この記事の要点
検索対策(検索結果で自社サイトを見つけてもらう取り組み)の内製化(社内で行うこと)で外注から切り替えるときは、業者から資料と権限を先に回収し、3か月かけて作業を移します。社長が決めるのは、担当者・期限・業者と重ねる期間の3つです。この記事では、受け取る資料の一覧と3か月の移行表を示します。
「検索対策を、外注から社内に切り替えたい。ただ、何から手をつければよいのか分からない」。こうしたご相談は、中小企業の社長からよく届きます。この記事は、社内に切り替えると決めたあとの手順だけを扱います。
社内でやるか外注するかの判断そのものは、検索対策は社内でやるか外注するかで整理しています。別の業者に替える場合は、検索対策の業者を乗り換えるときの注意点をご覧ください。
結論:検索対策の内製化は「回収、並走、移行」の3か月で進める
社内への切り替えで失敗しやすいのは、業者との契約を先に終わらせてしまうことです。資料や権限が手元に戻らないまま、社内の担当者が作業を引き継ぐことになります。順番は、回収が先、契約終了は最後です。
期間の目安は3か月です。サイトの規模や、社内の担当者に割ける時間によって、2〜6か月の幅で考えてください。ここでは、3か月を基準にして説明します。
3か月の全体像(一覧表)
| 時期 | やること | 主に動く人 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 資料と権限の回収、現状の棚卸し、業者の作業の見学 | 業者(説明)、社内の担当者(受け取り) |
| 2か月目 | 社内の担当者が実際に作業し、業者が内容を確認する | 社内の担当者、業者(確認役) |
| 3か月目 | 社内だけで運用し、業者には質問があるときだけ聞く | 社内の担当者、社長(月次の確認) |
| 3か月後 | 契約終了、月次の見直しの定着 | 社長と担当者 |
社長が決めること3つ
細かい作業は担当者に任せられます。ただ、次の3つだけは、社長が決める必要があります。
- 担当者は誰か。名前を1人に決めます。「みんなで見る」にすると、誰も動かなくなります。
- いつまでに切り替えるか。期限を日付で決めます。目安は、今日から3か月後です。
- 業者と重ねる期間をどれだけ取るか。重ねるほど安全ですが、費用も重なります。
ポイント
切り替えは「業者を切る」ことではなく「作業と記録を会社に戻す」ことです。戻すものが揃ってから、契約を終えます。
セクションのまとめ:切り替えは回収、並走、移行の順に3か月で進め、社長は担当者・期限・重ねる期間の3つを決めます。
切り替えの前に確かめる3つのこと
社内に切り替えると決めていても、動き出す前に確かめておくと、あとで慌てずに済みます。ここでは、3つだけに絞ります。
1. 担当者が、週に何時間使えるか
検索対策を社内で続けるには、時間が必要です。サイトの大きさや更新の頻度で変わりますが、週2〜4時間ほどを見込むと考えやすいでしょう。これは、あくまで想定の幅です。
他の仕事と兼任の場合は、何を減らして時間を空けるかを、社長が先に決めてください。時間の手当てがないまま任せると、半年後に更新が止まります。担当者の選び方は、ホームページを社内の誰に任せるかで詳しく扱っています。
2. 業者に任せていた作業の中身が、分かっているか
外注していると、業者が何をしているのか見えにくくなります。月次レポートの文面だけでは、実際の作業が分からないことも少なくありません。
そこで、まず「業者がこの1年に何をしたか」の一覧を出してもらいます。記事の追加、既存記事の修正、サイトの設定変更、外部への働きかけなどに分けて書いてもらうと、社内に残す作業と手放す作業が見えてきます。
3. 社内でやらないことを、先に決めているか
業者がやっていた作業を、すべて社内に移す必要はありません。専門的で時間のかかる作業は、スポットで外部に相談する選択もあります。やらないことを決めると、担当者の負担は軽くなります。
| 確かめること | 社長への問い | 決まっていない場合 |
|---|---|---|
| 担当者の時間 | 週に何時間を、何の代わりに使うか | 切り替えを延期し、先に時間を確保する |
