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ホームページを何年も放置するリスク|社長が最低限やっておく年1回の点検

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ホームページを何年も放置するリスク|社長が最低限やっておく年1回の点検

ほこりをかぶった看板のある会社の玄関とカレンダーのイラスト

この記事の結論

ホームページを何年も更新していなくても、すぐに会社が困るわけではありません。ただし、放っておくと「古い情報が載り続ける」「見えないところで壊れる」「期限が切れて突然表示されなくなる」といった問題が少しずつ積み重なります。社長が決めることは、年に1回、担当者か外部の人に点検してもらうことだけです。点検の中身は、この記事の後半にあるチェックリストをそのまま渡せば足ります。

「うちのホームページは、もう何年も触っていない」。そう感じている社長は、決して少なくありません。名刺代わりに作ったまま、新しい情報は載せていない。それでも、大きな問題が起きたことはない。だから、このままでもよいのではないか。そのようなお考えは、とても自然なものです。

一方で、ホームページは作った時点から、周りの環境が少しずつ変わっていきます。閲覧する機器、検索の仕組み、ウェブサイトを守るための決まり、そして会社自身の情報。どれも静かに動いています。この記事では、放置した場合に何が起こり得るのかを、落ち着いて整理します。

不安をあおるつもりはありません。「何が起こり得るか」と「年1回の点検で防げること」を、表と短い文章で示します。点検は専門知識がなくても、担当者に渡せる形にしました。読み終えたあとに、社長が決めることは数個だけです。

この記事で分かること 読む場所の目安
放置で起きること7つと、その深刻さの順番 第2章
放置の年数ごとの変化と、費用・手間の幅 第3章〜第4章
担当者に渡せる、年1回の点検チェックリスト 第5章
見つかった問題の優先順位と、誰に頼むか 第6章〜第7章
やってはいけないこと、AIの使いどころ、よくある質問 第8章以降

なお、ホームページを更新する「頻度」の話は、別の記事で詳しく扱っています(ホームページの更新頻度はどれくらい必要か)。この記事は頻度ではなく、「更新しないまま置いたときの害」と「最低限の点検」に絞ります。

1. 「放置」とは何を指すのか|まず自社の状態を知る

一口に放置といっても、状態はさまざまです。まずは自社がどの段階にあるかを、落ち着いて確認しましょう。段階によって、急ぐべきことが変わるためです。

放置の程度は、3つの段階に分けられます

段階 状態の目安 社長の次の一手
軽い放置 お知らせは止まっているが、会社情報は合っている。管理会社には連絡がつく。 年1回の点検を始める。急ぎの対応は不要なことが多い。
中程度の放置 営業時間・担当者・商品が古いまま。管理画面に誰もログインしていない。 まず情報を最新に直し、点検の担当を決める。
重い放置 誰が管理しているか分からない。契約書やID・パスワードの所在が不明。 最初に契約と名義の確認。専門家への相談を検討する。

多くの中小企業は「軽い」から「中程度」のあたりにあります。「重い放置」に当たる場合でも、慌てる必要はありません。順番に確認していけば、整理できることがほとんどです。

「更新していない」と「放置している」は同じではありません

お知らせを頻繁に出していなくても、会社情報が正しく、仕組みが安全に保たれているなら、それは「静かに運用している」状態です。逆に、更新はしていなくても、誰も中身を見ていない状態が続くと、放置になります。違いは「誰かが年に1回でも見ているか」だけです。

たとえば、店の看板に例えると分かりやすいかもしれません。看板に毎月新しい貼り紙をする必要はありませんが、ほこりがたまっていないか、電球が切れていないか、年に1回は見ておきたいものです。ホームページも同じで、必要なのは派手な更新ではなく、点検の習慣です。

このセクションのまとめ

放置とは、「誰も見ていない状態」のことです。更新が少なくても、年に1回見ていれば、それは放置ではありません。まず自社が3つの段階のどこにあるかを確認しましょう。

2. 放置で起きること7つ|小さな問題から順に整理する

ここでは、放置によって起こり得る7つのことを、比較的よくあるものから順に説明します。すべてが必ず起きるわけではありません。「起きたときに気づけるか」が大切です。

① 古い情報が載り続け、お客様や取引先が戸惑う

最もよくあるのが、情報の古さです。営業時間の変更、電話番号、担当者、料金、取り扱い商品、移転前の住所。社内では当たり前に変わっているのに、ホームページだけが昔のままというケースです。

