この記事の要点
検索対策(SEO)を月額で外注するとき、契約前に見る点は5つです。最低契約期間、途中解約の費用、解約の手続き、解約後に残るもの、引き継ぎの協力です。この5つを契約書の文面で確かめておけば、「やめたいのにやめられない」「やめたら何も残らない」という困りごとの多くは避けられます。
検索対策を外注するとき、社長が気にするのは「本当に効果が出るのか」という点です。ところが、契約書の中で後から効いてくるのは、効果の話よりも「いつまで続ける契約なのか」「やめるときに何が起きるのか」という部分です。
契約の話は、始める前だと切り出しにくく、やめるときになってから慌てて読み返す方が多いと言われます。この記事では、検索対策(Googleなどで自社のサイトが見つかりやすくするための取り組み)の月額契約に絞って、契約前に確認したい5つの項目を整理します。
成果が出たときだけ支払う契約は、仕組みが別です。そちらは成果報酬型の検索対策は得かで扱っています。ホームページのサーバーや更新作業の保守契約についてはホームページの保守契約は解約してよいかをご覧ください。この記事は、毎月一定額を払って検索対策を任せる契約だけを対象にします。
注意
この記事は一般的な考え方の整理です。個々の契約書が有効か、違約金が請求できるかといった法律の判断はしていません。金額が大きいときや揉めそうなときは、契約書を持って弁護士などの専門家に確認してください。
まず結論:契約前に確認する5項目と見る場所
先に全体像を表にします。契約書や見積書のどこを見ればよいかも添えました。担当者に渡して「この5つが書いてあるか見てください」と頼むだけでも、確認漏れはかなり減ります。
| 確認する項目 | 社長が知りたいこと | 契約書の言葉の例 |
|---|---|---|
| 1 最低契約期間 | 何カ月間は、途中でやめられない約束になっているか | 「契約期間」「最低利用期間」「初回期間」 |
| 2 途中解約の費用 | 期間の途中でやめたら、いくら払うことになるか | 「中途解約」「解約金」「違約金」「残存期間」 |
| 3 解約の手続き | いつまでに、誰に、どんな方法で伝えれば止まるか | 「解約の申出」「自動更新」「予告期間」 |
| 4 解約後に残るもの | 書いてもらった記事、入れた設定、集めたデータは誰のものか | 「成果物の帰属」「著作権」「利用許諾」 |
| 5 引き継ぎの協力 | 次の会社や自社に切り替えるとき、資料を渡してもらえるか | 「引継ぎ」「データの返却」「アカウント管理」 |
なぜ「契約の出口」から先に見るのか
契約は、入口の条件がよく見えるように作られています。料金、作業の内容、毎月の報告などは、営業の場面でよく説明されます。一方で、出口の条件は契約書の後ろの方に小さく書かれていることが少なくありません。
出口の条件が悪い契約は、成果が出ているうちは問題になりません。問題になるのは、成果がはっきりしない、担当者が変わった、会社の方針が変わったといった場面です。そのときに「やめる」という選択肢を持てるかどうかが、経営の自由度を左右します。
もちろん、解約しやすい契約が良い契約とは限りません。検索対策は、結果が出るまでに時間がかかる取り組みです。最低契約期間があること自体は、それだけで悪いこととは言えません。見るべきは、その期間の長さが内容に見合っているかどうかです。
ポイント
契約書を読むときは、料金の欄より先に「期間」「解約」「成果物の帰属」の3つの見出しを探してください。この3つが見つからない契約書は、口頭の説明だけに頼っていることになり、後から食い違いが起きやすくなります。
セクションのまとめ:契約前に見るのは、最低契約期間、途中解約の費用、解約の手続き、解約後に残るもの、引き継ぎの協力の5つです。入口より出口の条件を先に確かめます。
項目1:最低契約期間は「何カ月か」より「その間に何をしてもらえるか」
いわゆる「縛り」とも呼ばれる最低契約期間とは、その期間内はやめられない(またはやめると費用がかかる)と決めた期間のことです。検索対策の契約では、3カ月、6カ月、12カ月といった区切りが提示されることがあります。
期間の「相場」は、確かな数字がありません