| 作業の中身 | 業者の過去1年の作業を、紙で見たか | 業者に作業一覧を依頼する |
| やらないこと | 社内で続けない作業を決めたか | 担当者と1時間話して3つ決める |
セクションのまとめ:週の時間、業者の作業の中身、やらないことの3点が決まってから動くと、切り替え途中で止まりにくくなります。
業者から受け取る資料と権限の一覧
切り替えの中心は、資料と権限の回収です。これが終わっていないと、社内の担当者が何もできません。まず6点を確認します。
| 受け取るもの | なぜ必要か | 確認のしかた |
|---|---|---|
| サーチコンソールの「オーナー」権限 | 検索結果での表示回数や順位を、社内で見て操作するため | 社内の担当者のアカウントが「オーナー」になっているか(最低でも「フル」) |
| アナリティクス(GA4)の管理者権限 | 訪問者数や問い合わせの動きを見るため | 担当者が「管理者」で入れるか |
| サイト管理画面のログイン情報 | 記事の修正や追加を社内でするため | 担当者のIDで入れるか、実際にログインする |
| 記事の原稿と画像の元データ | 修正や再利用のため | フォルダにまとめて受け取り、開けるか確認する |
| 月次レポートと作業履歴 | 過去の判断の理由を残すため | 過去分が全部そろっているか |
| Googleビジネスプロフィール | 地図検索の情報を社内で更新し、業者の権限を外せるようにするため | 社内アカウントが「オーナー」(できればメインオーナー)か。「管理者」のままでは業者を外せない |
ご注意:ドメイン(サイトのアドレス)やサーバーを業者名義で契約している場合は、名義の移し替えを先に業者へ相談してください。詳しくは検索対策の業者を乗り換えるときの注意点をご覧ください。
サーチコンソールの権限は「オーナー」「フル」「制限付き」で違う
サーチコンソールの権限は、画面上で「オーナー」「フル」「制限付き」の3つに分かれています。「制限付き」は、ほぼ見るだけの権限です。「フル」であれば、サイトマップの送信など、日々の作業の多くができます。
「オーナー」でないとできないのは、ユーザーの追加・削除などです。業者がオーナーのままだと、業者を外すことも、社内の人を増やすこともできません。社内の担当者が「オーナー」になっているかを、必ず確認してください。
アナリティクスも同じです。閲覧だけの権限だと、設定が変えられません。使い方の基本はサーチコンソールの使い方にまとめています。細かい手順は担当者に渡す資料として、そちらをお使いください。
原稿と画像は、権利の確認もあわせて
記事の原稿や画像データを受け取れるかどうかは、契約によって変わります。契約書に、著作権の扱いが書かれているかを見てください。書かれていない場合は、書面かメールで確認を残しておきます。
契約書の見方や、解約の申し出期限は、検索対策の契約の縛りと解約条件に5項目で整理しています。切り替えの前に、一度ご覧になることをおすすめします。
作業の履歴と「なぜそうしたか」の記録
意外に見落とされるのが、作業の履歴です。どの記事をいつ直したか、どんな理由でそうしたかが残っていないと、社内の担当者は同じ失敗を繰り返しかねません。
業者に、次の3つを書いてもらうよう依頼してください。
- この1年に直したページの一覧と、直した日
- 直した理由と、そのあとの数字の動き
- 今後3か月でやる予定だった作業
引き継ぎ項目を、さらに細かく確認したいときは、検索対策の業者を乗り換えるときの注意点の引き継ぎ項目の章が参考になります。
注意
業者に渡した管理者権限を、受け取り前に先に外してはいけません。社内の担当者が入れることを確認してから、業者側の権限を整理します。
セクションのまとめ:受け取る資料は6点で、権限は「見られる」ではなく、オーナー・管理者として持つことまで確認します。
3か月の移行表:週ごとにやること
ここからは、3か月を週に分けた表です。担当者に、そのまま渡してください。社長が見るのは、各月の最後の確認だけで構いません。
1か月目:棚卸しと受け取り
| 週 | 担当者がやること | 業者にお願いすること |
