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Web広告の代理店手数料の仕組み|中小企業が任せる前に知っておく費用の内訳

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Web広告の代理店手数料の仕組み|中小企業が任せる前に知っておく費用の内訳

Web広告の代理店手数料の見積書を確認する中小企業の社長のイラスト

この記事の要点

Web広告の代理店手数料は、広告費の20%前後の「料率型」が最も一般的とされ、ほかに「固定型」「成果報酬型」があります。社長が見るべきは率そのものではなく、広告費別か込みか、最低手数料、契約期間、アカウントの名義の4点です。冒頭の表で「任せる/自社でやる」を判断できます。

「広告の代理店に任せたいが、手数料が何に対していくらかかるのか分からない」。中小企業の社長から、こうしたご相談は少なくありません。見積書に「運用手数料20%」と書かれていても、その20%が何に対する20%なのか、最初は読み取りにくいものです。

この記事では、手数料の型、よく言われる料率の幅とその根拠、手数料以外にかかるお金、自社で運用した場合との比較、契約前に確認することを順に整理します。細かい操作の話は省き、「任せるか、自社でやるか」を社長が決められることを目的にしています。

なお、この記事は広告の費用全体の目安を扱う中小企業の広告宣伝費とWeb予算の目安とは役割が違います。あちらは「全体でいくら使うか」、こちらは「外注するときの手数料の仕組み」を扱います。

最初に確認:任せる/自社でやるの判断表

先に結論となる表を置きます。ご自身の状況に近い行を探してください。迷う行が多い場合は、後半の章で理由を確認できます。

社長の状況 向いている進め方 理由
月の広告費が数万円で、担当者が週2時間ほど数字を見られる まず自社でやる 最低手数料のある代理店だと、手数料の割合が高くなりやすいためです。
月の広告費が数十万円で、担当者は他の業務と兼務 代理店(料率型または固定型) 設定や調整の時間が確保できず、広告費が無駄になりやすいためです。
広告費が月100万円を超え、社内に広告に詳しい人がいない 代理店(料率型、逓減ありを確認) 広告費が大きいほど、料率が下がる条件の交渉余地が出るとされます。
広告の成果を1件ずつ数えやすい(問い合わせ件数など) 成果報酬型も比較候補 成果の定義さえ合えば、費用の見通しが立ちやすいためです。
社内に広告担当がいて、手が足りない作業だけ任せたい 固定型で範囲を絞る レポートや広告文の作成だけ任せるなど、必要な部分だけ頼めるためです。
広告をやるか自体まだ決まっていない 広告より先に、ホームページや口コミを整える 受け皿が弱いと、広告費を足しても問い合わせにつながりにくいためです。

同じ手数料20%でも、支払い方で広告に回る額が変わるパターンA:広告費の外に手数料パターンB:予算の中から手数料広告費 10万円(媒体へ)手数料 2万円(広告費の20%)支払う総額:12万円広告に回る額:10万円広告費 8万円(媒体へ)2万予算10万円のうち、手数料2万円広告に回る額:8万円見積書で「広告費込み」か「広告費別」かを必ず確認しますどちらも「20%」と書けるため、金額で比べることが大切です

ポイント

表の「向いている進め方」は目安です。広告費の規模、担当者の時間、成果の測りやすさの3つで決まることが多く、どれか1つだけで決めないほうが安全です。

セクションのまとめ:広告費の規模、担当者の時間、成果の測りやすさの3つで、任せるか自社でやるかを判断できます。

代理店手数料の仕組み:何に対して、何を払うのか

Web広告の代理店に払うお金は、大きく2階建てです。1階は広告そのものの費用で、Googleなどの媒体に支払われます。2階が代理店への手数料で、設定、運用、報告の作業代にあたります。

広告費(媒体費)と手数料は別のお金です

広告費は、広告が表示されたりクリックされたりするたびに発生する費用です。代理店に払うのではなく、広告を出す媒体に支払われる部分と考えます。手数料はそれとは別で、代理店の作業に対する対価です。