古い情報は、問い合わせの数を直接減らすというより、「この会社はまだやっているのだろうか」という小さな疑いを生みます。求人でも同じです。応募者は、会社の公式サイトで最新の様子を探します。募集要項が数年前のままだと、応募をためらう理由になり得ます。

対策は、年1回の見直しで十分です。会社概要、連絡先、営業時間、料金、代表挨拶の4か所を、紙の最新資料と見比べます。この確認だけで、古さによる損失の大半は防げます。

② SSL証明書の期限が切れ、「保護されていない通信」と表示される

SSL証明書とは、ホームページと閲覧者の間の通信を暗号化し、サイトが本物であることを示す「電子的な身分証」のようなものです。これには有効期間があり、切れると、ブラウザに警告が出ることがあります。

一般的に、証明書の有効期間は1年以内、サービスによっては数か月単位とされています。自動で更新される仕組みの場合は、サーバーの契約が切れたり設定が変わったりしたときに、更新が止まることがあります。「放置していたら、ある日突然、警告が出た」というのは、このためです。

警告が出ると、閲覧者は先へ進むのをためらいます。問い合わせフォームも使われにくくなります。詳しい確認方法は、別の記事(SSL証明書の期限切れを防ぐ方法)にまとめています。点検では「ブラウザで開いて、警告が出ていないか」を見るだけで足ります。

③ ドメインの更新を忘れ、サイトとメールが止まる

ドメインとは、ホームページの住所にあたる「example.co.jp」のような文字列です。多くは1年単位などの契約で、更新しなければ使えなくなります。更新の案内メールが、退職した担当者の宛先に届き続けていた、というのもよくある話です。

ドメインが失効すると、ホームページが表示されなくなるだけではありません。そのドメインで使っている会社のメールも止まる場合があります。取引先からのメールが届かない状況は、ホームページの停止よりも影響が大きいかもしれません。

失効後のすぐ後なら、同じ名前を取り戻せることもありますが、条件は事業者や種類によって異なります。確実なのは、期限の前に更新しておくことです。詳しくは、別の記事(ドメインの更新を忘れるとどうなるか)で整理しています。

更新の案内メールを装った詐欺にご注意ください

ドメインやサーバーの「更新のお知らせ」を装い、高額な請求を促すメールが届くことがあります。本物かどうか迷ったら、支払いの前に契約している会社へ直接確認してください。

④ 改ざんや乗っ取りに気づかない

ホームページの管理用ソフトに古い部分が残っていると、外部から不正に書き換えられる「改ざん」の入口になることがあります。サイトの見た目は変わらず、裏側で別のサイトへ誘導する仕組みが仕込まれる場合もあります。

怖いのは、社内の誰も気づかないことです。検索結果に見覚えのない文字が出る、閲覧者から「変な画面に飛んだ」と言われる、といった形で発覚することが多いようです。こうした場合の最初の1日の動き方は、別の記事(ホームページが改ざん・乗っ取りされたときの対処)にまとめています。

すべての放置サイトが狙われるわけではありません。ただ、攻撃は人の目ではなく自動の仕組みで広く行われるため、会社の規模や知名度とは関係なく起こり得る、と考えておくのが安全です。

⑤ CMSやプラグインの古さが弱点になる

CMS(ホームページを管理する仕組み。WordPressが代表例)や、機能を足す部品(プラグイン)は、不具合や弱点が見つかるたびに、改良版が公開されます。更新しないまま何年も経つと、既知の弱点が残ります。

さらに、サーバー側の環境が新しくなったとき、古い部品が動かなくなることもあります。ある日突然、画面が真っ白になる、管理画面に入れなくなる、といった形です。更新をためらって放置するほど、後の修理が大きくなる傾向があります。