|---|---|---|
| 1週目 | 業者の作業の一覧を依頼する。権限の状況を確認する | 過去1年の作業一覧と、現在の権限一覧を出してもらう |
| 2週目 | サーチコンソールとアナリティクスに、自分のアカウントで入る | 「オーナー」と「管理者」権限の付与を依頼する |
| 3週目 | 原稿・画像の元データを受け取り、開けるか確認する | データの一括提供 |
| 4週目 | 月次の打合せに同席し、質問を5つ書き出す | 作業の見学と、質問への回答 |
1か月目は、担当者が「見る」月です。まだ作業はしません。見学しながら、用語や進め方をメモしておくと、2か月目が楽になります。
2か月目:並走(業者と重ねる期間)
| 週 | 担当者がやること | 業者にお願いすること |
|---|---|---|
| 5週目 | 記事を1本、社内で修正してみる | 修正の前に、内容の確認をしてもらう |
| 6週目 | 修正後の表示を確認し、検索結果の変化をメモする | 気づいた点のコメント |
| 7週目 | 新しい記事を1本、社内で作る | 構成の確認だけをお願いする |
| 8週目 | 月次レポートを社内で作ってみる | レポートの見方の確認 |
2か月目は「担当者が実行して、業者が確認する」月です。この期間は、業者への費用が重なります。見積もりの段階で、並走の費用を確認しておいてください。
3か月目:社内への切り替え
| 週 | 担当者がやること | 業者にお願いすること |
|---|---|---|
| 9週目 | 社内だけで週の作業を回す | 質問があるときだけ連絡 |
| 10週目 | 月次の数字を見て、次の1か月の作業を決める | なし(質問対応のみ) |
| 11週目 | 不足している権限や資料がないか最終確認する | 不足分の提供 |
| 12週目 | 社長に報告し、契約終了の可否を相談する | 契約終了の手続き |
12週目に、社長が「契約を終える」「あと1か月延ばす」のどちらかを決めます。延ばす場合は、理由を紙に書いてください。理由が書けないときは、終えて問題ありません。
ポイント
3か月は目安です。サイトが小さければ2か月、記事が多く担当者の時間が少なければ4〜6か月でも構いません。大事なのは、期限を日付で決めることです。
セクションのまとめ:3か月を週に分け、1か月目は見る、2か月目は重ねる、3か月目は任せる、という順で進めます。
切り替えたあとの社内の仕事と、必要な時間
社内に移すと、毎週・毎月・数か月ごとに、決まった仕事が生まれます。ここで全体像を見ておくと、担当者も社長も、時間のイメージを持ちやすくなります。
| 頻度 | 仕事の内容 | 時間の目安(想定) |
|---|---|---|
| 毎週 | 記事の追加か修正を1本。公開後の表示を確認する | 2〜3時間 |
| 毎月 | サーチコンソールの数字を見て、メモにまとめる | 1〜2時間 |
| 3か月ごと | 伸びたページと伸びないページを振り返り、方針を見直す | 2〜3時間 |
| 年1回 | 契約している外部サービスや、サイトの設定を点検する | 半日 |
時間の目安は、サイトが小〜中規模で、週に記事を1本ほど足す場合の想定です。実際は、記事の長さや、担当者の慣れによって変わります。最初の3か月は、これより多めにかかる前提で考えてください。
毎月の数字は「4つ」だけ見る
社内に移すと、数字を見る役目も会社に移ります。外注のときは、業者のレポートを読めば済みました。これからは、担当者が数字を拾い、社長が確認する形です。
見る数字は、次の4つに絞ってください。レポートの読み方は検索順位レポートの見方でも扱っています。
- 検索結果での表示回数(見つけてもらった回数)
- クリック数(実際にサイトへ来た回数)
- 問い合わせの件数
- 伸びているページと、落ちているページの名前
効果が出るまでの期間は、一般に月単位で見るものです。検索対策の効果が出るまでの期間に、1・3・6か月の目安表があります。切り替え直後に数字が動かなくても、あわてる必要はありません。
担当者が1人のときの「休む日」の備え