見積書では「広告費」と「手数料」が分かれているか、まず確認します。合算で1つの金額になっていると、手数料がいくらか分かりません。

「運用型広告」とは何をする仕事か

Google広告やInstagram広告のように、配信しながら調整を繰り返す広告を「運用型広告」と呼びます。毎日のように、キーワード、広告文、配信先、入札の金額を見直す作業があります。代理店の手数料は、この調整の作業と、設定の知識に対する料金が中心です。

広告の基本的な仕組みは、リスティング広告とはで、費用の目安はGoogle広告の費用やインスタ広告の費用で解説しています。

手数料に含まれることが多い作業

  • 広告アカウントの初期設定(広告の種類、地域、予算の枠など)
  • キーワードや配信先の追加と除外
  • 広告文や画像の入れ替えと比較
  • 毎月の数字の報告と、次の月の提案
  • 計測の設定(問い合わせの回数を数える設定など)

ただし、会社によって含まれる範囲は違います。「広告文の作成は別料金」「バナー画像の制作は別料金」というケースもあります。含まれる作業を一覧で出してもらうことが、比較の第一歩です。

セクションのまとめ:広告費は媒体へ、手数料は代理店へ払うお金で、含まれる作業の範囲は会社ごとに違います。

手数料の3つの型:料率型・固定型・成果報酬型

代理店の料金体系は、複数の公開記事で「手数料(料率)型」「成果報酬型」「固定フィー型」などに分けて説明されています。ここでは分かりやすく3つの型に整理します。

代理店手数料の3つの型型1料率型広告費の一定割合広告費が増えると増える最も一般的とされる型2固定型毎月の金額が決まる広告費が増えても同じ月5〜30万円の記載あり型3成果報酬型問い合わせ1件ごと等成果の定義が重要対応する会社は少なめ組み合わせ(最低手数料つきの料率型など)も多くあります

型1:料率型(広告費の一定割合)

広告費に決まった率を掛けて手数料を出す型で、最も一般的とされます。広告費が月30万円で率が20%なら、手数料は6万円です。広告費が増えれば、手数料も増えます。

社長の目線では、「広告費を増やすほど代理店の収入が増える」という構造に気づいておくことが大切です。悪意があるという意味ではありません。ただ、広告費を増やす提案が出たときに、その根拠となる数字(問い合わせ件数の増え方など)を確認する習慣が、安全につながります。

型2:固定型(毎月の金額が決まっている)

広告費の大小に関わらず、毎月同じ金額を払う型です。公開記事では、月額5万〜30万円程度とする記載があり、低価格帯は初期設定と最低限の調整のみ、金額が上がるほど週次の報告などが含まれる、という説明が見られます。

広告費が大きくなっても手数料が増えないため、広告費が多い会社に向きます。一方、広告費が少ない会社では、固定の金額が重く感じられることがあります。

型3:成果報酬型(成果に応じて払う)

問い合わせ1件、資料請求1件など、成果が出たときに払う型です。対応する代理店は少なめと説明する記事があります。成果が出なければ手数料が少なくなる仕組みで、費用の見通しは立てやすい反面、いくつか注意が要ります。

  • 成果の定義:電話1回も1件か、フォームだけか、受注までか
  • 広告費は別に必要か、成果報酬に含まれるか
  • 成果の単価:1件あたりの金額が、自社の利益に見合うか
  • 成果の数え方:誰がどの数字で確認するか

実際は「組み合わせ」が多い

料率型に「最低手数料」を足す、固定型に成果報酬を上乗せする、広告費が増えると率が下がる「逓減(ていげん)制」にするなど、組み合わせた料金体系も多くあります。見積書は、型の名前ではなく、実際に毎月いくら払うかで比べます。