とはいえ、更新の際には「更新したら表示が崩れた」という事故もあり得ます。そのため、更新の前に保存(バックアップ)を取る、費用がかかっても外部に任せる、といった判断が必要です。この点は、後の章で整理します。

⑥ 問い合わせフォームが壊れていても気づかない

これは、社長にとって最も見えにくい損失かもしれません。フォームの送信先メールアドレスが古い、迷惑メール扱いになっている、フォームの仕組みが動かなくなっている。このような場合、お客様は問い合わせたつもりなのに、会社には届きません。

問い合わせが減ったとき、「景気のせいか」と考えがちです。しかし実際には、フォームが数か月前から止まっていた、というケースがあります。お客様は黙って他社へ行くため、苦情も来ません。

点検の方法は簡単です。年1回、自分たちでテスト送信を行い、担当者の受信箱に届くかを確認します。フォームの項目数や使いやすさについては、別の記事(問い合わせフォームの項目はいくつが適切か)が参考になります。

⑦ スマホで見づらくなり、検索でも不利になる

現在、ホームページを見る人の多くはスマートフォンを使っています。何年も前に作ったサイトが、スマホの画面で小さく見えたり、ボタンが押しにくかったりすることがあります。この点は専門の記事(スマホ対応していないホームページの影響)で詳しく扱っているため、ここでは深入りしません。

点検では「手元のスマホで、トップページと問い合わせページを開いてみる」ことだけで十分です。見づらいと感じたら、リニューアルの検討材料になります。

放置の年数と、起こりやすいこと(目安)1年ほど・営業時間などが古くなる・お知らせが止まって見える・証明書の期限が近づく・ドメインの更新時期が来るほとんどは、見直しだけで元に戻せます。3年ほど・部品の古さが目立つ・スマホで見づらくなる・フォームの不具合に気づかない・担当者が退職している更新前の保存と、専門家の確認が望ましい段階です。5年以上・管理画面に入れなくなる・改ざんの危険が高まる・名義や契約が不明になる・修理より作り直しが安い場合もリニューアルを視野に、まず現状の確認から。

上の図は、あくまで目安です。サイトの作り方や契約内容によって、進み方は大きく異なります。「3年以上触っていないから危険」と断定するものではありません。確認のきっかけとしてお使いください。

このセクションのまとめ

放置で起きることは、古い情報、SSL証明書、ドメイン、改ざん、部品の古さ、フォームの不具合、スマホ表示の7つです。多くは年1回の確認で防げるか、早めに気づけます。

3. 何も起きていないのに点検が必要な理由|「見えない」ことが本当のリスク

ここまで読んで、「うちでは何も起きていない」と感じた方もいらっしゃるでしょう。それは、おそらく正しい感覚です。ただ、起きていないことと、起きても気づけることは別の話です。

ホームページの不調は、静かに進みます

機械の故障のように、音や煙で知らせてくれるわけではありません。問い合わせが減る、検索で見つかりにくくなる、といった変化は、ゆっくりで、原因の特定も難しいものです。だからこそ、年に1回、決まった時期に点検する意味があります。

「誰も困っていない」は、安心材料ではありません

お客様は、不具合に気づいても、会社に連絡してくれるとは限りません。多くの場合、静かに別の会社を選びます。社内から「困った」という声が出ないのは、見る人がいないだけかもしれません。

点検をしていない会社1. 不具合が起きる2. 誰も気づかない3. お客様は黙って離れる4. 問い合わせが減る5. 景気や時期のせいと考える→ 原因が分かるのは、かなり後です。年1回、点検している会社1. 決まった月に点検する2. 期限・フォーム・情報を確認3. 小さな不具合のうちに見つかる4. 数千円〜で直せることが多い5. 大きな損失になる前に対応→ 手間は年に数時間ほどです。

図の右側のように、点検している会社は小さなうちに問題を見つけられます。必要な手間は、後で示すチェックリストを使って、担当者が半日ほどです(サイトの大きさによって幅があります)。

このセクションのまとめ

問題が見えにくいことこそが、放置の本当のリスクです。年1回の点検は、「気づくための仕組み」だと考えると分かりやすくなります。

4. 放置による損失と、点検・対応にかかる費用の幅

社長が最も知りたいのは、「結局いくらかかるのか」ではないでしょうか。ここでは一般的な目安を幅で示します。実際の金額は、サイトの規模、契約先、依頼する会社によって大きく変わります。必ず複数の見積もりで確認してください。