「検索対策の最低契約期間は平均で何カ月」と言い切れる公的な統計は、現時点で確認できていません。インターネット上には業者が自社の経験として書いた数字が見つかりますが、調べ方がそれぞれ違うため、そのまま基準にするのはおすすめできません。
そこで、この記事では期間の長さに「正解」を置かず、契約書で確認する項目として扱います。見積書に書かれた期間が、次に挙げる3つの点と釣り合っているかを見てください。
- 期間の長さ:検索対策は、手を入れてから順位や問い合わせが動くまで、数カ月かかるのが一般的と言われます(個別のサイトで差があり、約束できるものではありません)。
- 期間中の作業量:毎月どの作業を何件やるのかが書かれているか。「月額」だけで中身が見えない契約は避けたい契約です。
- 期間中の報告:月に一度、何をしたか・数字がどう動いたかの報告があるか。報告の見方は検索順位レポートの見方で整理しています。
初回だけ短い、更新後は長い、というパターンに注意
契約には、「初回は3カ月」「2回目以降は12カ月ごとの自動更新」のように、期間が途中で切り替わるものがあります。初回の条件だけを見て安心していると、更新後に長い縛りに変わっていることがあります。
見積書の表紙には「最短3カ月」と書かれていても、契約書の本文には別の条件が書かれていることもあります。必ず契約書の本文で、初回と更新後の両方の期間を確かめてください。
| よくある期間の形 | 確認すること | 社長の判断のしかた |
|---|---|---|
| 初回が短く、その後は月ごとの更新 | 更新のたびに解約を申し出られるか | 動きやすい形。ただし成果を見る前にやめてしまわないよう、自社でも「何カ月は様子を見る」と決めておく |
| 初回が長く、中途解約に費用 | 初回期間の月数と、途中でやめたときの請求額 | 作業内容と報告が細かく書かれているなら、検討の余地あり |
| 最初の数カ月は初期作業、その後は月額 | 初期作業の費用と月額が分かれているか | 初期作業で何を納品してもらえるかを確認する |
| 期間の定めがなく、いつでも解約可能 | 解約の予告期間(例:1カ月前)があるか | 自由度は高い。作業の継続性は担当者と話し合って確かめる |
架空の例で考える:社長が迷う場面
ここからは、架空の例です。従業員30名ほどの設備工事会社の社長が、検索対策の見積書を2社から受け取ったとします。A社は月額が少し安く、最低契約期間が12カ月です。B社は月額がやや高く、最低契約期間が3カ月で、その後は1カ月前の申し出でやめられます。
金額だけを見ればA社に惹かれますが、12カ月間は途中でやめにくい契約です。仮に月額を5万円とすると、12カ月で60万円の約束になります。B社が月額6万円で3カ月だけなら、最初の約束は18万円です。数字は説明のための仮のものですが、「約束の総額」で比べると見え方が変わります。
社長が見るのは月額ではなく、「最初に約束する総額」と「やめたいときの出口」です。この見方を持っておくだけで、見積書の読み方が変わります。
セクションのまとめ:最低契約期間は、長さそのものより、期間中の作業内容・報告・初回と更新後の違いで判断します。期間の相場は確かな統計がないため、契約書で確かめる項目として扱います。
項目2:途中解約の費用は「残りの月額」と「違約金」を分けて読む
次に確かめるのは、期間の途中でやめたいと思ったときに、いくら払うことになるかです。ここは契約書の文面の差が最も出るところで、同じ「中途解約」という言葉でも、中身が大きく違います。
途中解約の費用には、4つの形があります
| 形 | 中身 | 社長が確かめること |
|---|---|---|
| 残りの期間の月額を全額払う | 最低契約期間が12カ月で6カ月目にやめるなら、残り6カ月分の月額を払う | 残りの月数に、その月の作業が実際にあるか。作業を止めても請求されるのか |
| 決まった額の違約金を払う | 「月額の2カ月分」「一律○万円」のように、残りの月数と関係なく決まっている | 金額の根拠が書かれているか。契約書のどこに書いてあるか |
| 初期費用の残りを精算する | 初期作業の費用を分割で払っていたとき、未払い分をまとめて払う | 初期費用の内訳(何の作業にいくらか)が見積書に分かれているか |
| 費用はかからず、予告期間だけある | 「1カ月前に申し出れば解約できる」とだけ書かれている | 予告期間の数え方(月末締めか、申出日からか) |