型 毎月の費用の考え方 向いている会社 見落としやすい点
料率型 広告費 × 率(例:20%) 広告費が変動する会社 最低手数料があり、少額だと割合が高くなる
固定型 毎月同じ金額 広告費が一定以上ある会社 範囲外の作業が別料金になる
成果報酬型 成果の件数 × 単価 成果を数えやすい会社 広告費が別、成果の定義が会社ごとに違う
組み合わせ型 最低額+率、固定+成果など 規模が大きい会社 どの条件が自社に当てはまるか分かりにくい

セクションのまとめ:型の名前より、実際に毎月いくら払うかを総額で比べることが大切です。

手数料率の幅と、その数字の根拠

「広告費の20%」とよく言われますが、この数字はどこから来ているのでしょうか。社長に誤解のないよう、出典と限界を先に示します。

公開情報から確認できた幅

2026年10月30日に、複数の広告代理店・運用代行会社・比較サイトの公開記事を確認しました。確認できた範囲は次のとおりです。

確認できた内容 幅 根拠となった公開記事の例
Web広告の手数料(マージン) 広告費の20%が一般的 代理店の解説記事(crexgroup.com、atsoho.comなど)で一致して説明
総合広告代理店/専門広告代理店 15〜25%/15〜20% 同上のcrexgroup.comの解説記事
手数料の目安の広い幅 10〜30%程度 比較・解説記事(sienca.jp)。出典は示されていない目安
最低手数料(広告費が少額のとき) 月5万〜10万円程度 crexgroup.com、atsoho.comの記事
固定型の月額 月5万〜30万円程度 atsoho.comの記事。業務範囲で変動すると説明

注意

これらはいずれも、代理店・運用代行会社・比較サイトが公開している記事や案内です。国の統計や各社の公式料金表ではありません。この記事は「よく言われる幅」を示すもので、個別の会社の料金を保証するものではありません。必ず複数社の見積書で確認してください。

なぜ幅が出るのか

同じ「運用代行」でも、含まれる作業が違うためです。設定と月1回の報告だけの会社と、毎週の調整、広告文の作成、画像の制作、計測の設定まで含む会社では、手数料が同じ20%でも中身が異なります。

また、広告費が大きいほど率が下がる逓減制を採る会社が多いとする記事もあります。広告費が大きくなる見込みがあるなら、逓減の条件を聞いてみる価値があります。

「20%」を見たときの確認の仕方

  • 何に対する20%か:広告費の外に足すのか、予算の内側から引くのか
  • 最低手数料はいくらか:少額の月に、実質の率が上がらないか
  • 含まれる作業は何か:報告の頻度と内容も含めて
  • 逓減(広告費が増えたら率が下がる)の条件はあるか

セクションのまとめ:広告費の20%前後が一般的と言われますが、公的な統計ではなく、最低手数料と作業の範囲まで見て比べることが必要です。

手数料以外にかかるお金:見積書で見落としやすい項目

社長が後で驚くのは、手数料の率よりも「手数料以外の項目」であることが多いようです。見積書の別の行に隠れやすい費用を整理します。

項目 内容 確認すること
初期費用 アカウント設定、計測の設定などの立ち上げ作業 金額と、解約時に返ってくるかどうか
最低手数料 広告費が少ない月でも払う下限額 月いくらか(5万〜10万円程度とする記事が多い)
制作費 広告用の画像、動画、遷移先のページの制作 手数料に含まれるか、都度の別料金か
レポート費 月次報告の作成 含まれるか、追加の依頼は別料金か
計測ツールの利用料 問い合わせ数を数えるツールなど 誰が契約し、誰が支払うか
解約時の費用 途中解約のときの違約金や残りの期間分 最低契約期間と合わせて確認

「広告費込み」と「広告費別」の違い

冒頭の図のとおり、手数料20%でも、広告費の外に足すか、予算の内側から引くかで、広告に回る金額が変わります。予算が月10万円の場合、前者は広告費10万円に手数料2万円で総額12万円、後者は手数料2万円で広告費8万円です。