放置した場合に起こり得る損失の例

起こり得ること 損失の性質 気づきやすさ
古い情報の掲載 信頼感の低下、問い合わせ前の離脱 気づきにくい
SSL証明書の期限切れ 閲覧者の不安、フォーム利用の減少 表示されれば気づく
ドメインの失効 サイト・メールの停止、取引への影響 止まって初めて気づく
改ざん・乗っ取り 信用の低下、復旧の手間と費用 気づきにくい
部品の古さによる不具合 表示崩れ、管理画面に入れない 不具合が出るまで気づかない
フォームの不具合 問い合わせの取りこぼし 非常に気づきにくい

点検・対応にかかる費用の一般的な目安

以下は、中小企業のコーポレートサイト(数ページ〜数十ページ)を想定した、一般的な目安です。サイトの作り方や依頼先によって異なるため、参考値としてお読みください。

内容 自社で行う場合 外部に依頼する場合(目安)
年1回の点検(チェックリスト実施) 担当者の作業時間として半日〜1日ほど 数千円〜数万円程度の幅で、診断サービスなどがある
部品の更新(CMS・プラグイン) 保存を取ったうえで、半日〜1日 数千円〜数万円(1回あたり)
SSL証明書の更新・再設定 サーバー会社の画面で確認 無料〜数千円。設定の依頼は数千円〜数万円
ドメインの更新 登録先で更新手続き 年額で数千円前後が一般的な幅(種類により異なる)
改ざんからの復旧 難しいため専門家へ 数万円〜数十万円程度と幅が大きい
部分改修(古い箇所の直し) 小さな文章修正なら可能 数万円〜数十万円程度
全面リニューアル 自社では難しい 数十万円〜数百万円程度と幅が大きい

費用の面では、「放置して大きな事故を起こしてから直す」よりも、「小さく点検して、小さく直す」ほうが、総額は小さくなる傾向があります。ただし、これは一概には言えません。古くなったサイトは、直すより作り直すほうが安い場合もあります。その判断については、別の記事(ホームページのリニューアルと作り直しの費用目安)をご覧ください。

毎月の管理費についても、見直すきっかけになります。何に対していくら払っているのかを整理した記事(ホームページの維持費はいくらか)も合わせてお読みください。管理費を払っているのに点検されていない、という場合もあります。

管理費を払っていても、点検が含まれているとは限りません

毎月の管理費に「サーバー代」しか含まれていない場合があります。契約書やお見積書で、点検・更新・バックアップが含まれているかを、まず確認しましょう。

このセクションのまとめ

費用は「点検は数千円〜数万円」「大きな復旧は数十万円規模にもなり得る」と幅があります。小さく点検し、小さく直すことが、結果的に負担を抑えやすい考え方です。

5. 担当者に渡す|年1回のホームページ点検チェックリスト

この章は、社長が自分で操作するためのものではありません。担当者または外部の方に、そのまま渡していただくための章です。印刷して渡しても構いません。各項目は「見るだけ」「試すだけ」を基本にしています。

点検を始める前に、担当者に伝えておくこと

  • 目的は「直すこと」ではなく「現状を知ること」です。見つかった問題は一覧にして、社長に報告します。
  • 管理画面で設定を変える、部品を更新するなどの作業は、保存(バックアップ)を取る前に行わないでください。
  • ID・パスワードは、社内の安全な場所に保管し、メールやチャットで送らないでください。
  • 所要時間は、半日〜1日ほどです(サイトの大きさにより幅があります)。
年1回の点検は、4つの箱を順に見るだけA 見える所□ 会社情報は最新か□ 電話・住所・営業時間□ 料金・商品・実績□ 切れたリンクはないか□ スマホで開いてみるB 問い合わせ□ テスト送信をする□ 担当者に届いたか□ 自動返信は届くか□ 迷惑メール箱も見る□ 送信先は今の担当かC 期限と契約□ ドメインの期限□ サーバーの期限□ SSL証明書の期限□ 契約者は会社名義か□ 請求先メールは今のかD 安全面□ 保存(バックアップ)あり□ 部品の更新状況□ 使っていない管理者□ 検索結果に不審な文字□ 管理画面ログイン可