費用の形によって、社長が負う負担の大きさは変わります。たとえば、残りの期間の月額を全額払う形は、契約の終わりまで請求が続く約束と同じです。一方、予告期間だけの契約は、やめやすい代わりに、業者側も作業の見通しを立てにくく、長期の施策に踏み込みにくいという面があります。
「残りの月額」を払う場合の考え方
最低契約期間の途中で解約する場合に、残りの月額を払う約束になっていることは、実際によくある形です。その場合に確かめたいのは、残りの期間に業者が実際に行う作業が、きちんと契約書に書かれているかどうかです。
たとえば、「月額に含まれる作業」が「記事の追加2本、順位の確認、月次報告」と明記されていれば、残りの月額は、その作業に対する対価として分かりやすい説明になります。反対に、作業内容が「検索対策一式」としか書かれていないと、作業をしていない期間の請求に納得しにくくなります。
なお、請求が妥当かどうかの判断は、契約書の内容や個別の事情によって変わります。この記事では結論を出しません。実際に請求された場合は、金額と契約書の該当箇所を持って、専門家に確認してください。
違約金が書かれているときの読み方
違約金(約束を途中で破ったときに払うお金)は、契約書に金額や計算方法が書かれているかを見ます。違約金の定めがなくても、事情によっては費用を求められることがあります。判断は専門家に確認してください。また、「別途協議のうえ決定する」のような曖昧な書き方にも注意が必要です。
- 金額または計算方法(月額の何カ月分か)が書かれているか
- どの場面で発生するのか(社長の都合で解約したときだけか、業者側の事情でも発生するのか)
- 業者の側に問題があって解約するときの扱い(作業が行われていない、報告がないなど)が書かれているか
3つ目の「業者側に問題があるとき」の扱いは、見落とされやすい点です。作業が約束どおり行われていないときに、契約を解除できる条件があるかどうかを見てください。書かれていない場合は、契約前に「作業が行われなかった月はどう扱うのか」と質問し、返事を書面(メールでもよい)で残しておくと安心です。
注意
「違約金はありません」という説明を、口頭だけで受け取らないでください。営業の方の説明と契約書の文面が食い違ったとき、口頭の説明を後から証明するのは難しく、書面の内容をもとに話し合うことになりがちです。説明を聞いたら、その内容をメールで送ってもらうか、契約書に書き加えてもらいましょう。
架空の例で考える:6カ月目に「やめたい」と思ったとき
架空の例です。小売店を営む社長が、12カ月の最低契約期間で、月額4万円の検索対策を始めました。6カ月が過ぎても問い合わせがほとんど増えず、社長は「いったんやめて様子を見たい」と考えました。
このとき契約書に「中途解約の場合は残存期間の月額を支払う」と書かれていれば、残り6カ月分、つまり24万円(4万円×6カ月)を払うことになる計算です。数字は説明のための仮のものですが、この24万円を払ってでも、やめた方がよいのか。それとも、残りの6カ月で何が変わるのかを担当者に説明してもらうのが先か。社長が判断するときの材料になります。
ここで大切なのは、やめるかどうかを決める前に、担当者に「この6カ月でやったこと」「次の6カ月でやること」を文書でもらうことです。やめるにしても続けるにしても、その資料が次の判断の根拠になります。
セクションのまとめ:途中解約の費用は、残りの月額・決まった違約金・初期費用の精算・予告期間のみ、の4つの形に分けて読みます。業者側に問題があるときの扱いも書面で確かめます。
項目3:解約の手続きは「いつまでに・誰に・どの方法で」を決める
3つ目は、解約したいと決めたとき、どう手続きをすれば止まるのかです。中身の条件が悪くなくても、手続きの決まりを知らないまま期限を過ぎてしまい、もう1期間分の支払いが発生することがあります。
自動更新の仕組みを必ず確認する
検索対策の月額契約には、期間が終わっても自動で次の期間に続く「自動更新」が付いているものが多くあります。自動更新そのものは、業者にも社長にも便利な仕組みです。ただし、更新を止めるための申し出に期限があることが、見落とされがちです。