社長としては、「毎月の総額はいくらか」「そのうち広告に使われる額はいくらか」の2つを、見積書の上で別々に確認してください。

受け皿の費用も忘れずに

広告から来た人が着く先(ホームページやランディングページ)が弱いと、広告費をかけても問い合わせにつながりません。遷移先の改善費も、予算の一部と考えておくほうが安全です。ランディングページの費用はランディングページ(LP)の費用相場で整理しています。

セクションのまとめ:手数料の率だけでなく、初期費用、最低手数料、制作費、解約時の費用まで含めた総額で比べます。

試算でイメージする:架空の3社の毎月の支払い

ここからは、仕組みを数字でつかむための計算例です。会社名は架空で、料金は上で示した幅の中で置いた仮の数字です。実在の会社や実際の料金ではありません。

前提条件

  • 広告費は、月10万円・30万円・100万円の3つのケース
  • 料率型:率20%、最低手数料は月5万円(幅の中の仮置き)
  • 固定型:月10万円(幅の中の仮置き)
  • 成果報酬型:1件あたり1万円で、広告費は別(仮置き)。問い合わせは月ごとに10件・20件・50件と仮定
月の広告費 料率型(20%、最低5万円) 固定型(月10万円) 成果報酬型(1件1万円、広告費別)
10万円 手数料5万円(20%は2万円だが、最低額が適用)。総額15万円 手数料10万円。総額20万円 10件で10万円。総額20万円
30万円 手数料6万円。総額36万円 手数料10万円。総額40万円 20件で20万円。総額50万円
100万円 手数料20万円。総額120万円 手数料10万円。総額110万円 50件で50万円。総額150万円

この仮の計算では、広告費が小さい月は料率型でも最低手数料のせいで割合が高くなり、広告費が大きい月は固定型が割安に見えます。成果報酬型は問い合わせが増えるほど手数料も増えるため、一概に安いとは言えません。

ポイント

「最低手数料があると、広告費10万円の月は手数料が広告費の半分になる」という見え方は、料率型で起こりやすい落とし穴です。少額の広告費で始めるなら、最低手数料の有無を最初に聞いてください。

実質の手数料率を出す計算

実質の手数料率は、「手数料 ÷ 広告費」で求められます。上の仮の計算で、広告費10万円・手数料5万円なら50%、広告費30万円・手数料6万円なら20%、広告費100万円・手数料20万円なら20%です。固定型では、広告費10万円で100%、30万円で約33%、100万円で10%になります。

見積書をもらったら、この「実質の率」を、自社の想定する広告費で計算してみてください。電卓だけで足りる確認ですが、比較にはとても役立ちます。

セクションのまとめ:広告費の規模によって、有利な料金体系は入れ替わるため、自社の想定する広告費で実質の率を計算して比べます。

自社で運用する場合との比較:手数料がかからない代わりに何が要るか

自社運用には代理店への手数料がかかりません。ただし、手数料がゼロになる代わりに、時間、学ぶ労力、判断の責任が社内に残ります。

自社運用で必要になるもの

  • 担当者の時間:数字の確認と調整で、当記事の推定で週2〜4時間ほど(広告費の規模で変わります)
  • 学ぶ時間:最初の1〜2か月は設定と画面の理解に、さらに時間が必要
  • 判断の責任:やめるタイミング、増やすタイミングを社内で決める
  • 計測の準備:問い合わせの回数が数えられる状態にしておく

比べるときの考え方

たとえば、担当者の1時間あたりの社内コストを仮に3,000円とし、週3時間、月に約4週と考えると、月額で3,000円×3時間×4週=3万6,000円です。これは仮の計算で、実際の金額は担当者の給与や会社の算定方法で変わります。

この仮の金額が、代理店の手数料(広告費30万円で20%なら6万円)と比べて安いか高いかを見ます。ただし、時間の費用だけでなく、「成果が出るまでの学習の期間」と「担当者が辞めたときの引き継ぎ」も考える必要があります。