A. 見える所の点検(所要の目安:30分〜1時間)

確認すること 見るポイント 結果の書き方
会社概要・代表挨拶 社名、住所、設立年、役員、代表者名が現状と合っているか 合っている/直す(箇所)
電話番号・メール・営業時間 ホームページの全ページ(フッター含む)で同じ表記か 合っている/直す(箇所)
料金・商品・サービス 今は扱っていないものが載っていないか。価格は現在のものか 合っている/直す(箇所)
お知らせ・実績 最新の日付がいつか。古すぎる場合は、年1回の追記を検討 最新日付:〇年〇月
リンク切れ 主要なページのリンクを順に押し、エラーが出ないか 問題なし/ページ名
スマホでの見え方 手元のスマホでトップと問い合わせページを開き、文字とボタンが押せるか 問題なし/見づらい(どこが)

古い情報の見直しでは、実在の担当者の連絡先や、すでに終了したキャンペーンの記載に特に注意してください。同じ内容が複数の場所に書かれていると、一部だけ直し忘れることがよくあります。

B. 問い合わせの点検(所要の目安:30分)

確認すること 具体的な方法 結果の書き方
フォームからのテスト送信 実際にフォームの全項目を入れて送信する。内容に「テスト」と書く 届いた/届かない
届いた先は適切か 担当者の受信箱に届くか。退職者や古いアドレスに届いていないか 担当者に届いた/別の人に届く
自動返信メール お客様側に確認メールが送られる設定なら、テスト用の自分のアドレスで確認 届いた/届かない
迷惑メール箱 届いていなければ、迷惑メールのフォルダも確認する 見つかった/ない
電話・地図の表示 電話番号を押すと発信できるか(スマホ)。地図は正しい場所か 問題なし/直す

フォームが届かない場合、原因は、設定の古さ、メールの受信設定、サーバーの変更などさまざまです。担当者が原因を探す必要はありません。「届かなかった」という事実を記録して、制作会社や管理会社に伝えれば十分です。営業メールが多すぎて本物を見落としていないかについては、別の記事(問い合わせフォームに営業メールばかり届くときの対策)が参考になります。

C. 期限と契約の点検(所要の目安:1時間)

確認すること どこで見るか 結果の書き方
ドメインの有効期限 ドメインを登録した会社の管理画面、または更新案内メール 期限:〇年〇月〇日/自動更新:あり・なし
サーバーの有効期限 サーバー会社の管理画面、または請求書 期限:〇年〇月〇日/自動更新:あり・なし
SSL証明書の状態 ブラウザでサイトを開き、「保護されていない通信」などの警告が出ないか 問題なし/警告が出る
契約者の名義 請求書・契約書の名義が、会社になっているか。制作会社名義でないか 会社名義/制作会社名義/不明
請求・案内メールの宛先 退職者や古い担当者のアドレスになっていないか 現在の担当/古い(誰)
ID・パスワードの保管 管理画面とドメイン・サーバーのログイン情報の保管場所が分かるか 把握している/不明

契約者の名義については、見落とされやすいものです。自社ドメインが制作会社の名義になっていると、解約や乗り換えの際に困ることがあります。確認の考え方は、別の記事(自社ドメインの所有者は誰か)で詳しく扱っています。

D. 安全面の点検(所要の目安:1〜2時間)

確認すること どこで見るか 結果の書き方
保存(バックアップ)の有無 サーバー会社または制作会社に「最近の保存はあるか」を尋ねる 毎日・毎週など頻度/ない
CMS・プラグインの更新状況 管理画面に「更新があります」の表示がないか(見るだけで更新はしない) 更新あり(数)/なし
使っていない管理者の登録 管理画面のユーザー一覧に、退職者や不明な人がいないか なし/いる(誰)
検索結果の確認 Googleで社名を検索し、見覚えのない文字や別ジャンルの文章が出ていないか 問題なし/不審な表示
管理画面にログインできるか 担当者が実際にログインできるか。パスワードを忘れていないか できる/できない