たとえば、「契約期間満了の1カ月前までに書面で申し出ること」と書かれていれば、満了の1カ月前を過ぎると、次の期間も契約が続きます。この期限を、社長自身か担当者が手帳やカレンダーに入れておくことをおすすめします。
| 確認する点 | 具体的な見方 | 見落とすと起きること |
|---|---|---|
| 申し出の期限 | 満了日の何日前(何カ月前)までか。月末が締めか、申出日からの数え方か | 期限を数日過ぎただけで、次の期間分の支払いが発生する |
| 申し出の相手 | 担当者に伝えればよいのか、会社の窓口や専用の書式が必要か | 担当者に口頭で伝えたが、会社として受け付けられていない |
| 申し出の方法 | 書面・メール・専用フォーム・電話のどれか。郵送なら到着日が基準か | メールで伝えたつもりが、書面のみ有効とされていた |
| 受付の確認 | 受け付けたという返事(メールや書面)がもらえるか | 言った・言わないの争いになり、証拠が残らない |
| 最終月の扱い | 解約日に、日割りの返金はあるか。月の途中でやめた月の請求はどうなるか | 解約日の翌月分まで請求が来る |
社長の関与がないところで更新が進まないようにする
従業員が数十名いる会社でも、検索対策の契約は、広報や総務の担当者が窓口になっていることが多いようです。その場合、更新の時期に社長が気づかないまま、前年と同じ条件で契約が続くことがあります。
おすすめしたいのは、契約を結んだ日に、次の3つを担当者と決めておくことです。難しい作業ではありません。契約書の写しに書き込むだけで足ります。
- 更新の確認をする日(満了日の2カ月前など)を社内のカレンダーに入れる
- その日に、担当者が「続けるか、やめるか、条件を変えるか」を社長に1枚の紙で報告する
- 続ける場合も、数字(問い合わせ数、順位の動き)と、次の期間にやってもらうことを確認する
この3つがあれば、「いつの間にか契約が続いていた」という状況は、ほとんど避けられます。やめる・続けるのどちらを選ぶ場合でも、社長が自分で決めたという形にしておくことが大切です。
解約を伝えたあとに確認すること
解約を申し出たら、業者から受付の返事をもらいます。返事には、解約日、最終の請求月、引き継ぎの段取りが書かれているのが理想です。書かれていない場合は、こちらから質問し、書面(メール)で答えてもらいましょう。
なお、解約の申し出がうまく伝わらない、受け付けてもらえない、といった問題が起きたときは、早めに専門家へ相談してください。やり取りの記録(メールや書面)は、すべて保管しておくと役に立ちます。
ポイント
解約の手続きは、契約した日のうちに「期限をカレンダーに入れる」ところまで済ませておきます。解約するかどうかは後で決めればよいのですが、期限は後からでは動かせません。
セクションのまとめ:解約の手続きは、期限・相手・方法・受付の確認の4点を決めておきます。自動更新の申し出期限を、契約した日にカレンダーへ入れておくのが一番の備えです。
項目4:解約後に記事や設定が残るかは「誰のものか」で決まる
4つ目は、検索対策を通じて作られたものが、解約後にどうなるかです。ここは、社長が後から最も驚きやすい部分です。お金を払って作ってもらったのだから自社のものだと思っていたら、契約上は業者のものだった、ということが起こり得ます。
確認したいのは「成果物」「アカウント」「データ」の3つ
解約後に残るかどうかを考えるとき、検索対策で作られるものを3つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 種類 | 具体的なもの | 契約書で確かめること |
|---|---|---|
| 成果物(形のあるもの) | 自社サイトに追加した記事、直したページ、画像、構造化データ(検索結果への見せ方を整える情報) | 記事の著作権(作った文章の権利)が誰にあるか。自社サイトに載せた記事を、解約後も使い続けてよいか |
| アカウント・設定 | Search Console(Googleから見たサイトの状態を見る無料ツール)、アクセス解析、Googleビジネスプロフィールの管理権限 | アカウントの名義が自社か。管理者の権限が自社に残るか |
| データ・資料 | 順位の記録、月次報告書、キーワードの調査結果、作業の履歴 | 解約後に渡してもらえるか。渡す形式(PDF、表計算ファイル)と期限 |