比べる点 自社運用 代理店に任せる
手数料 なし 広告費の20%前後など、型により異なる
担当者の時間 週2〜4時間ほど(当記事の推定) 報告の確認が月1〜2時間ほど(当記事の推定)
立ち上がりの速さ 学ぶ期間が必要 経験があれば速いことが多い
判断の透明さ 全て社内で見える 報告の質に左右される
担当者が辞めた場合 引き継ぎが課題 契約が続けば運用は続く

内製か外注かの全体的な判断は、Webマーケティング内製化 vs 外注と検索対策は社内でやるか外注するかで、人件費の比べ方まで整理しています。広告の外注にも同じ考え方が使えます。

「部分的に任せる」という選択

全部を任せるか、全部を自社でやるかの二択ではありません。初期設定だけ代理店に頼み、毎月の確認は社内でやる、という分け方もあります。固定型で範囲を絞って頼む形です。

ホームページ制作などの外注全般の考え方は、Web制作の外注・依頼・代行ガイドも参考になります。

セクションのまとめ:自社運用は手数料がない代わりに、時間と学習の費用がかかるため、時間の費用も含めて比べます。

契約前に確認する5項目:社長が見るポイント

契約書や見積書を受け取ったら、次の5項目を確認します。細かい内容は担当者に任せてもよいですが、この5つは社長ご自身の目で見ておくと安心です。

契約前の確認5項目CHECK LIST手数料は何に対して何%か広告費別か込みか最低手数料と最低契約期間月額の下限と縛り初期費用と制作費の別料金バナーやページ制作アカウントの名義はどちらか解約後に引き継げるか毎月のレポートの中身数字と次の打ち手

確認1:手数料は何に対して何%か

広告費の外に足す手数料か、予算の内側から引く手数料かを確認します。「広告費」の定義(税込か税別か、媒体への支払い額か)も、あわせて聞いておくと安心です。

確認2:最低手数料と最低契約期間

広告費が少ない月でも払う下限額と、何か月は解約できないかを確認します。最低契約期間が3か月・6か月・12か月などと決まっている場合、成果が出なくても期間中は払う契約になります。

確認3:初期費用と制作費の別料金

初期費用と、画像・動画・ページの制作費が手数料に含まれるかを確認します。「含まれる」とだけ聞くのでなく、「何点まで含まれるか」を数で聞くのがコツです。

確認4:広告アカウントの名義

広告のアカウントを自社名義で作るか、代理店名義かを確認します。自社名義なら、契約をやめても過去の設定や数字が手元に残ります。代理店名義の場合、解約すると履歴が見られなくなることがあります。

確認5:毎月のレポートの中身

報告に、広告費、表示回数、クリック数、問い合わせ件数、1件あたりの広告費(CPA)が入るかを確認します。CPAとは、問い合わせ1件を得るためにかかった広告費のことです。数字だけでなく、「次の月に何を変えるか」の提案が入るかも見てください。

レポートの見方は、検索順位に関するものですが検索順位レポートの見方でも、外注先の報告で社長が見る数字と質問を整理しています。広告の報告にも通じる考え方です。

ポイント

契約書の言葉が難しいときは、そのまま署名せず、「この項目は、月にいくら増減するのか」と書面で質問してください。答えが曖昧な会社は、後で説明が変わるおそれがあります。

セクションのまとめ:手数料の対象、最低額と期間、別料金、アカウントの名義、レポートの中身の5つを、契約前に自分の目で確認します。

担当者に渡す:見積もり依頼と比較のチェックリスト

ここからは、社長が担当者に渡すための実務の章です。複数社の見積もりを同じ条件でそろえて比べるための手順です。

見積もりを頼むときに伝える情報

  • 月に使える広告費の上限と、最初の3か月の予定額
  • 広告の目的:問い合わせ、来店予約、資料請求など
  • 地域と対象:どの地域の、どんな人に届けたいか
  • 遷移先:ホームページやランディングページがあるか
  • 社内の担当者の人数と、確保できる時間

各社に同じ質問をする

  • 手数料の型と率、最低手数料はいくらですか
  • 広告費別ですか、込みですか
  • 初期費用と制作費は、いくらで何が含まれますか
  • 最低契約期間と、解約の申し出の期限はいつまでですか
  • アカウントの名義はどちらですか
  • レポートは月に何回で、何の数字が入りますか
  • 広告費が増えたとき、率は変わりますか