担当者が1人だと、休みや退職のときに作業が止まります。これを防ぐには、手順書と、アカウントの共有先を残すことです。担当者が変わっても、次の人が入れるようにしておきます。
- 作業手順を1枚にまとめ、共有フォルダに置く
- パスワードの管理者を、社長か総務の担当者にしておく
- 副担当を1人決め、年に1回は一緒に作業する
外注先との窓口づくりと同様に、社内の窓口も1人に決めると、連絡が止まりません。窓口の考え方はWeb外注の社内窓口の仕事が参考になります。
セクションのまとめ:切り替え後の仕事は、毎週・毎月・3か月ごとの3つのリズムで考え、数字は4つだけ見れば十分です。
旧業者への伝え方と、契約を終えるタイミング
社内に切り替えるとき、業者への伝え方で悩む社長は多くいらっしゃいます。不満があって切り替える場合は、特に気が重いものです。ですが、伝え方の基本はシンプルです。
伝えるのは「切り替えの方針」と「お願いしたいこと」
理由は、短く事実だけを伝えます。「社内で運用できる体制をつくることにしました」と書けば十分です。批判や不満は、書かないほうが話が早く進みます。
そのうえで、資料の提供と、3か月の並走への協力をお願いします。ここで、解約の申し出期限が契約にあるかを、先に確認しておいてください。
担当者が使える依頼文の例
依頼文の例
いつもお世話になっております。このたび、検索対策を社内で運用する体制へ移すことにいたしました。つきましては、次の3点をお願いできますでしょうか。(1)サーチコンソールとアナリティクスの権限を、社内の担当者に付与していただくこと。(2)これまでの原稿・画像データと作業履歴をご提供いただくこと。(3)今後3か月、移行の確認にご協力いただくこと。契約の終了日につきましては、資料の受け取り後にあらためてご相談させてください。
契約終了日は、回収が終わってから決める
契約の終了日は、資料と権限の回収が終わってから決めます。先に終了日を決めると、期限に追われて回収が不十分になります。契約書に自動更新の条件があるときは、その期限だけは先に確認してください。
自動更新の期限を過ぎると、さらに数か月分の費用がかかることがあります。更新の申し出期限は、契約書で最初に見る項目です。詳しくは検索対策の契約の縛りと解約条件をご覧ください。
セクションのまとめ:伝えるのは方針と依頼だけにし、契約終了日は回収が終わってから決めます。自動更新の期限だけは先に確認します。
切り替え中に「触らないこと」とやってはいけないこと
切り替えの期間中は、順位が動きやすい時期でもあります。社内で作業を始めたばかりの時期に、サイトを大きく変えると、原因が分からなくなります。
切り替え中は、この3つを触らない
- ページのURL(アドレス)。変えると、これまでの評価が引き継がれにくくなります。
- タイトルの一斉変更。1本ずつ直して、変化を見ます。
- サイトの全面リニューアル。切り替えと同時にやると、原因の切り分けができません。
どうしてもURLを変える場合は、元のページから新しいページへ転送する設定が必要です。この設定は専門的なので、業者にいるうちに相談しておくと安心です。
順位が動いたときの見方
切り替えの前後で、順位が少し上下することはあります。1〜2週間の動きは、検索の仕組み側の変化によることもあり、原因を1つに決めつけられません。
そこで、次の手順で見てください。
- 先月と比べて、全体の表示回数が下がっているか確認する
- 特定のページだけが下がっているか確認する
- そのページを、直近で触っていないか確認する
- 触っていなければ、様子を見て2〜3週間後に再確認する
順位が下がったときの考え方は検索対策の効果が出るまでの期間のほか、検索順位が下がったときの回復期間の目安でも整理しています。
セクションのまとめ:切り替え中はURL・タイトルの一斉変更・全面リニューアルの3つを触らず、動きは2〜3週間の幅で見ます。
社内だけで難しいときの選択肢:全部を戻さず、一部だけ相談する
社内に切り替えるといっても、すべてを担当者1人で抱える必要はありません。難しい部分だけ外に相談する形は、中小企業ではむしろ自然です。
| 作業 | 社内に向く | 外に相談してよい |
|---|---|---|