| 業者の道具・仕組み | 業者独自の管理ツール、順位を調べる有料ツール、記事の下書き用の仕組み | これは自社のものにならないのが普通。ただし、そこに自社のデータが入っていないか |
記事の著作権という落とし穴
検索対策では、自社のホームページに新しい記事を追加するのが代表的な作業です。この記事の著作権(文章の権利)が、契約上どちらにあるのかは、必ず確かめたい点です。
一般に、お金を払って作ってもらった文章でも、契約書に特に書かれていなければ、著作権は作った側に残る扱いになることがあります。その場合、自社サイトに載せ続けるための許諾(使ってよいという許し)が、契約書に書かれているかどうかが重要になります。
- 「納品した記事の著作権は、代金の支払いを受けた時点で社長の会社に移る」と書かれているか
- 移らない場合でも、「自社サイトでの利用は解約後も続けてよい」と書かれているか
- 記事を他社のサイトでも使い回していないか(同じ文章を複数の会社に出していないか)
この確認は、法律の細かい話に入るため、判断が難しい部分です。契約書の文面に不安があるときは、専門家に見てもらってください。社長が見るのは、「自社サイトに載せた記事を、解約したあとも使い続けられるか」の一点で十分です。
解約したら順位が下がるのか
「解約したら、せっかく上がった順位が下がるのでは」という不安は、とてもよく聞かれます。結論から言うと、一概には言えません。自社サイトに載った記事や直したページが残れば、それらは引き続き検索結果に表示され得ます。
一方で、検索の順位は、競合する会社の動きや、Googleの仕組みの変更によっても動きます。解約しなくても下がることはありますし、解約しても下がらないこともあります。解約と順位の関係を断定するのは難しいため、ここでは「記事や設定が自社に残る契約の方が、選択肢が広がる」という点を押さえておけば十分です。
順位が下がったときの回復までの目安は検索順位が下がったときの回復期間の目安にまとめています。慌てて判断しないための参考にしてください。
セクションのまとめ:解約後に残るかどうかは、成果物・アカウント・データの3つを「誰のものか」で整理して確認します。記事の著作権と、アカウントの名義は特に大切です。
項目5:引き継ぎの協力が書かれているかで「次の一手」が変わる
最後の項目は、解約するときに、業者が引き継ぎにどこまで協力してくれるかです。次の会社に切り替える場合も、自社で続ける場合も、引き継ぎの質で、その後の数カ月が大きく変わります。
引き継ぎで受け取りたい5つのもの
| 受け取るもの | なぜ必要か | 頼み方のコツ |
|---|---|---|
| アカウントの管理者権限 | Search Consoleやアクセス解析を自社で見続けるため | 契約の最初から、自社名義で作ってもらうのが一番確実 |
| 作業の履歴 | これまでに何をしたかが分からないと、同じ作業をやり直すことになる | 「月ごとに、やったことを1枚にまとめて」と頼む |
| 記事とページの一覧 | どのページを、いつ、何のために直したかを把握するため | 表計算ファイルでもらう |
| 調査したキーワードの一覧 | 次の会社が一から調べ直す手間と費用を省けるため | 「狙っている言葉の一覧と、その理由」として頼む |
| 月次報告書の過去分 | 数字の推移を比べるため。業者を替えると、数字の出し方が変わることがある | PDFで全部もらう |
この5つは、解約を決めてから頼むと、渋られたり、有料と言われたりすることがあります。理想は、契約書に「解約時に上記を引き渡す」と最初から書いておくことです。難しい場合でも、契約前に口頭ではなくメールで「解約時にはこれらをいただけますか」と確認し、返事を残しておくと安心です。
「いつまでに渡すか」と「いくらかかるか」も確認する
引き継ぎの資料を渡すのに、期限と費用がどうなるかも、あらかじめ確認しておきたい点です。解約日の翌日から、アカウントへのアクセスができなくなる契約もあります。解約日の前に、必要な資料を受け取る段取りを組んでください。
- 資料を渡してもらう期限(解約日の何日前までか、何日後までか)
- 資料の形式(PDF・表計算ファイル・画面のコピーなど)
- 引き継ぎの説明会や打ち合わせが、月額に含まれるのか別料金なのか
