。

注意

「元担当者のアカウントに無断でログインする」「パスワードを推測して試す」といった方法は避けてください。法的なトラブルや、アカウントの停止につながる恐れがあります。

専門家に頼むべきタイミング

次のどれかに当てはまるときは、自社で抱え込まず専門家へ相談するのが近道です。

  • 契約書も請求書も見つからず、契約会社が特定できない
  • メールが止まり、お客様とのやり取りに影響が出始めている
  • サイトの表示が崩れている、または見られなくなっている
  • 広告費が出続けているのに、止め方が分からない

無料診断(https://webcan.jp/diagnosis/)では、サイトの現状を確認し、どこから手を付けるべきかを整理できます。状況を直接ご相談されたい場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

セクションのまとめ:連絡がつかないときは、書類集め・契約会社への正式問い合わせ・公式の復旧手続きの順で進めます。

架空の事例|名義の確認でつまずいた小さな会社

ここでご紹介するのは、実在の企業ではなく、よくある流れをもとにした架空の例です。社内の状況に重ねてお読みください。

従業員25名ほどの設備工事会社を想定します。ホームページを7年前に担当者のAさんが立ち上げ、日々の更新も一人で続けてきました。Aさんが家庭の事情で急に退職することになり、社長は「パスワードを聞けば大丈夫だろう」と考えていました。

ところが確認を始めると、ドメインの登録メールはAさんの個人アドレス、サーバーの支払いもAさんの個人カードでした。GoogleマップのオーナーもAさんだけです。更新日は翌月に迫っていました。

この会社は、まずAさんに協力を依頼し、退職日までの2週間で次の順に進めました。

順番 対応 結果
1 ドメイン・サーバーの契約者情報を会社名義に変更手続き 請求先が会社になり、更新通知が総務にも届くように
2 WordPress・Googleの管理者に、総務と社長のメールを追加 Aさん退職後も設定変更が可能に
3 ID台帳を作り、金庫のある書類棚に保管 次の担当者がすぐ参照できる状態に
4 今後の運用を、外部の代行先と相談して決める 更新と日常運用を分担する体制に

この例のポイントは、退職日の前に動いたことと、パスワードではなく権限の追加で解決した点です。同じ会社でも、退職後に動いていたら、はるかに手間がかかったでしょう。

セクションのまとめ:名義変更と管理者の追加を、退職日までに終えておくと手間が大きく減ります。

今後は誰がやるか|社内で担う場合と外部に任せる場合の判断軸

名義と権限を整えたら、次は「今後の運用を誰が担うか」を決める番です。ここは社長の経営判断になります。判断の視点を表にまとめました。

判断軸 社内で担う 外部に任せる
人手 専任でなくても、週に決まった時間を確保できる 社内に割ける人がいない、または兼務で手が回らない
知識 担当者が学べる環境があり、相談相手もいる 専門知識が必要な更新・セキュリティ対応が多い
費用の考え方 人件費として見える化しにくいが、ノウハウが社内に残る 毎月の費用は明確だが、依存先ができる
退職リスク また担当者が辞めると同じ問題が起きる 担当が変わっても、契約と記録は会社に残る
向いている会社 更新頻度が高く、社内で発信したい 更新は少なく、止めないことが最優先

どちらが正解ということはありません。ただし、「一人に全部を任せる」運用は、社内でも外部でも避けるべきです。担当が一人だと、どうしても属人化(その人にしか分からない状態)が進むからです。

「全部社内」でも「全部外部」でもなく、役割を分ける

おすすめは、役割を分ける考え方です。契約と名義の管理は会社(総務や社長)、日々の更新は社内の担当者、設定変更や集客の改善は外部の専門家、という形です。こうすれば、誰かが抜けても全体が止まりません。

役割 担当のめやす 理由
契約・名義・支払い 会社(社長・総務) 担当者が変わっても、契約が会社に残る
日々の更新(お知らせ・写真など) 社内の担当者 現場の情報を最も早く出せる
技術的な設定・セキュリティ 外部の専門家 専門知識と最新情報が必要
集客の改善・数字の確認 社内と外部の共同 経営判断は会社、分析は専門家

社内で担う場合の進め方はWeb担当者になったら最初の30日でやるべきことが役に立ちます。新しく担当になる方に渡す資料としても使えます。

外部に任せる場合の範囲や選び方はWeb担当者代行とはに詳しくまとめました。内製と外注をどう比べるかについては、Webマーケティング内製化 vs 外注も参考になります。

費用を比べるときの見方

費用は、依頼先や作業範囲によって幅が大きく変わります。そのため、金額の安さだけで決めず、「何をどこまで含むか」「契約と名義はどちらに置くか」を必ず確認してください。複数社から見積もりを取り、同じ条件で比べるのが基本です。