更新ボタンを押す前に、必ず保存を取ってください

部品の更新で表示が崩れることがあります。点検の段階では更新せず、「更新が必要」と記録して社長に報告するのが安全です。更新は、保存を取ったうえで、詳しい人に任せましょう。

点検結果の報告書は、この形で十分です

点検が終わったら、次のような短い報告書にまとめてもらいましょう。長い文章は不要です。社長が「いつ・何を・誰が」を判断できれば足ります。

項目 記入例(架空)
点検日・担当者 2026年11月5日 総務部 〇〇
問題なしの項目 会社概要、SSL証明書、ドメインの期限、管理画面ログイン
直したほうがよい項目 営業時間の古い記載(3か所)、フォームの送信先が退職者宛て
専門家への相談が必要な項目 部品の更新が数件ある、保存の有無が不明
次回の点検予定 2027年11月(ドメイン更新の1か月前に設定)

このセクションのまとめ

点検は4つの箱(見える所、問い合わせ、期限と契約、安全面)を順に確認するだけです。担当者には「見つけたら直す」ではなく「見つけたら報告する」と伝えると、安全に進められます。

6. 点検で問題が見つかったとき|優先順位のつけ方

点検をすると、何かしら見つかるものです。それは悪いことではなく、点検が働いた証拠です。ただ、すべてを同時に直す必要はありません。社長は、次の順番で判断してください。

優先順位は「止まるもの」「届かないもの」「古いもの」の順

優先度 対象 対応の目安
最優先(すぐ) 期限が近い/切れているドメイン・サーバー・SSL証明書、フォームが届かない 当日〜数日以内に担当者が対応。必要なら専門家へ連絡
高(1か月以内) 不審な表示、管理者の不明な登録、保存がない 専門家に確認を依頼。保存の設定を優先
中(3か月以内) 部品の更新、リンク切れ、スマホでの見づらさ 保存を取ってから更新。見積もりを複数取る
低(半年〜1年) 古いお知らせ、写真の入れ替え、文章の見直し 次回の点検までに計画的に直す

フォームが届いていなかった場合は、最優先です。お客様との接点が止まっているためです。まず送信先を直して、テスト送信で確認します。過去に届かなかった問い合わせがあった可能性も、冷静に受け止めておきましょう。

「直す」より「作り直す」ほうがよい場合の目安

点検の結果、直すべき箇所が多すぎる場合は、作り直しを検討する段階かもしれません。次のような状態が複数当てはまるなら、見積もりを取る価値があります。

  • 管理画面に入れない、または誰も操作方法を知らない
  • 部品の更新が長い期間たまっており、更新すると崩れる恐れがある
  • スマホで見ると、文字が小さく操作しづらい
  • 制作会社が連絡不能で、契約や名義が整理できない
  • 会社の事業内容が、載っている内容と大きく変わった

ただし、「古いから全部作り直す」と決める必要はありません。情報だけ新しくする部分改修で済む場合も多いためです。見積もりは、複数の会社から取り、内訳を比べてください。

このセクションのまとめ

見つかった問題は、「止まるもの」「届かないもの」を最優先にします。すべて一度に直さず、優先度の高いものから順に、予算と相談して進めましょう。

7. 点検は誰に任せるか|社長が決める3つの選択肢

点検は社長が自分で行う必要はありません。誰に任せるかを決めるのが、社長の仕事です。主な選択肢は3つあります。

選択肢 向いている会社 メリット 注意点
社内の担当者 担当者がいて、時間を取れる 費用がかからず、社内事情が分かる 担当者が異動・退職すると続かない。年1回の予定を会社の予定表に入れておく
当初の制作会社 サイトの作りを最もよく知っている 状況の把握が早い 点検が管理費に含まれていないことがある。含まれる範囲を事前に確認
外部の専門家(別の会社) 制作会社と連絡が取れない/客観的に見てほしい 第三者の目で見てもらえる ログイン情報の受け渡しに注意。依頼先の実績を確認