- 別の会社に切り替える場合、その会社に直接説明してもらえるか
ポイント
引き継ぎで一番困るのは、アカウントの名義が業者になっているときです。契約の最初に「Search Consoleとアクセス解析は自社の名義で作って、業者には管理者として入ってもらう」形にしておくと、解約後も自社の手元に数字が残ります。
セクションのまとめ:引き継ぎは、アカウントの権限・作業の履歴・ページの一覧・キーワードの一覧・過去の報告書の5つを、期限と費用も含めて契約前に確認します。
他の契約と比べる:月額契約・成果報酬・保守契約の違い
ここまでは、毎月一定額を払う検索対策の月額契約を前提に見てきました。他にも似た名前の契約があるため、混同しないように違いを整理しておきます。それぞれの詳しい内容は、別の記事で扱っています。
| 契約の種類 | 払い方 | 解約で特に確認すること | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|
| 検索対策の月額契約(この記事) | 毎月一定額 | 最低契約期間、途中解約の費用、成果物の帰属 | SEO対策代行とは |
| 成果報酬型の検索対策 | 順位などの条件を満たしたときに支払う | 成果の定義、条件が外れたときの扱い、解約後の請求 | 成果報酬型の検索対策は得か |
| ホームページの保守契約 | 毎月または年額 | サーバーや更新作業の引き継ぎ、サイトの管理権限 | ホームページの保守契約は解約してよいか |
たとえば、同じ会社から「検索対策」と「ホームページの保守」の両方を、1つの契約で受けていることがあります。その場合、片方だけ解約したいときの扱いが契約書に書かれているかを確かめてください。保守だけを解約したつもりが、検索対策の契約も終わっていた、または逆に続いていた、ということが起こり得ます。
契約の流れを時間の順に並べると
セクションのまとめ:月額契約・成果報酬・保守契約は、払い方も解約時の確認点も違います。同じ会社と複数の契約を結んでいるときは、片方だけ解約したときの扱いを確かめます。
担当者に渡すチェックリスト:契約書で見る場所と質問の文例
ここからは、社長ご自身で細かく確認するのではなく、担当者や顧問の方に渡して使っていただくための章です。契約書を前にして、順番に印を付けていけば確認が終わります。
契約書を見ながら印を付ける10項目
- 最低契約期間は何カ月か。初回と更新後で違うか
- 自動更新の条項があるか。更新を止める申し出の期限はいつか
- 中途解約の条項があるか。費用の形は、残りの月額か違約金か
- 費用の金額、または計算方法が書かれているか
- 解約の申し出の相手と方法(書面・メール・専用の書式)は何か
- 受付の確認がもらえる決まりになっているか
- 月額に含まれる作業の内容と量が書かれているか
- 成果物(記事など)の著作権の帰属と、解約後の利用が書かれているか
- アカウントの名義と管理者権限が、自社に残る形か
- 解約時の資料の引き渡しと、その期限・費用が書かれているか
営業の方への質問の文例
契約書に書かれていない点は、営業の方に質問し、返事をメールで残してもらいます。次の文例は、そのまま使っていただけます。
- 「最低契約期間の間、毎月どの作業を何件行うのか、書面にしていただけますか」
- 「期間の途中で解約する場合、費用の金額と計算方法を教えてください」
- 「解約を申し出る期限と方法を、メールで確認させてください」
- 「納品いただく記事の著作権は、どちらにありますか。解約後も自社サイトに載せ続けてよいですか」
- 「Search Consoleとアクセス解析は、自社名義で作成していただけますか」
- 「解約する場合、順位の記録と作業の履歴をいただけますか。期限と費用も教えてください」
質問に誠実に答えてくれる業者かどうかは、この段階で見分けられます。曖昧に濁す、答えを後回しにする、書面にするのを嫌がる、といった様子が見られたときは、契約を急がずに別の会社と比べる余裕を持ってください。
セクションのまとめ:契約書を見ながら印を付ける10項目と、営業の方への質問6つを担当者に渡します。返事は必ずメールで残してもらいます。
やってはいけない5つのこと
契約の場面でありがちな失敗を、5つに絞りました。どれも、少し気をつけるだけで避けられます。