  • 作業範囲(更新、保守、集客の改善のどこまでか)
  • 契約の名義は会社になっているか
  • 担当が変わったときの引き継ぎ方
  • 解約するときに、データや権限を返してもらえるか

なお、外部に任せた場合でも、ドメインやサーバーの契約名義は必ず会社にしておきます。これは、今回の問題を二度と繰り返さないための最も大事なルールです。

セクションのまとめ:契約は会社、更新は社内、専門対応は外部と役割を分けると、担当者が変わっても止まりません。

AIを使った引き継ぎの整理|無理なくできる範囲で

引き継ぎ資料づくりでは、AI(文章を作る道具)を補助として使うと、作業が楽になります。ただし、IDやパスワードを入力する使い方は避けてください。

  • 担当者の口頭メモを、読みやすい手順書の形に整える
  • 台帳の項目一覧(サービス名・契約者・更新日など)のひな形を作る
  • 引き継ぎのスケジュール案や、担当者への依頼文の下書きを作る
  • 更新日が近いものを並べる確認用の一覧を作る

注意

パスワード、クレジットカード番号、顧客情報は、AIに入力しないでください。AIには「項目の整理」と「文章づくり」だけを任せ、機密情報は人の手で管理するのが安全です。

AIは便利ですが、最終的な確認は人が行います。AIが出した手順をそのまま信じず、実際の画面と照らし合わせてください。完全に任せず、人の判断を残すのが実務のコツです。

セクションのまとめ:AIは台帳づくりと文章の下書きに使い、機密情報は入れないのが基本です。

やってはいけない5つのこと

最後に、引き継ぎで起こりがちな失敗を整理します。どれも、良かれと思って行いがちな点です。

やってはいけないこと 理由 代わりにすること
担当者のIDをすぐに削除する 必要な連携や通知が止まることがある 新しい管理者の動作を確認してから外す
パスワードをメールやチャットで共有する 流出や、退職者に残る恐れがある パスワード管理ツールなど、会社が認めた方法で保管
担当者個人のメールで契約を続ける 通知や再設定メールが届かなくなる 会社の共用メールに変更する
引き継ぎを「口頭だけ」で済ませる 記録が残らず、次の交代でまた困る 台帳と手順書に書き残す
慌てて制作会社や代行先を決める 名義や契約条件を確認しないまま依存先ができる 契約名義と範囲を確認し、複数社を比べる

特に最初の項目は、善意でやってしまいやすい点です。権限の見直しは、必ず順番を守って進めてください。

セクションのまとめ:急いで消す・口頭で済ませる・名義を確認せず依頼する、の三つは避けてください。

よくある質問

Web担当者の退職に関して、社長からよくいただく質問をまとめました。

Q. Web担当者が辞めたら、ホームページはすぐ見られなくなりますか?

担当者が辞めただけで、すぐにサイトが消えることは通常ありません。ただし、ドメインやサーバーの支払い・更新が止まると、数日から数か月の間に表示されなくなる可能性があります。契約者と更新日を早めに確認してください。

Q. ドメインやサーバーの名義が担当者個人になっていました。どうすればよいですか?

まず担当者に協力を依頼し、契約している会社の手続きで会社名義へ変更します。連絡がつかない場合は、請求書などの書類を集めて、契約会社に会社として問い合わせてください。必要書類は会社ごとに異なります。

Q. パスワードが分からない場合、どうすればよいですか?

各サービスの「パスワードを忘れた場合」の再設定機能を使います。その際、登録メールアドレスが誰のものかが重要です。担当者のアドレスだと再設定メールが届かないため、先にメールの宛先を確認してください。

Q. 引き継ぎ資料には何を書けばよいですか?

サービス名、契約者、管理者、通知メールの宛先、更新日、費用、困ったときの連絡先が基本です。パスワードそのものは台帳に書かず、別の安全な方法で保管するのをおすすめします。

Q. 今後は社内で担当を置くべきですか、外部に任せるべきですか?

更新頻度、社内の人手、専門知識の有無で決めます。契約と名義は会社が持ち、日々の更新は社内、専門的な設定は外部と分ける方法が現実的です。一人に全部任せない形にすると、担当が変わっても止まりにくくなります。

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まとめ:担当者が変わっても止まらない仕組みを会社に置く

Web担当者の退職は、ホームページの運用を見直す良い機会でもあります。慌てる必要はありませんが、名義と権限の確認は後回しにしないでください。

  • 最初の3日で、持ち物の棚卸し・名義確認・管理者の追加・ID台帳の4点を済ませる
  • 在籍中なら画面を見ながら一緒に直し、退職後なら契約会社への正式手続きで取り戻す
  • 確認は「契約者」「管理者」「通知の宛先」の三つを見る
  • 今後は契約は会社、更新は社内、専門対応は外部と役割を分ける
  • 台帳を年1〜2回見直し、次の交代に備える

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この記事の執筆

webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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