比較表のつくり方

会社ごとに、上の質問の答えを1枚の表にそろえます。縦に質問、横に会社名を並べます。最後の行に、自社の想定する広告費での「毎月の総額」と「実質の手数料率」を入れてください。

値段の安い順ではなく、「含まれる作業の範囲」と「解約のしやすさ」も見て選びます。安くても、制作費が全て別料金なら、結果的に高くなるためです。

セクションのまとめ:同じ質問を各社にして1枚の表にそろえ、想定する広告費での総額と実質の率で比べます。

AIを使えば、見積もりの比較と数字の確認の手間を減らせます

見積書の整理や、毎月の数字の確認は、AIで半自動化しやすい作業です。ただし、最終判断は人が持つ役割分担が安全です。

活用1:見積書の項目をそろえる

複数社の見積書の文章をAIに読み込ませ、「手数料の型」「率」「最低手数料」「含まれる作業」「最低契約期間」を同じ表にまとめるよう依頼します。見積書ごとに書き方が違っても、比べやすい表ができます。

活用2:契約書の分かりにくい言い回しを言い換える

「契約期間の自動更新」「違約金」など、分かりにくい言葉をAIに易しく言い換えてもらえます。ただし、法的な判断は専門家(弁護士など)に確認してください。AIの説明は参考にとどめます。

活用3:毎月のレポートの確認

代理店から届くレポートの数字を、先月と比べて何が変わったかをAIに要約してもらいます。「広告費が増えたのに問い合わせが減った」など、気づきにくい点を見つける助けになります。

AIに任せきりにしないほうがよい領域

  • 契約の最終判断:条件の良し悪しは、事業の事情を知る社長が決める
  • 料金の事実確認:AIの説明が最新とは限らないため、各社の書面で確認する
  • 顧客情報の入力:お客様の個人情報は、AIに入力しない
  • 広告の成果の評価:数字の背景は、現場の事情を知る人が確認する

AIは強力な相棒ですが、最終判断は人間が責任を持つ半自動化が安全です。

セクションのまとめ:見積書の整理、言葉の言い換え、数字の要約はAIで半自動化でき、契約の判断は人が持ちます。

代理店選びで「やってはいけない」5つのこと

ここからは、実務でよく見られる失敗のパターンです。1つでも当てはまるときは、契約の前に立ち止まってください。

やってはいけない1:率の低さだけで選ぶ

手数料が10%と安く見えても、最低手数料が高かったり、制作費が全て別料金だったりすると、総額では高くなります。率ではなく、毎月の総額で比べます。

やってはいけない2:広告アカウントを代理店名義で作らせる

解約後に設定や履歴を引き継げなくなるおそれがあります。自社名義での作成を基本にし、代理店には運用権限を与える形が安全です。

やってはいけない3:成果の定義を決めずに成果報酬型を結ぶ

「問い合わせ1件」の数え方が決まっていないと、後で件数や金額で揉めやすくなります。電話、フォーム、メールのどれを数えるかを文書で決めます。

やってはいけない4:最低契約期間を確認せずに始める

成果が出なくても、期間中は解約できない契約があります。最低期間と解約の申し出の期限を、署名の前に確認します。

やってはいけない5:報告を見ずに任せきりにする

料率型では、広告費が増えるほど代理店の収入も増えます。毎月の報告で、広告費と問い合わせ件数の関係を、社長か担当者が必ず見ます。

注意

5つに共通するのは、「聞かずに始めた」ことです。完璧な代理店を探すよりも、聞くべきことを聞いてから決めるほうが、結果的に失敗を減らせます。

セクションのまとめ:率の低さだけで選ぶ、名義を任せる、成果の定義を決めない、期間を確認しない、報告を見ない。この5つは避けます。

代理店に任せる前に整えておくこと

手数料の比較の前に、広告の受け皿と社内の準備を整えておくと、同じ手数料でも成果が変わります。

広告の遷移先を点検する

広告をクリックした人が最初に着くページが、スマートフォンで見やすく、電話番号や問い合わせの入口がすぐ分かるかを確認します。ここが弱いと、広告費をかけても問い合わせが増えません。