担当者を決めるときの考え方は、別の記事(ホームページを社内の誰に任せるか)に詳しくまとめています。兼任の担当者が無理なく続けるための工夫も、参考になるはずです。

「自分でやる」か「任せる」かの判断軸

作業 自分でやる(社内) 任せる(外部)
情報の見直し(会社概要・営業時間など) 社内のほうが早く正確 文章作成を頼むのは必要なときだけ
テスト送信・期限の確認 社内で十分 必要なし
部品の更新・保存の設定 慣れていなければ避ける 任せるほうが安心
不審な表示・改ざんの疑い 触らずに連絡する 専門家にすぐ相談
リニューアルの検討 要件整理は社内で 制作は外部へ

外部に依頼するときは、ログインの情報を渡す前に、守秘義務や作業範囲を書面で確認してください。「何をして、何をしないか」を先に決めておくと、後の食い違いが減ります。

このセクションのまとめ

点検の担当は、社内、制作会社、外部の専門家の3択です。大切なのは、誰がやるかよりも、毎年同じ時期に実施する予定を会社の予定表に入れておくことです。

8. やってはいけないこと|NOT TO DO 5項目

点検や対応を進めるときに、避けたほうがよいことをまとめます。善意で動いた結果、状況が悪化することもあるためです。

  1. 保存(バックアップ)を取らずに、部品を更新する。更新で表示が崩れたとき、戻せなくなります。
  2. ID・パスワードをメールやチャットで共有する。第三者に見られる危険があります。
  3. 「更新のお知らせ」と書かれたメールのリンクから、慌てて支払いをする。まず契約先に直接確認します。
  4. 不審な表示を見つけて、自己判断でファイルを削除する。原因の手がかりが消えることがあります。
  5. 管理費を払っているから大丈夫、と契約内容を確認しない。点検が含まれているかは、契約書で確かめます。

迷ったら、触らずに記録して相談

画面のスクリーンショットと、気づいた日時を残しておくと、専門家が原因を調べやすくなります。社長が慌てて指示を出す必要はありません。

9. AIを使った点検の補助|半自動化のコツ

点検の一部は、AIの助けを借りることもできます。ただし、AIに任せきりにするのではなく、人が最後に判断する形が安全です。

AIが得意な点検の補助

  • 会社の最新資料(紙やPDF)とホームページの文章を貼り付け、食い違いを一覧にしてもらう
  • 点検結果のメモから、社長向けの短い報告書を作ってもらう
  • 「更新のお知らせ」を装った不審メールの文面について、気になる点を整理してもらう(最終判断は契約先への確認で)
  • 次回の点検日を、ドメインの期限から逆算した予定表にまとめてもらう

AIに任せてはいけないこと

  • ID・パスワード、顧客情報を入力すること
  • 管理画面の設定変更を、AIの案内のままに実行すること
  • 改ざんの有無を、AIの回答だけで「問題なし」と判断すること

AIは文章の突き合わせや整理が得意ですが、サイトの内部の状態までは正確に分かりません。最終的な確認は、人が画面で行うことが基本です。点検の自動化ツールを使う場合も、結果を担当者が見て判断する形にしましょう。

無料の診断サービスを使うのも一つの方法です。webcan.jpでも、ホームページの現状を調べる無料診断を用意しています(無料診断)。点検の入口として使っていただけます。

10. 架空の例で見る|点検を始めたある会社のケース

ここでは、実在しない会社を想定した例を紹介します。放置していた会社が、年1回の点検でどう変わるかのイメージとしてお読みください。

従業員40名ほどの、地方の建材卸売会社(架空)を想定します。ホームページは7年前に制作会社が作ったもので、お知らせは5年前で止まっていました。社長は「名刺代わりだから、これでいい」と考えていました。

ある年、総務の担当者が、このチェックリストで点検しました。結果は次のとおりでした。

点検項目 結果 対応
営業時間・電話番号 営業時間が古く、旧番号が1か所に残っていた 半日で修正
フォームのテスト送信 退職した社員のアドレスに届いていた 当日中に送信先を変更
ドメインの期限 来月が期限で、自動更新が「なし」 担当者が更新手続き
部品の更新状況 更新が多数たまっていた 保存を確認したうえで、外部に更新を依頼