| やってはいけないこと | なぜ避けたいか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 月額の安さだけで決める | 最低契約期間が長いと、約束する総額は大きくなる | 月額×期間の「約束の総額」で比べる |
| 口頭の説明だけで契約する | 口頭の説明は証拠として残りにくく、書面の方が証拠として強い | 説明された内容をメールまたは契約書に残す |
| 解約の期限を確認しない | 1日過ぎるだけで、次の期間分の支払いが発生することがある | 契約した日に期限をカレンダーへ入れる |
| 解約を決めてから、資料を頼む | 解約日以降はアカウントにアクセスできなくなることがある | 解約を申し出る前に、引き継ぎ資料の段取りを組む |
| 業者の名義でアカウントを作らせる | 解約した瞬間に、自社に数字が残らなくなる | 自社名義で作成し、業者には管理者として入ってもらう |
注意
契約書の内容が有効かどうか、違約金を支払う必要があるかどうかといった法律の判断は、この記事では行いません。金額が大きい場合や、業者との話し合いがうまく進まない場合は、契約書の写しとやり取りの記録を持って、弁護士などの専門家に相談してください。
セクションのまとめ:月額の安さだけで決めない、口頭だけで済ませない、期限を確認する、引き継ぎを先に頼む、アカウントは自社名義にする、の5つを避けます。
AIを使って契約書の確認を手伝ってもらうときの注意
近ごろは、契約書の文章をAIに読ませて、気になる点を挙げてもらう使い方も広がっています。担当者の負担を減らす道具として、上手に使えば便利です。ただし、使い方を誤ると、思わぬ問題につながります。
AIに任せてよいこと、任せてはいけないこと
| 内容 | AIの使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 難しい言い回しを分かりやすくする | 「この条文を、中学生にも分かる言葉で説明して」と頼む | 説明が間違っていることもあるため、原文と見比べる |
| 確認項目の抜けを探す | この記事の10項目を渡し、「契約書にこれらが書かれているか」と頼む | 書かれていない点は、人が業者に質問する |
| 質問のメールの文面を作る | 「次の点を丁寧に尋ねるメールを書いて」と頼む | 送る前に、社長か担当者が必ず読む |
| 契約が有効か、請求が妥当かを判断する | 頼まない | 法律の判断は、専門家の仕事。AIの答えを根拠にしない |
もう1つ、大切な注意点があります。契約書には、取引先の名前、金額、社内の情報が含まれます。AIに読ませるときは、会社名や金額などを伏せてから渡すか、社内の取り決め(情報の取り扱いのルール)に沿って使うようにしてください。業者との間に秘密を守る約束(秘密保持契約)がある場合は、その内容も確認が必要です。
AIは、あくまで下調べの助手です。最後に契約するかどうかを決めるのは社長であり、判断に迷う点は、人に聞いて確かめるという流れを崩さないことが大切です。
セクションのまとめ:AIは、言い回しの説明や確認項目の抜け探しには役立ちます。法律の判断には使わず、契約書の内容を渡すときは、社名や金額を伏せるなど情報の扱いに気をつけます。
すでに契約中の社長へ:今日からできる3つの確認
この記事を読んでいる方の中には、すでに検索対策を外注していて、「契約書をきちんと読んだことがない」という方もいらっしゃるかもしれません。そのときは、次の3つだけ確認してみてください。1時間もかからない作業です。
- 契約書の写しを探し、最低契約期間と自動更新の条項、更新の申し出の期限を確認する
- Search Consoleとアクセス解析の管理者に、自社の誰かが入っているかを確認する
- 業者の月次報告書が、直近3カ月分、手元にあるかを確認する
この確認で「契約書が見つからない」「アカウントの名義が分からない」という結果になっても、慌てる必要はありません。まず業者に連絡し、契約書の写しを送ってもらうところから始めれば十分です。見直しのきっかけとして、前向きに進めてください。
外注を続けるべきか、社内でやるべきかを考え直したいときは、検索対策は社内でやるか外注するかの判断表が参考になります。外注と内製の費用の比べ方も、あわせてご覧ください。