| 記事の追加・修正 | 自社の商品やお客様の声を書ける。社内向き | 文章の添削だけ頼む |
| 数字のまとめ | 毎月の定型作業。社内向き | なし |
| サイトの技術的な設定 | 変更が少なければ社内可 | 設定変更が必要なときだけ相談 |
| 方針の見直し(3か月ごと) | 社内の担当者が案を作る | 年1〜2回、第三者の目で確認 |
| 大きな改修・リニューアル | 社内には不向き | 専門家に任せる |
部分的に外部へ相談する場合は、作業の範囲と費用を事前に決めておくとよいでしょう。任せる範囲の考え方はSEO対策代行とは?に、任せられる作業と費用の比べ方がまとまっています。
社内で続けるか、一部を任せるかの考え方は、Webマーケティング内製化 vs 外注も参考になります。
セクションのまとめ:社内に戻す作業と、外に相談する作業を分けておくと、担当者の負担が減り、切り替えが長続きします。
架空の事例:従業員30名ほどの食品卸会社の3か月
ここでは、実在の会社ではなく、よくある流れをまとめた架空の事例で説明します。
地方で食品の卸を営む、従業員30名ほどの会社を想定します。検索対策を外注して2年ほど経ちました。月次レポートは届きますが、社長にはその内容がよく分かりません。総務の担当者が、少し時間に余裕が出たため、社内で運用しようと決めました。
1か月目:権限の確認で、見つかったこと
担当者が最初に権限を確認すると、サーチコンソールの「オーナー」が業者のアカウントだけでした。会社のアカウントは「フル」ユーザーです。日々の作業はできますが、ユーザーの追加や削除はできません。そこで、オーナーの追加を業者に依頼しました。
また、原稿のデータは、業者のサーバーにしか残っていませんでした。画像も一部は元データがなく、サイトに載っている形でしか残っていません。この時点で気づけたため、業者に一括で提供してもらいました。
2か月目:まず1本、直してみる
担当者は、まず既存記事を1本だけ直しました。直す前に、業者に内容を見てもらいます。「題名が長い」「写真の説明が足りない」といった指摘を受け、修正しました。
並走の費用は月数万円ほどで、予算の範囲に収まりました。この金額は事例の想定です。実際の費用は、業者との契約で変わります。
3か月目:社内で回し、契約を終える
3か月目は、社内だけで週1本の更新を続けました。わからない点は、業者に質問します。社長は月に1回、担当者がまとめた4つの数字を見るだけです。
12週目に、社長が契約終了を決めました。終了の前に、権限と資料がそろっているかを、6点の表で最終確認しました。
- 権限の確認は、早いほど安心できる
- 原稿・画像は、必ず元データを受け取る
- 社長が見る数字は、4つで足りる
セクションのまとめ:架空の事例でも、効いたのは早めの権限確認と、元データの回収、数字を4つに絞ることの3点でした。
やってはいけない5つのこと
最後に、社内へ切り替えるときにやりがちな失敗を5つにまとめます。社長から担当者へ、あらかじめ伝えておいてください。
- 契約を終えてから、資料を請求する。終了後は、対応してもらえないことがあります。
- 権限を「制限付き」や「閲覧のみ」で済ませる。設定が変えられず、結局業者に頼むことになります。
- 担当者を決めず、全員で見る体制にする。責任者がいないと、更新が止まります。
- 切り替えと同時にサイトを作り直す。順位が動いたとき、原因が分からなくなります。
- 期限を決めずに、ずるずる並走する。費用だけが重なり続けます。
注意
不安から「念のため、もう半年並走」とするのは避けてください。並走の期間は、日付で決めて、延ばすときは理由を書くのが原則です。
セクションのまとめ:契約終了を先にしない、権限はオーナーで持つ、担当者を決める、同時に作り直さない、期限を決める、の5つを守ります。
AIを使って、引き継ぎの整理を手伝ってもらう
引き継ぎの整理には、AI(文章を作る道具)が役に立ちます。ただし、AIに任せきりにはしないでください。人間が最後に確かめる前提で使います。
AIに向いている作業
- 業者から届いた作業履歴を、表に整理する
- 月次レポートの文章を、4つの数字に要約する