問い合わせを数えられる状態にする

電話、フォーム、LINEなど、どの問い合わせが広告から来たのかを後から確認できるようにしておきます。数えられないと、代理店の成果も、自社運用の成果も評価できません。

目標の数字を1つ決める

たとえば「問い合わせ1件あたりの広告費を、◯円以内にしたい」と決めます。目標がなければ、代理店の提案が良いのか悪いのか、社長は判断できません。数字の決め方がわからないときは、無料相談でお話しください。

セクションのまとめ:遷移先、計測、目標の数字の3つを整えると、代理店の費用がより活きます。

相談の入口

代理店の見積書の見方や、自社でやるか任せるかの判断に迷われたときは、お気軽にご相談ください。手数料の内訳の読み方から、複数社の見積もりの比べ方まで、費用をかけずにお話しできます。

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よくある質問

Web広告の代理店手数料について、多く寄せられる質問をまとめました。

Q. Web広告の代理店手数料は、広告費の何%が普通ですか。

複数の運用代行会社や比較サイトの公開記事では、広告費の20%前後が最も一般的と説明されています。総合広告代理店で15〜25%、専門の代理店で15〜20%とする記事や、10〜30%を目安とする記事もあります。公的な統計ではないため、実際の率は複数社の見積書で確かめてください。

Q. 広告費が月5万円ほどの少額でも、代理店に頼めますか。

頼める会社はありますが、最低手数料(月5万円〜10万円程度とする記事が多い)が設けられている場合、広告費に対する手数料の割合が高くなります。広告費5万円で最低手数料が5万円なら、広告費と同額の手数料です。この規模では、固定型で範囲を絞るか、自社運用を先に試すほうが合うことがあります。

Q. 成果報酬型は、失敗が少なく得な料金体系ですか。

必ずしもそうとは言えません。成果の定義(問い合わせ1件か、受注か)や、1件あたりの単価、広告費の扱いが会社ごとに違います。成果報酬でも広告費は別に必要な場合があるため、総額で比べることが大切です。契約前に、成果の数え方を文書で確認してください。

Q. 自社で広告を運用すれば、手数料はかかりませんか。

代理店への手数料はかかりませんが、担当者の時間という費用がかかります。毎週の数字の確認、広告文の見直し、設定の調整に、社内で、当記事の推定で週2〜4時間ほど(広告費の規模で変わります)必要になります。時間の費用も含めて比べてください。

Q. 代理店との契約を途中でやめられますか。広告アカウントはどうなりますか。

契約書の最低契約期間と解約の申し出の期限によります。広告アカウントの名義が自社であれば、解約後も過去の設定や数字を引き継げます。名義が代理店側だと、解約時に履歴が見られなくなることがあるため、契約前に名義を確認してください。

まとめ:率より「何に対する、いくらか」で決める

Web広告の代理店手数料は、型と条件を知れば、社長でも十分に比べられます。大切な点を整理します。

  • 手数料の型は、料率型・固定型・成果報酬型の3つが基本で、組み合わせも多い
  • 広告費の20%前後が一般的と言われるが、公的統計ではなく、最低手数料と作業の範囲まで見る
  • 広告費別か込みかで、広告に回る金額が変わる
  • 広告費が少額なら、自社運用や固定型で範囲を絞る選択肢も考える
  • 契約前に、対象・最低額と期間・別料金・名義・レポートの5項目を確認する

広告は、始めてからやめるよりも、始める前に条件を確かめるほうが、はるかに費用を抑えられます。見積書を手元に置いて、この記事の表と見比べてみてください。

迷ったときは、無料相談でご一緒に見積書を読むこともできます。

この記事の執筆

webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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