セクションのまとめ:すでに契約中の方は、契約書の期間と更新の期限、アカウントの管理者、月次報告書の3つを確認します。書類が見つからないときは、業者に写しを頼みます。
よくある質問
契約や解約について、社長からよく聞かれる質問をまとめました。
Q. 検索対策の最低契約期間は、何カ月が普通ですか。
公的な統計は確認できておらず、「普通は何カ月」と言い切ることはできません。見積書では数カ月から1年単位の期間が示されることがありますが、大切なのは長さより中身です。期間中の作業内容、毎月の報告、途中解約の費用が契約書に書かれているかを確かめてください。
Q. 違約金のある契約は、避けた方がよいのでしょうか。
違約金があること自体で、悪い契約とは言えません。金額や計算方法が書かれているか、どんな場面で発生するのか、業者側に問題があるときの扱いはどうか、の3点を見て判断します。有効かどうかの法律的な判断は、専門家にご相談ください。
Q. 解約すると、検索の順位は下がりますか。
一概には言えません。自社サイトに載った記事や直したページが残れば、引き続き検索結果に表示され得ます。ただし順位は競合の動きや検索の仕組みの変更でも動くため、解約との関係を断定することはできません。記事や設定が自社に残る契約かどうかを確認しておくと安心です。
Q. 解約を申し出たのに、契約が更新されてしまったときはどうすればよいですか。
まず契約書で、申し出の期限、相手、方法がどう書かれているかを確認し、いつ誰にどう伝えたかの記録(メールなど)を集めてください。そのうえで業者に事情を伝えて相談し、解決しない場合は、弁護士などの専門家に契約書とやり取りの記録を見せて相談することをおすすめします。
Q. 成果報酬型や、ホームページの保守契約とは、どう違いますか。
この記事の対象は、毎月一定額を払う検索対策の月額契約です。成果報酬型は、成果の定義と解約後の請求が、保守契約は、サーバーや更新作業の引き継ぎが、それぞれ確認の中心になります。詳しくは、関連記事の成果報酬型の解説と保守契約の解約の解説をご覧ください。
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契約の判断に役立つ記事を選びました。契約の種類や、外注と内製の比べ方に迷ったときにご活用ください。
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まとめ:契約は「入口の金額」より「出口の条件」を先に見る
検索対策の月額契約では、効果の話と同じくらい、やめるときの条件が大切です。契約前に5つの項目を書面で確かめておけば、続けるにもやめるにも、社長が自分で選べる状態を保てます。
- 最低契約期間は、長さより中身(作業内容・報告)と、初回と更新後の違いで見る
- 途中解約の費用は、残りの月額・違約金・初期費用の精算・予告期間に分けて読む
- 解約の手続きは、期限・相手・方法を確認し、自動更新の期限をカレンダーに入れる
- 解約後に残るものは、成果物・アカウント・データの3つを「誰のものか」で確かめる
- 引き継ぎの資料と協力の範囲を、期限と費用も含めて契約前に確認する
契約書の読み方に不安があるときは、一人で抱えずにご相談ください。契約書の有効性など法律の判断は、弁護士などの専門家の役目ですが、検索対策の見積書や契約の内容が妥当かどうか、確認すべき点が抜けていないかといった点なら、一緒に整理できます。
相談の入口
検索対策の見積書や契約書を前に、「この条件で進めてよいのか」「確認が足りていない点はないか」とお迷いの社長は、無料でご相談いただけます。契約書の法律上の判断はお受けできませんが、確認すべき点の整理をお手伝いします。
自社サイトの現状を先に知りたい場合は、無料診断もご利用いただけます。
この記事の執筆
webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。
SEO無料診断について
検索対策の契約内容に迷ったら、サイトの現状と見積もりの内容を一緒に確認する、シンプルな相談窓口を用意しています。費用はかかりません。お問い合わせフォーム(無料相談)よりお気軽にご連絡ください。