- 業者への依頼文や、質問のたたき台を作る
- 手順書の下書きを作る
AIに任せてはいけない作業
- 社外秘の契約書やログイン情報を、そのまま入力する
- 記事の事実確認(数字や固有名詞の正確さ)
- 切り替えの可否の判断
- 順位が動いた原因の断定
パスワードや契約書の全文は、AIの入力欄に貼らないでください。必要な場合は、会社名や金額を伏せた形にします。社内のルールがあれば、それに従ってください。
担当者が最初の30日にやることは、Web担当者になったら最初の30日でやるべきことにまとまっています。AIの使い方も、あわせて確認すると安心です。
セクションのまとめ:AIは整理や下書きに使い、機密情報の入力と判断は人間が行います。
相談の入口
社内への切り替えを進めたいが、資料や権限が手元にそろっているか分からない。3か月の期間で足りるか不安だ。そのようなときは、状況をうかがったうえで、回収する資料と順番を一緒に整理します。まずは費用のかからない相談から、お気軽にどうぞ。
サイトの現状を先に知りたい場合は、無料診断もご利用いただけます。
よくある質問
社内への切り替えについて、社長からよく寄せられる質問をまとめました。
Q. 検索対策を内製化(社内で運用)するのに、どのくらいの期間を見ればよいですか。
目安は3か月です。1か月目に資料と権限を回収し、2か月目に業者と重ねて社内で作業し、3か月目に社内だけで運用します。サイトが小さければ2か月、担当者の時間が少なければ4〜6か月でも問題ありません。大切なのは、期限を日付で決めることです。
Q. 業者から最初に受け取るべきものは何ですか。
サーチコンソールのオーナー権限、アナリティクスの管理者権限、サイト管理画面のログイン情報、記事の原稿と画像の元データ、月次レポートと作業履歴、Googleビジネスプロフィールのオーナー(できればメインオーナー)権限の6点です。契約を終える前に、すべてを受け取っておきます。
Q. 業者に切り替えを伝えるとき、理由はどう説明すればよいですか。
「社内で運用できる体制をつくることにしました」と短く伝えれば十分です。不満や批判は書かないほうが、資料の提供や並走への協力を得やすくなります。そのうえで、受け取りたい資料と、3か月の協力をお願いしてください。
Q. 社内に切り替えたあと、担当者は週に何時間ほど必要ですか。
サイトが小〜中規模で、週に記事を1本足す場合の想定で、週2〜4時間ほどです。これは目安の幅で、記事の長さや担当者の慣れによって変わります。最初の3か月は、これより多めにかかる前提で考えてください。
Q. 社内だけで難しい作業が出たときは、どうすればよいですか。
すべてを社内に戻す必要はありません。技術的な設定や、年に1〜2回の方針の見直しなど、難しい部分だけ外部に相談する形も自然です。範囲と費用を事前に決めておくと、負担が増えすぎずに済みます。
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まとめ:契約を終える前に、資料と権限を戻す
検索対策を社内に切り替える手順は、回収、並走、移行の3段階です。期間は3か月を目安に、サイトの規模と担当者の時間に合わせて調整します。
- 社長が決めるのは、担当者・期限・重ねる期間の3つ
- 受け取るのは、6点の資料と権限。オーナー・管理者として持つ
- 1か月目は見る、2か月目は重ねる、3か月目は任せる
- 切り替え中は、URL・タイトル一斉変更・全面リニューアルを避ける
- 難しい作業は、一部だけ外に相談してよい
社内に戻すことは、業者との関係を断つことではありません。会社が自分で判断できる状態に戻すことです。落ち着いて、一つずつ進めてください。
この記事の執筆
webcan.jp編集部 主筆 K.Takenouchi。Webディレクター・SEOコンサルタントとして10年以上の現場経験を持ち、大手金融系メディアや医療系コーポレートサイトのコンテンツマーケティング支援、ECサイトの企画運営・KPI設計、月商数百万円から月商1億円規模への成長支援などに携わってきました。
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