フォームの送信先は、前任者が退職したあとも変更されていませんでした。この間に何件の問い合わせが見逃されたのかは、今となっては分かりません。社長は、この結果を受けて、毎年11月に点検する予定を決め、担当者を総務部に置きました。

この例で大切なのは、大きな事故が起きる前に、小さな見落としを見つけられた点です。点検にかかった時間は、担当者の作業と外部への更新依頼を合わせても、数日と少額の費用で収まった、という想定です。実際の状況は会社ごとに異なります。

11. よくある質問

点検や放置について、社長からよく寄せられる質問をまとめました。

Q. ホームページを何年も更新していないと、検索順位は下がりますか。

A. 更新の古さだけで順位が決まるわけではないと考えられています。ただ、情報が古い、スマホで見づらいなどの理由で、ほかのサイトが選ばれやすくなる可能性はあります。まずは会社情報が正しいか、見やすいかを確認することをおすすめします。

Q. 点検は年に何回すればよいですか。

A. 中小企業のコーポレートサイトであれば、年1回を基本として十分なことが多いです。ドメインやSSL証明書の期限、決算期、繁忙期の前後など、毎年同じ時期に設定すると忘れにくくなります。サイトを頻繁に更新している場合は、半年に1回に増やしても構いません。

Q. 担当者がいません。社長が自分でやるべきですか。

A. 社長が自分で行う必要はありません。制作会社や外部の専門家に点検を依頼する方法があります。ただし、依頼先に任せきりにせず、期限や契約の名義だけは会社として把握しておくと安心です。

Q. 制作会社と連絡が取れません。どうすればよいですか。

A. まず、契約書、請求書、ドメインの登録情報から、契約者の名義と管理者を確認します。必要な情報が分かれば、別の専門家に引き継ぎを依頼できる場合があります。判断が難しいときは、無料相談をご利用ください。

Q. SSL証明書やドメインの期限は、どこで確認できますか。

A. ドメインは登録した会社の管理画面や、更新案内のメールで確認できます。SSL証明書は、サイトをブラウザで開いた際に警告が出ていないかが、最も簡単な確認です。契約先が分からないときは、請求書の名義を手がかりにしてください。

Q. 放置していたホームページは、直すより作り直したほうがよいですか。

A. 状態によって異なります。情報の更新や部品の整理で足りる場合もあれば、管理画面に入れないなど、作り直すほうが現実的な場合もあります。複数の会社から見積もりを取り、内訳を比べて判断することをおすすめします。

Q. 改ざんされたかどうか、自分で見分ける方法はありますか。

A. 社名で検索したときに見覚えのない文字が出る、サイトを開くと別のページに飛ぶ、といった症状が手がかりになります。ただし、見た目に出ないこともあるため、自己判断は避けましょう。疑わしいときは、触らずに専門家へ相談してください。

12. まとめ|社長が決めることは4つだけです

ここまでの内容を、社長が決めることに絞って整理します。細かな作業は担当者に任せて構いません。

  1. 年に1回、点検の月を決める(ドメインの期限の1か月前などが目安です)。
  2. 点検の担当を決める(社内、制作会社、外部の専門家のどれか)。
  3. この記事のチェックリストを担当者に渡し、報告書を受け取る。
  4. 見つかった問題は、優先度の高いものから順に、予算と相談して対応する。

ホームページは、作ったあとの手入れによって、会社の信頼を守る道具にも、気づかないうちに足を引っ張る存在にもなり得ます。ただ、そのために大きな費用や時間が必要なわけではありません。年に1回、半日の点検から始めてみてください。

点検の進め方に迷うとき、見つかった問題の優先順位をつけたいとき、制作会社と連絡が取れないとき。そのような場合は、下の窓口からいつでもご相談いただけます。

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相談の入口

ホームページを長く放置していて、何から確認すればよいか分からない。点検を誰に頼めばよいか迷っている。そのようなときは、状況をお聞かせください。現状の整理から、優先順位のつけ方まで、無料でご相談をお受けします。まず現状だけ知りたい場合は、無料診断も使えます。

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webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。

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